第4週はNBAのバランスを見極め始めることがようやくできる週だ。イースタン・カンファレンスとウェスタン・カンファレンスのチームによる対戦が増え始める。
今季は、11月6日(日本時間7日)を終えた時点で別カンファレンスチームとの試合が31回(1日平均1.6)しか行われていない。別カンファレンスといまだに対戦していないチームがまだ5チーム(イーストに1チーム、ウェストに4チーム)も存在する。
しかし次の7日間で一気に増える予定だ。第4週は別カンファレンスとの試合が、第3週までにあった31回と同じだけあるのだ。
昨季はイーストがウェスト相手に勝率で優っているのだが、なんとそれはここ23年でわずか2回目。今季の開幕前にはイーストがこれまでよりも強化された印象だったものの、ここまで31試合でウェストに17回敗れている。
別カンファレンスとの試合は決して自慢するためだけのものではない。各カンファレンスのチームがプレイオフに出場するために必要な勝利数に直接影響する。現在イーストの6位は5勝6敗のブルズだ。
現在はウェストの方が強いということもあって、パワーランキングのトップ10にはウェストから7チームがランクイン。しかし、トップ2チームはイーストからで、いまだ無敗のミルウォーキー・バックスが1位、そして8連勝中のクリーブランド・キャバリアーズが2位となっている。
※11月6日(同7日)までの試合消化時点。プレシーズンやスケジュールも考慮されたパワーランキングのため、純粋な成績順ではない。
注目チーム
クリーブランド・キャバリアーズ(3勝0敗):キャバリアーズは同じイーストのブルズとニックスに勝利した上に、オーバータイムの末にセルティックスを倒し、連勝を8に伸ばした。
デトロイト・ピストンズ(0勝3敗):今年のピストンズは競争率が上がることが期待されているものの、バックスとキャバリアーズ(しかも2人のオールスターガードが欠場)相手に合わせて49点差で負けてしまっている。
イースト vs ウェスト
ウェスタン・カンファレンスのチームはイースタン・カンファレンスのチーム相手にここまで17勝14敗(勝率 .548)だ。しかし第3週はイーストが8勝6敗。
ランキング変動
急上昇:BKN(+6)、LAC(+5)、MIA(+4)、TOR(+4)
急降下:SAS(-9)、GSW(-6)、CHA(-5)
これまでのランキング
OffRtg(オフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での得点(リーグ順位)
DefRtg(ディフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での失点(リーグ順位)
NetRtg(ネットレーティング):100ポゼッション平均での得失点差(リーグ順位)
Pace(ペース):48分平均でのポゼッション数(リーグ順位)
今季はリーグ全体で100ポゼッション平均111.2得点で、48分平均で100.2ポゼッションが記録されている。
1位 |
ミルウォーキー・バックス |
成績:9勝0敗
OffRtg: 112.0 (16) DefRtg: 100.6 (1) NetRtg: +11.5 (2) Pace: 100.7 (13)
プレイした9試合で、相手に1分半以上リードをされたことがあるのはわずか3試合のみ。先発ラインナップは対戦相手の先発ラインナップよりも100ポゼッション平均34.5得点も上回っており(100ポゼッション平均失点85.1)、第1クォーターのネットレーティングはリーグトップとなるプラス24.1だ。
今季は3ポイントショットを積極的に守っているのがバックスの特徴だ。昨季は対戦相手に15本以上の3Pを決められた試合がリーグトップの39試合(82試合の48%)あったのだが、今季はまだ9試合中1試合しか起きていない。
第4週:@ATL、@OKC、@SAS
2位 ↑ |
クリーブランド・キャバリアーズ |
成績:8勝1敗
OffRtg: 114.8 (6) DefRtg: 102.9 (2) NetRtg: +12.0 (1) Pace: 97.7 (27)
