ナゲッツのヨキッチがヒートとの第3戦でNBAファイナル初の記録達成

2023-06-08
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(Getty Images)

ニコラ・ヨキッチにできないことはないのだろうか?

デンバー・ナゲッツのスーパースターは、6月7日(日本時間8日)に行われたマイアミ・ヒートとのNBAファイナル2023第3戦で、再び止めることができないかのようなパフォーマンスを見せた。ナゲッツは109-94でヒートに敵地で勝利し、シリーズを2勝1敗として、球団初の優勝まであと2勝としている。

ヨキッチは32得点、21リバウンド、10アシストという歴史的な数字を残した。NBAファイナルの歴史で30得点&20リバウンド&10アシスト超は初のことだ。

20得点&20リバウンド&10アシスト超という数字ですら、NBAファイナルで達成したのは過去に3人しかいない。ティム・ダンカン、ビル・ラッセル、デイブ・コーウェンスだ。ファイナルでの25得点&20リバウンド超も、ダンカン、シャキール・オニール、ラリー・バードと、これまで3人だけだった。

さらにすごいのは、NBAプレイオフの歴史でも30得点&20リバウンド&10アシスト超は5回目という点だ。そしてそのうちの3回はヨキッチが達成している。ほかにこの数字を残したのは、カリーム・アブドゥル・ジャバーとウィルト・チェンバレンが1回ずつだ。

それでも、セルビアのビッグマンは試合後、歴史をつくることの意味を問われると、いつものように謙虚な姿勢だった。

ヨキッチは『ESPN』のリサ・ソルターズ記者に「正直、たいしたことじゃない」と話している。

「試合に勝ったことだけがうれしい。僕らにとって大きな勝利だ。ホームで負けていたからね。とにかく1勝2敗にされたくなかった」

NBAプレイオフ2023でヨキッチは平均30.4得点、12.9リバウンド、10.1アシストと素晴らしい活躍を見せている。このまま続ければ、ポストシーズンでの平均トリプルダブル達成だ。オスカー・ロバートソン(1962年)、ジェイソン・キッド(2007年)、ラッセル・ウェストブルック(2017年、2021年)に続き、史上4人目の記録となる。

もちろん、ヨキッチひとりで成し遂げていることではない。チームメイトのジャマール・マレーも第3戦で30得点を含むトリプルダブルを達成するなど、見事なパフォーマンスだった。

NBAの歴史において、レギュラーシーズンとポストシーズンの双方で、同チームのチームメイトが同じ試合でそろってトリプルダブルを達成したのは15回しかない。NBAファイナルでは初めてのことだ。

ヨキッチとマレーのコンビがこのまま活躍を続ければ、ナゲッツが優勝を飾るのは遠くないかもしれない。

原文:Nuggets' Nikola Jokic rewrites NBA Finals record book with stats in Game 3 vs. Heat(抄訳)