4月2日(日本時間3日)に行われたサンアントニオ・スパーズ対デンバー・ナゲッツの一戦では、ビクター・ウェンバンヤマとニコラ・ヨキッチがそれぞれ活躍した。
ウェンバンヤマは23得点、15リバウンド、9ブロック、8アシストと、クアドルプルダブルに迫るスタッツ。一方、ヨキッチは42得点、16リバウンド、6アシスト、2ブロックを記録している。
後半のほとんどで、ウェンバンヤマはアーロン・ゴードンにマークされた。だが、見ごたえがあったのは、スパーズ新人とヨキッチが1on1となった時だ。
ヨキッチは3回目のMVP受賞が見込まれるリーグ最高の選手だ。そしてウェンバンヤマはすでにリーグのトップ15に入る選手で、いつかヨキッチを追い抜くポテンシャルを秘めている。
29歳のヨキッチにはまたリーグでトップクラスの活躍をする時間が多く残されているだろう。その彼に続いているのがウェンバンヤマだ。ここでは、両選手が伝説的なライバル関係になりつつある理由をまとめる。
ヨキッチを止める可能性に最も近いウェンバンヤマ
はっきりさせよう。誰もヨキッチを止めることはできていない。『Stathead』によれば、ヨキッチは今季のスパーズ戦でも平均37.3得点、11.3リバウンド、6.7アシスト、フィールドゴール成功率60.0%を記録している。
しかし、ウェンバンヤマは何度かヨキッチを守ることができた。今季、ヨキッチを相手にリーグ最多となる6ブロックを記録している。長いウィングスパンでヨキッチを苦しめ続けたのだ。
2日(同3日)の試合後、ヨキッチは「次にブロックしてきたら何かやってやろうとする」と話した。
「でも、その後も彼には4ブロックされた。だから、何もできなかったってことだね」
それでも、ヨキッチはウェンバンヤマを相手にショット成功率56.3%を記録している。ヨキッチがウェンバンヤマを上回る場面もあったということだ。だが、ウェンバンヤマはまだまだ完成されていない。彼が力をつけていけば、ヨキッチとのマッチアップはもっと厳しいものになる。
ウェンバンヤマとヨキッチのハイライト集は素晴らしい
最高級のパサーがいて、さらに同じコートに打破できるような選手もいたら、見どころは満載だ。
2日(同3日)の試合もそうだった。ただ、ヨキッチのベストプレイだったのは、一気にコートの反対側まで運んだインバウンドパスだ。
終盤のウェンバンヤマの得点とブロックもインターネット上を沸かせた。
まさに最高レベルの試合だ。彼らが対戦する時はいつだって必見となるだろう。
ビクター・ウェンバンヤマとスパーズはこれから
今回のナゲッツとスパーズの試合が接戦となったのは、ちょっとした奇跡とすべきだろう。
ナゲッツはジャマール・マレーが欠場したが、それでもスターティングラインナップには多くのタレントを擁していた。一方、第4クォーターでウェンバンヤマが一緒だったのは、ザック・コリンズ、マラカイ・ブラナム、デボンテ・グラハム、トレイ・ジョーンズだ。
今のスパーズは厳しい。だが、すぐに事態を好転させられるほど多くのサラリーキャップの空きとドラフト指名権がある。一方、ヨキッチ擁するナゲッツはしばらく変わらないだろう。ケンテイビアス・コールドウェル・ポープを除く主軸のほとんどが複数年とどまるはずだ。
両チームが今の流れのままなら、数シーズンのうちにウェスタン・カンファレンスの頂点を競うようになっているかもしれない。
ニコラ・ヨキッチとビクター・ウェンバンヤマは互いをリスペクト
ヨキッチは今シーズンを通じてウェンバンヤマを称賛してきた。
最初の対戦後、ヨキッチはウェンバンヤマが「100%ゲームを変える」選手と評している。
互いを称賛していることはコートの上でも見てとれる。互いに競うのを楽しんでいることは明らかだ。
ヨキッチはウェンバンヤマの大ファンのひとりなのだ。未来は明るいと見ている。2日(同3日)の試合でも、ヨキッチは報道陣にこう話しているのだ。
「彼は謙虚で、ハードワークし、さらにハングリーだと思う。本当に素晴らしい組み合わせだね」
原文:Nikola Jokic vs. Victor Wembanyama is the best show in the NBA and the league's next great rivalry(抄訳)
翻訳:坂東実藍