開幕戦でラプターズに敗れて以来、キャバリアーズはアメリカ合衆国内では無傷の8連勝だ(ラプターズはカナダ)。5試合欠場していたダリアス・ガーランドは復帰戦でセルティックス相手に29得点、12アシスト(1ターンオーバー)の活躍を見せた。そしてドノバン・ミッチェルはレイカーズへの逆転勝利で33得点(フリースロー13本中12本成功)を獲得している。
さらに見られたのが層の厚さだ。ガーランドとミッチェル抜きで戦ったピストンズ戦では、ケビン・ラブが21得点、10アシストを記録し大勝。レイカーズ戦は第3クォーターから第4Qにかけて、ラブ、ジェディ・オスマン、ディーン・ウェイドら3人の控え選手が出場している時間帯に連続17得点を記録した。
第4週:@LAC、@SAC、@GSW、vs. MIN
3位 ↓ |
フェニックス・サンズ |
成績:7勝2敗
OffRtg: 116.4 (3) DefRtg: 105.1 (3) NetRtg: +11.3 (3) Pace: 97.8 (26)
ティンバーウルブズへの勝利でキャリア2番目に多い29得点を記録したキャム・ジョンソンは、次のブレイザーズとの試合の第1Qに右ひざ半月板を断裂してしまった。彼がどれだけ離脱するのかはまだわかっていないが、この状況でジェイ・クラウダーが起用できないのは痛い。
ジョンソンの代わりに先発で起用したのはトーリー・クレッグで、22分弱の出場時間でプラス22を記録している。気になるのは、ダリオ・シャリッチの復調が想定よりも時間がかかっていることだ。ここまでシャリッチがオフェンスに関わった75ポゼッションで、サンズはわずか63得点しかできていない。
第4週:@PHI、@MIN、@ORL
4位 ↑ |
ボストン・セルティックス |
成績:6勝3敗
OffRtg: 117.5 (2) DefRtg: 113.7 (23) NetRtg: +3.8 (8) Pace: 99.0 (21)
少しは改善されてきたものの、やはりまだディフェンスが問題だ。3週間が経って、昨季と比べて、セルティックスの100ポゼッション平均での失点は7.5も増えてしまっている(106.2から113.7)。これは10.0増えているウォリアーズに次いで2番目に多い差だ。
その代わり、オフェンスは絶好調だ。ニックス戦では51本の3P試投で、チーム記録となる27本を成功させている(NBA史上4番目の多さに並ぶ)。フィールドゴール試投の3Pが占める割合は47.3%でリーグトップで、7選手が25本以上の3P成功&成功率35%超を記録している。
第4週:@MEM、vs. DET、vs. DEN、@DET
5位 ↑ |
ユタ・ジャズ |
成績:8勝3敗
OffRtg: 114.1 (8) DefRtg: 109.0 (8) NetRtg: +5.0 (6) Pace: 100.4 (17)
サプライズチームとなっているジャズはまだ止まらない。ここ5試合で4勝しており、唯一の敗戦もマーベリックス相手に3点差で敗れたものだ。ジャ・モラントのいるグリズリーズに圧勝し、レイカーズの2連勝を止め、クリッパーズの3連勝も止めた。対戦相手よりも3Pから多く得点した試合では8勝0敗で、少なかった時は0勝3敗だ。
ジャズはショットセレクションがはっきりしており、FGのミッドレンジが占める割合はリーグ最低のわずか6%で、3Pとペイント内からの得点がほとんど。昨季はミッドレンジからのショットが20%を占めていたコリン・セクストンでさえも、今季は5%を切っている(FG試投110本に対して、ミッドレンジからは5本中3本成功)。
第4週:vs. LAL、@ATL、@WAS、@PHI
6位 ↓ |
ポートランド・トレイルブレイザーズ |
成績:6勝3敗
OffRtg: 110.3 (20) DefRtg: 109.5 (11) NetRtg: +0.8 (14) Pace: 98.5 (23)
デイミラン・リラードが離脱してからのブレイザーズは2勝2敗で、その4試合中3試合の相手がグリズリーズとサンズ(2回)だったことを考えれば悪くない成績だ。サンズとの試合では、ベンチ陣の活躍からユスフ・ヌルキッチのクラッチプレイへと繋ぎ、最後にはジェレミー・グラントが決勝点をブザービーターで決めた。
ディフェンスが昨季と比べて大幅に改善されており、それが好成績に繋がっている。グリズリーズ戦でも、そのディフェンスを武器に第4Qに17点差を追いつくところまでいったものの、続く4ポゼッションで得点が出来ず、黒星を喫した。
