NBAインシーズン・トーナメント決勝トーナメントの注目ポイント

2023-12-05
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(NBAE via Getty Images)

NBAのインシーズン・トーナメント導入が発表された時は、何を期待できるのかが誰も分からなかったのではないか。どう行われるのかという混乱、本当に必要だったのかという疑問、一方でどのようなものになるのかという期待もあった。

始まってみると、大会への関心の高さは否定できないものとなった。グループステージが終わりに近づくと関心度は最高潮に達した。準々決勝進出に直接影響する様々なシナリオに、ファンは魅了されたのだ。

インシーズン・トーナメントはこれから決勝トーナメントが始まる。初の優勝チームとなって歴史に名を刻もうとするのは、ミルウォーキー・バックス、ボストン・セルティックス、サクラメント・キングス、ニューヨーク・ニックス、ロサンゼルス・レイカーズ、インディアナ・ペイサーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、フェニックス・サンズの8チームだ。

決勝トーナメントを前に、いくつかの注目ポイントをまとめた。

NBAインシーズン・トーナメント決勝トーナメントの注目ポイント

1. ペイサーズの試合で準々決勝が始まるのはうれしいことだろう。そうでもなければあまりスポットライトが当てられないが、絶対に注目されるべきチームだ。タイリース・ハリバートンは非常に面白い存在で、ファンは彼の攻撃を楽しめるはずだ。平均27.0得点、11.8アシスト、フィールドゴール成功率51.9%、3ポイントショット成功率44.7%、フリースロー成功率88.0%を記録している。

2.準々決勝は両カンファレンスの上位2チームの本拠地で開催される。大会最後のホームコート・アドバンテージだ。

派手なコートデザインだけではなく、準々決勝でアリーナはプレイオフのような雰囲気となるだろう。ペイサーズの本拠地ゲインブリッジ・フィールドハウスでは、2021年にプレイイン・トーナメントの試合が行われたが、プレイオフの試合は2019年4月が最後となっている。ちなみに、その時の相手も今回の準々決勝と同じセルティックスだった。

3. ペイサーズも面白いが、有利と見られているのはセルティックスだ。東地区のもう1試合では、バックスがニックス相手に有利とされている。両チームが勝ち進んだ場合、イースタン・カンファレンス・ファイナルの組み合わせとして有力視されている2チームの顔合わせが実現だ。

4. ここからはトーナメント形式で一発勝負となる。だが、ローテーションが限定的となり、戦略的選択がはるかに重要となるプレイオフのようにコーチ陣がとらえるのかは興味深い。レギュラーシーズンはまだ4か月も残っている。ビッグネームのスター選手たちが長くプレイすることが期待されるが、それほどの出場時間にはならないかもしれない。

5. ザイオン・ウィリアムソンとペリカンズにとっては大事な舞台だ。ペリカンズがドラフト全体1位で指名して以降、チームがポストシーズンに進んでも、ウィリアムソンは欠場が続いた。だが、最近の彼は好調だ。不当にも彼を見限ってきた人は、そのパフォーマンス次第で軌道修正を余儀なくされるかもしれない。

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6. 再びレブロン・ジェームズ対ケビン・デュラントが実現する。今季を迎えるまで、2018年のクリスマスまでさかのぼらなければならなかった対決だ。今季最初の対戦を終えた後、ジェームズは「あまり(対戦する機会は)残っていない」と話した。NBAファイナルですでに3回対戦している彼らだが、初のインシーズン・トーナメント準々決勝でも彼らの対決が実現するのはしっくりくる。

7. フランク・ボーゲル・ヘッドコーチにとっては、少しさらなる意味合いを持つ機会ではないだろうか。2020年にレイカーズをNBA優勝に導いたが、2021-2022シーズン終了後に解任された。現在は、優勝を目指す別のチームを率いている。準決勝以降が行われるラスベガスへの切符と大きな栄誉を狙う古巣を阻む機会となるかもしれない。

8. ラスベガスといえば、準決勝以降がどのようになるのか興味深い。複数のチームが一か所に集まるのは、オーランドでのバブルや毎年のサマーリーグでも見てきた。だが、今回は違う。観客たちがおり、各チームにオールスター選手たちがいる。そして各チームのホームアリーナを見てきた限り、コートも映えるものとなるだろう。

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9. ウェスタン・カンファレンスは、新進気鋭のチームと実績あるチームが優勝への道で競うかたちとなった。準決勝がどんな組み合わせになっても、それぞれ興味深い。

  • レイカーズ対キングスなら、一時代を築いた2000年代初頭のライバル関係に再び火がつく。
  • レイカーズ対ペリカンズなら、2019年のアンソニー・デイビスのトレードから両軍ファンが興味深い。
  • サンズ対キングスなら、ディアロン・フォックス&ドマンタス・サボニス対デュラント&デビン・ブッカーというオールスターコンビ同士が対戦だ。
  • サンズ対ペリカンズなら、2022年のプレイオフ・ファーストラウンドの再戦。現在のサンズは当時とまったく異なるチームだが、まだ火種はいくらか残っている。

10.初のインシーズン・トーナメント決勝で、セルティックスとレイカーズのライバル対決が主役となったら、どれほど面白いことだろうか。

両チームはNBAファイナルで12回対戦しており、NBA最多タイの優勝17回を誇る。これだけ歴史ある両球団にとって、インシーズン・トーナメント優勝はさほど大きな意味を持たないかもしれない。だが、両者のライバル関係に限れば、インシーズン・トーナメントを制したチームが得意げになれるのは間違いない。

11.サンズとバックスの決勝になれば、2年前のNBAファイナルの再戦だ。ただ、当時とはまったく違うものとなるだろう。ヤニス・アデトクンボとブッカーがいれば似た感じだが、今回はデュラント、そしてデイミアン・リラードもいる。

前回の対戦を上回る「再戦」となるかもしれない。

(NBAE via Getty Images)

12. キングス、ペイサーズ、ペリカンズのような新鋭のチームが優勝したら、どれだけの勢いになることだろうか。すべてが新しいことは、彼らに有利に働くかもしれない。

13.優勝したらどれほどの喜びとなるのだろう。選手たちはかなりオープンに、50万ドル(約7350万円/1ドル=147円換算)の賞金を重視していると話してきた。勝ち進むほど、その激しさは増すだろう。決勝はかなり気持ちの入った一戦になるのではないか。

どのチームが優勝しても、新たな歴史となる。そして残りのレギュラーシーズンに向けて勢いをもたらすかもしれない。

14.当初インシーズン・トーナメントをどう思ったにせよ、今は受け入れる時だろう。

6か月のレギュラーシーズンの一部であることに慣れたら、関心は高まるばかりのはずだ。結局のところ、面白い2チームがゴールデンタイムに対戦し、限られた超エリートたちが戦うところを見ることができた。ファイナルのプレビューにもなるかもしれない。

15. これらのポイントを抑えたうえで、初のインシーズン・トーナメント決勝トーナメントをチェックしよう。

準々決勝の日程やグループステージの結果はこちら

インシーズン・トーナメントの決勝トーナメント表

原文:NBA In-Season Tournament preview: The top 15 storylines to watch in Knockout Rounds(抄訳)
翻訳:坂東実藍