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NBAプレイオフでシリーズ0勝3敗から第6戦や第7戦まで持ち込んだ過去の例は?

2024-06-13
読了時間 約4分
(NBAE via Getty Images)

スポーツではよく、安全なリードは存在しないと言われる。だが、NBAにおいては、歴史が逆転不可能と証明してきたリードがひとつ存在している。

NBAプレイオフの歴史において、最大7戦制の4勝先取方式でシリーズ0勝3敗となったケースは156回。そのうち、4チームが3連勝で第7戦まで持ち込んだ。ただ、逆転してシリーズを制した例はない。

2023年のイースタン・カンファレンス・ファイナルでは、マイアミ・ヒートを相手に0勝3敗となったボストン・セルティックスが歴史をつくりかけた。第4戦と第5戦を制してマイアミでの第6戦にも勝利し、史上初の0勝3敗からの逆転シリーズ制覇に近づいたのだ。

しかし、最後はホームでヒートに敗れ、歴史に新たな1ページを刻むことはできなかった。

2023-24シーズンのプレイオフでは、ウェスタン・カンファレンスのファーストラウンドでフェニックス・サンズがミネソタ・ティンバーウルブズを相手に、ロサンゼルス・レイカーズがデンバー・ナゲッツを相手に、ニューオーリンズ・ペリカンズがオクラホマシティ・サンダーを相手に、それぞれシリーズ開幕3連敗を喫し、やはり逆転することができていない。

また、両地区の決勝でも、西でウルブズがダラス・マーベリックスを相手に、東でインディアナ・ペイサーズがボストン・セルティックスを相手に、シリーズ0勝3敗という崖っぷちに立たされ、そのまま敗退を余儀なくされている。

そして両カンファレンス・ファイナルに続き、NBAファイナル2024もシリーズ0勝3敗が実現した。セルティックスが3連勝を飾り、マーベリックスは後がなくなっている。

ルカ・ドンチッチやカイリー・アービングを擁するマーベリックスは、NBAプレイオフの歴史を塗り替えることができるだろうか。

『スポーティングニュース』では、NBAプレイオフでシリーズ0勝3敗から第6戦ないし第7戦に持ち込んだ過去のケースを振り返った。

NBAプレイオフで0勝3敗から第6戦に持ち込んだチーム

ラウンドとチーム シリーズ結果
2022 東地区 1回戦 ラプターズ 76ersが4勝2敗で勝利
2015 東地区 1回戦 バックス ブルズが4勝2敗で勝利
2013 西地区 1回戦 ロケッツ サンダーが4勝2敗で勝利
2013 東地区 1回戦 セルティックス ニックスが4勝2敗で勝利
2010 東地区 決勝 マジック セルティックスが4勝2敗で勝利
2007 東地区 準決勝 ブルズ ピストンズが4勝2敗で勝利
2000 東地区 準決勝 76ers ピストンズが4勝2敗で勝利
1996 NBAファイナル スーパーソニックス ブルズが4勝2敗で勝利
1962 西地区 決勝 ピストンズ レイカーズが4勝2敗で勝利
1949 NBAファイナル キャピトルズ レイカーズが4勝2敗で勝利
1947 準決勝 キャピトルズ スタッグズが4勝2敗で勝利

NBAで0勝3敗から第7戦に持ち込んだチームは?

セルティックス(2023年 対ヒート)

2023年のイースタン・カンファレンス・ファイナルで、セルティックスはシリーズ0勝3敗から第7戦に持ち込んだ史上4チーム目となった。

だが、そこまでの道のりは容易ではなかった。第4戦と第5戦で快勝したセルティックスは、第6戦で歴史的チャンスを失いかけたのだ。残り4分で10点差をリードしながら、一瞬のうちに1ポゼッションゲームまでリードを縮められたのである。

残り3秒にはジミー・バトラーに3本のフリースローを決められ、1点のビハインドを背負った。さらに、決まれば勝利というマーカス・スマートの3ポイントショットが外れる。しかし、ホワイトの逆転決勝ブザービータープットバックで、セルティックスはボストンでの第7戦に持ち込んだ。

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NBAの歴史で一度も成し遂げられなかったことまであと1勝に迫ったセルティックスだが、ホームでの第7戦は前半から二桁のビハインド背負い、最大23点差をつけられ、84-103で黒星。史上2チーム目となる第8シードからのNBAファイナル進出を許すことになった。

ブレイザーズ(2003年 対マーベリックス)

第6シードのブレイザーズは、ダーク・ノビツキーを擁する第3シードのダラス・マーベリックスと対戦したNBAプレイオフ2003のファーストラウンドで0勝3敗とリードを奪われた。

平均8.7点差で3連敗を喫したブレイザーズだったが、第4戦と第6戦で快勝。第5戦は4点差で制し、第7戦まで持ち込んだ。

だが、舞台をダラスに戻しての第7戦、マーベリックスのノビツキーに31得点、11リバウンドを許し、95-107で敗れた。

ナゲッツ(1994年 対ジャズ)

ナゲッツは1994年に歴史をつくりかけた。

第8シードから初めてファーストラウンドを突破したチームとなったこの時のナゲッツは、ウェスタン・カンファレンス・セミファイナルで第5シードのユタ・ジャズに冷や汗をかかせたのだ。最初の3試合を落としたナゲッツだったが、第3戦は1ポゼッション差だった。

そして第4戦を1点差で制し、敗退決定を回避したナゲッツは、ロードでの第5戦も8点差で勝利。さらにホームでの第6戦にも3点差で勝ったのだ。

しかし、ソルトレイクシティでの第7戦は、カール・マローンに31得点、14リバウンド、6アシストを許し、ジャズに10点差で敗れている。

ニックス(1951年 対ロイヤルズ)

1951年のNBAファイナルで、ニューヨーク・ニックスは同じ州のロチェスター・ロイヤルズに最初の3試合で敗れた。

敗退の危機に瀕したニックスだが、第4戦を6点差、第5戦を3点差、第6戦を7点差で制した。

だがロチェスターでの第7戦は、ロイヤルズのアーニー・ライゼンに24得点、13リバウンドを許し、75-79で敗戦。1951年のNBAタイトルを取り逃した。

※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:坂東実藍
編集:スポーティングニュース日本版編集部