第4週:@MIA、@CHA、@NOP、@DAL
7位 ↑ |
デンバー・ナゲッツ |
成績:6勝3敗
OffRtg: 115.3 (5) DefRtg: 113.3 (20) NetRtg: +2.0 (9) Pace: 100.9 (11)
ナゲッツは第1Qに強く、ここ6試合全ての第1Qで勝利している。直近の2試合の第1Q合計では、82-56で対戦相手を得点で上回っている。53ポゼッションで83得点という高効率で、放った20本中15本の3Pを決めている。先週15位だったオフェンシブレーティングは、今週5位まで急上昇した。
その上昇に貢献しているのがジャマール・マレーだ。ここ3試合で平均出場時間は30分未満でありながらも19.3得点を記録。全体的にバランスの取れたオフェンスで、5試合以上の出場で平均二桁得点を記録している選手が7人もおり、これはリーグトップだ。
第4週:@SAS、@IND、@BOS、@CHI
8位 ↓ |
ダラス・マーベリックス |
成績:5勝3敗
OffRtg: 117.5 (1) DefRtg: 111.1 (14) NetRtg: +6.4 (5) Pace: 95.6 (30)
第1週にグリズリーズに41点差で勝利したマーベリックスだが、それ以外の7試合は、最後の5分間で5点差以内(クラッチ)という接戦が多い。クラッチポゼッションでは対戦相手の方が効率良く得点しているものの、リードを持った状態でクラッチタイムに突入していることもあり、7試合中4試合に勝利している。
先発センターがジャベール・マギーからドワイト・パウエルに変わったこともあり、今後それが数字にどう影響するかは注目だ。しかしさらに注目なのは、ルカ・ドンチッチとスペンサー・ディンウィディーの片方しかコートにいない時(100ポゼッション平均プラス17.6、合計220分)と、両方がコートにいる時(同マイナス8.0、合計167分)の得失点差だ。
第4週:vs. BKN、@ORL、@WAS、vs. POR
9位 ↑ |
メンフィス・グリズリーズ |
成績:7勝3敗
OffRtg: 114.8 (7) DefRtg: 113.6 (22) NetRtg: +1.2 (10) Pace: 100.7 (14)
10月は7試合でリーグ最下位となる100ポゼッション平均119.5失点を記録したグリズリーズだが、11月に入ってからは同99.7失点(リーグ4位)で3勝0敗だ。対戦相手がオフェンス20位のブレイザーズ(リラード不在)、27位のホーネッツ(テリー・ロジアーとゴードン・ヘイワード不在)、そして24位のウィザーズ(ブラッドリー・ビール不在)ではあったものの、最下位からの脱出は好材料だ。
デズモンド・ベインはオールスター級の活躍を続けている。ここ6試合で平均29.5得点、エフェクティブフィールドゴール成功率68%(eFG率/3P成功数を1.5倍にして計算する、3Pの効率を考慮したFG成功率)を記録しており、プルアップからの3Pはリーグトップとなる42本中23本成功(55%)という数字を残している。
第4週:vs. BOS、@SAS、vs. MIN、@WAS
10位 ↓ |
ニューオーリンズ・ペリカンズ |
成績:5勝4敗
OffRtg: 114.1 (9) DefRtg: 109.4 (10) NetRtg: +4.7 (7) Pace: 100.0 (19)
ペリカンズは4クォーターで終わる試合は5勝1敗だが、オーバータイムまでいった試合は0勝3敗で、先週はそれが2回あった。CJ・マカーラムへの負担が大きく、クラッチタイムになるとチームとして1ポゼッション平均が1点を下回ってしまっている。
しかし、ブランドン・イングラムとハーブ・ジョーンズが復帰したのは重要だろう。ここまでベンチが大きく貢献することを必要としていたペリカンズだが、先発ラインナップが戻ってきたことで今週はそこでの数字を伸ばしていきたい。
第4週:@IND、@CHI、vs. POR、vs. HOU
11位 ↑ |
トロント・ラプターズ |
成績:6勝4敗
OffRtg: 116.0 (4) DefRtg: 108.5 (6) NetRtg: +7.5 (4) Pace: 97.8 (25)
パスカル・シアカムは平均20得点以上、7リバウンド以上、7アシスト以上を記録していたわずか5人のうちの1人で、残りの4人はMVP受賞経験のある3人とルカ・ドンチッチのみという素晴らしい活躍だっただけに、このタイミングでの負傷離脱(右内転筋)は残念だ。
それでもラプターズの層は厚い。100ポゼッション平均での得点の昨季に対する上昇率はリーグで5番目に高く、ターンオーバーが少なく、オフェンシブリバウンドも多い。さらに、シアカムの代わりにブルズ戦で先発出場したルーキーのクリスチャン・コロコが6ブロックを記録するなどの活躍も見せている。
第4週:@CHI、vs. HOU、@OKC、@IND
12位 ↑ |
アトランタ・ホークス |
成績:6勝3敗
OffRtg: 113.2 (12) DefRtg: 112.5 (16) NetRtg: +0.7 (15) Pace: 101.6 (8)
昨季はホームで27勝14敗としながらも、アウェイで16勝25敗と苦しんだホークスだが、今季はここまでアウェイでも3勝2敗で勝ち越している。そしてホームでは、ペリカンズ相手にオーバータイムの末に勝利するなど好調だ。
トレイ・ヤングとデジャンテ・マレーが同時に出場している通算228分で、ホークスのネットレーティングはプラス12.2で、マレーのみがコートにいる105分でもプラス5.8だ。しかしヤングのみがプレイしている87分ではマイナス29.6で、同時間帯は100ポゼッション平均133.3失点とディフェンスに苦しんでいるのがわかる。
第4週:vs. MIL、vs. UTA、vs. PHI、@PHI
13位 ↑ |
シカゴ・ブルズ |
成績:5勝6敗
OffRtg: 110.5 (18) DefRtg: 109.6 (12) NetRtg: +0.9 (13) Pace: 100.9 (12)
攻守での安定感がまだないブルズは、試合によって結果がバラバラだ。ホーネッツ戦ではデマー・デローザンがわずか9得点でありながらも勝利したかと思えば、セルティックス戦ではデローザンが46得点(FT 22本中20本成功)と大活躍したにもかかわらず敗れている。
インサイドでの得点力向上が現在の課題だ。ペイント内FG成功率(49.4%、リーグ29位)と全体FG数のペイント内からの試投が占める割合(46%、リーグ26位)のどちらもがリーグ25位以下にランクインしているのはブルズのみだ。
第4週:vs. TOR、vs. NOP、vs. DEN
14位 ↑ |
マイアミ・ヒート |
成績:4勝6敗
OffRtg: 109.3 (22) DefRtg: 111.1 (15) NetRtg: -1.8 (21) Pace: 98.6 (22)
トラッキングデータを提供するSynergyによると、ヒートはリーグで最もゾーンディフェンスを起用しているチームだ(152ポゼッション、2位はブレイザーズの86ポゼッション)。そして25ポゼッション以上ゾーンディフェンスを使用した13チームの中で、1ポゼッション平均0.73失点はトップの数字だ。
しかし、それでもディフェンスがリーグ15位なのは、マンツーマンでのディフェンスで苦しんでいるからだ。今季のヒートは、バム・アデバヨがボールスクリーンに対してスウィッチした際の数字が昨季に比べて大幅に落ちている。
第4週:vs. POR、vs. CHA、vs. CHA
15位 ↓ |
ゴールデンステイト・ウォリアーズ |
成績:3勝7敗
OffRtg: 112.1 (15) DefRtg: 116.6 (28) NetRtg: -4.5 (24) Pace: 103.3 (3)
ウォリアーズのベンチは、現在100ポゼッション平均での得失点差がマイナス10.6でリーグ最下位だ。プレイ・バイ・プレイのデータがある過去26シーズンで、最もネットレーティングが低いベンチは、2011-12シーズンに7勝59敗だったシャーロット・ボブキャッツが記録したマイナス8.0なのだが、現在のウォリアーズベンチはそれすらも下回る。
しかし先発ラインナップも決して上手くいっているとは言えない。ドレイモンド・グリーンがいる時間帯に、ウォリアーズは100ポゼッション平均113.9失点を喫しており、昨季の102.8からは大きく増えてしまっている。
第4週:vs. SAC、vs. CLE、@SAC
16位 ↓ |
ニューヨーク・ニックス |
成績:4勝5敗
OffRtg: 111.0 (17) DefRtg: 112.8 (17) NetRtg: -1.8 (20) Pace: 100.6 (15)
先発メンバーを変えるなど、今季のトム・シボドー・ヘッドコーチは以前よりも早い段階から動き始めている。エバン・フォーニエの代わりにクエンティン・グライムズを先発出場させ、次の試合ではグライムズが欠場だったためキャム・レディッシュが先発出場。
さらに、ミッチェル・ロビンソンが負傷したこともあり、今季初めてジュリアス・ランドルとオビ・トッピンを同時に起用している。76ers戦でこそ機能したものの、セルティックス戦では両者で出場している時間帯に9本中7本の3Pを決められた。まだしばらく模索が続きそうだ。
第4週:@MIN、@BKN、vs. DET、vs. OKC
17位 ↓ |
フィラデルフィア・76ers |
成績:4勝6敗
OffRtg: 114.0 (10) DefRtg: 113.0 (19) NetRtg: +1.0 (12) Pace: 96.5 (29)
ジョエル・エンビード不在でプレイしたウィザーズとの連戦では、制限区域内とフリースローからの得点で合計82-145と圧倒されてしまった。それでも1勝1敗で終わったのは、勝利した試合では制限区域外の2Pショットを38本中22本決めたからだ(成功率58%)。今季のジェームズ・ハーデンはミッドレンジから24本中14本のショットを決めており、すでに2019-20シーズン(20本中10本)と2020-21シーズン(19本中9本)のミッドレンジからの成功数を超えている
しかし今度はそのハーデンが右足の腱の負傷で1か月ほどの離脱が報じらている。エンビードとハーデンが不在時の76ersのオフェンスの数字は大幅に下落するだけに、両者の復帰が待ち望まれる。
第4週:@WAS、vs. WAS、vs. NYK
18位 ↑ |
ブルックリン・ネッツ |
成績:4勝6敗
OffRtg: 113.0 (13) DefRtg: 113.6 (21) NetRtg: -0.6 (16) Pace: 98.4 (24)
ヘッドコーチが退任し、先発ポイントガードに出場停止処分を課した週を、ネッツは3勝1敗で乗り切った。ここ3週間ほどで、ネッツは他チームが3年間で直面しそうなネガティブドラマを経験している。
その3勝はペイサーズ、ウィザーズ、ホーネッツ相手ではあったものの、全てディフェンシブレーティングが105を下回り、ディフェンスが良かった今季のベスト3試合だ。アービングがしばらく欠場する場合、昨季よりも平均出場時間が多く、ユーセージ率がキャリア最高の33.4%を記録しているケビン・デュラントの負担を軽減する必要がありそうだ。
第4週:@DAL、vs. NYK、@LAC、@LAL
19位 |
ミネソタ・ティンバーウルブズ |
成績:5勝5敗
OffRtg: 110.3 (19) DefRtg: 109.2 (9) NetRtg: +1.1 (11) Pace: 103.0 (4)
4試合で100ポゼッション平均102.2得点(ルディ・ゴベアとカール・アンソニー・タウンズが同時に出場した90分間は同85.4得点)とオフェンスで苦しんでいたウルブズは、現地5日の試合でようやく129得点を獲得し、一度もリードを許すことなく勝利した。
7選手が二桁得点を記録し、新加入のカイル・アンダーソンが16得点、6アシスト、3スティールと活躍し、アンソニー・エドワーズがようやく今季初めてダンクを決めた。問題は相手が1勝9敗のロケッツだったことと、ゴベアが欠場(安全衛生プロトコル)していたことだ。
第4週:vs. NYK、vs. PHX、@MEM、@CLE
20位 ↑ |
ロサンゼルス・クリッパーズ |
成績:5勝5敗
OffRtg: 103.0 (29) DefRtg: 106.7 (4) NetRtg: -3.7 (22) Pace: 99.6 (20)
先週のクリッパーズの試合は全て点差が8点以内だった。そしてその4試合で、ポール・ジョージがプレイしていた時間帯(プラス15.0)と、ベンチに下がっていた時間帯(マイナス35.0)のネットレーティングの差がなんと50.0だ。
もちろん、もしカワイ・レナードが出場することができれば、両スター選手の時間をばらけさせることで、それだけの差が出ないように抑えることはできるようになる。層の厚いベンチ陣から誰がステップアップできるかが重要となる。
第4週:vs. CLE、vs. LAL、vs. BKN
21位 ↓ |
サンアントニオ・スパーズ |
成績:5勝5敗
OffRtg: 109.8 (21) DefRtg: 117.0 (29) NetRtg: -7.2 (28) Pace: 103.4 (2)
4試合欠場から復帰したデビン・バセルは、クリッパーズとナゲッツ相手に2試合で合計50分弱の出場で49得点(FG 28本中19本成功)と良い活躍を見せている。シーズンを通してコート上のあらゆる場所から得点し、さらに24アシストに対してわずか7ターンオーバーと優秀だ。
クリッパーズ相手に第4Qで7点リードしていたものの、追い上げを許し敗戦となっている。残りのラプターズ戦とナゲッツ戦は合計68点差で敗けており、開幕から5勝2敗と好調だったスパーズは3連敗で勝率5割まで成績を落としている。
第3週:vs. DEN、vs. MEM、vs. MIL
22位 ↓ |
オクラホマシティ・サンダー |
成績:4勝5敗
OffRtg: 107.0 (25) DefRtg: 108.6 (7) NetRtg: -1.6 (19) Pace: 101.9 (6)
タレントがあまり揃っていない(又は若い)ロスターを最大限に活かすのは、良いディフェンスをすることだ。そしてサンダーは開幕から3週間を終えた時点で、ディフェンスがリーグ7位。4連勝中のディフェンシブレーティングは101.0を記録した。
平均30.5得点、トゥルーシューティング成功率62.5%(TS%|3PとFTも加味した成功率)という素晴らしい活躍を見せるシェイ・ギルジャス・アレクサンダーのおかげでなんとかオフェンスはリーグ最下位になることを免れているが、弱点は明らかにオフェンスにある。
第4週:@DET、vs. MIL、vs. TOR、@NYK
23位 ↓ |
ワシントン・ウィザーズ |
成績:4勝6敗
OffRtg: 108.2 (24) DefRtg: 113.9 (25) NetRtg: -5.7 (27) Pace: 97.6 (28)
ウィザーズはエンビード不在の76ers相手に1勝1敗で、勝利した試合ではブラッドリー・ビールとクリスタプス・ポルジンギスが合わせて59得点を獲得。ビールがリムアタックし、ポルジンギスがポストプレイから得点し、59得点中43点がペイント内かフリースローによるものだった。
問題はディフェンスだ。ここ6試合で5敗しているウィザーズは、その試合が行われた10日間はリーグ最下位のディフェンスだった(100ポゼッション平均120.1失点)。
第4週:@CHA、vs. DAL、vs. UTA、vs. MEM
24位 ↓ |
インディアナ・ペイサーズ |
成績:4勝5敗
OffRtg: 113.4 (11) DefRtg: 115.0 (26) NetRtg: -1.6 (18) Pace: 102.2 (5)
現地3日までディフェンスがリーグ27位だったペイサーズは、現地4日のヒート戦でタイリース・ハリバートンが連続で同じプレイでやられてしまう場面はあったものの、103ポゼッションでわずか99失点と、ようやく良いディフェンスから勝利を掴むことができた。
ペイサーズの注目ルーキーはベネディクト・マサリンだけではない。ヒートへの勝利では、22歳のアンドリュー・ネムハード(2022年全体31位)が攻守で貢献していた。クリス・ドゥアルテが足首の捻挫で4~6週間離脱することもあり、今後も彼の出場時間は伸びていくだろう。
第4週:vs. NOP、vs. DEN、vs. TOR
25位 ↑ |
ロサンゼルス・レイカーズ |
成績:2勝7敗
OffRtg: 102.7 (30) DefRtg: 108.2 (5) NetRtg: -5.6 (26) Pace: 103.7 (1)
まだディフェンスはリーグ5位という数字だが、ようやくオフェンスが機能し始めたと思った矢先に、ジャズとキャバリアーズに100ポゼッション平均で123失点以上を許してしまった。ジャズは3Pを17本決め、セカンドチャンスから25得点をマーク。キャバリアーズはフリースローを36本獲得し32本決めた。
ラッセル・ウェストブルックはベンチから出場した5試合でFG 22本中10本決めている。この5試合での出場時間はチーム内で2番目に多く、彼が出場している時間帯のネットレーティング(プラス3.6)は、出場していない時間帯(マイナス19.5)を23.1も上回る。
第4週:@UTA、@LAC、vs. SAC、vs. BKN
26位 ↑ |
サクラメント・キングス |
成績:3勝5敗
OffRtg: 112.3 (14) DefRtg: 113.9 (24) NetRtg: -1.5 (17) Pace: 101.1 (10)
キングスの8試合中7試合は最後の5分間で点差が5点差以内となっており、直近の4試合中3試合には勝利している。特にクラッチに強いのがディアロン・フォックスで、ここ2シーズンはクラッチ状況での3Pを35本中5本(14%)しか決めていなかったものの、今季は5本中3本を決めている。
先発ラインナップを変更してからはディフェンスが改善されているが、対戦相手はヒート(2回)、ホーネッツ、マジックとどれもオフェンスがリーグ下位のチームばかり。どれだけ効果が出ているのかは第4週の結果待ちとなる。
第4週:@GSW、vs. CLE、@LAL、vs. GSW
27位 ↑ |
オーランド・マジック |
成績:2勝8敗
OffRtg: 108.9 (23) DefRtg: 112.9 (18) NetRtg: -4.0 (23) Pace: 100.1 (18)
10試合中8試合が最後の5分間で点差が5点以内でありながらも、その8試合での成績がマジックは1勝7敗だ。少しでも勝っていれば、現在イースト6位辺りにいてもおかしくない。しかし、クラッチの状況でのディフェンスレーティングは149と凄まじく高く、対戦相手に楽に得点を許してしまっている。
ジェイレン・サグスは将来的にオール・ディフェンシブチーム入りしてもおかしくないような活躍を見せ続けており、勝利したウォリアーズ戦でも同様だった。さらにその試合では2本のクラッチ3Pショットを含むFG 17本中9本成功で、自己最多となる26得点と大活躍。
第4週:vs. HOU、vs. DAL、vs. PHX
28位 ↓ |
シャーロット・ホーネッツ |
成績:3勝7敗
OffRtg: 106.2 (27) DefRtg: 110.7 (13) NetRtg: -4.6 (25) Pace: 101.3 (9)
ケガ人の多さがやはり厳しく、デニス・スミスJr.、ジェームズ・ブックナイト、テオ・マレドンなどがそれぞれ良い瞬間を見せることもあったが、4連敗中は100ポゼッション平均でわずか95.6得点しか獲得できていなかった。
昨季はラメロ・ボールがプレイしている時(OffRtg 114.0)とプレイしていない時(同109.8)の得点力の差が4.2得点もあったこともあり、ボールの復帰が待ち望まれる。スティーブ・クリフォードHCによれば、シーズンデビューまで間近とのことだ。
第4週:vs. WAS、vs. POR、@MIA、@MIA
29位 ↓ |
デトロイト・ピストンズ |
成績:2勝8敗
OffRtg: 106.8 (26) DefRtg: 118.1 (30) NetRtg: -11.3 (30) Pace: 100.6 (16)
ピストンズは10試合全てで10点差以上のリードを作られており、直近の2試合ではバックスに最大33点差、キャバリアーズに最大30点差をつけられている。特にペイント内では2試合合わせて62点差(54対116)と圧倒された。
攻守で苦戦しているのだが、より深刻なのはディフェンス。これまで対戦した相手で、オフェンスがリーグトップ10に現在入っているチームはキャバリアーズのみで、そのときのキャバリアーズはガーランドとミッチェルが共に欠場していた。
第4週:vs. OKC、@BOS、@NYK、vs. BOS
30位 |
ヒューストン・ロケッツ |
成績:1勝9敗
OffRtg: 106.0 (28) DefRtg: 115.4 (27) NetRtg: -9.4 (29) Pace: 101.7 (7)
今季100本以上のFG試投を記録している選手は87人いる。その87人のうち、ケビン・ポーターJr.(45.2%)、ジェイレン・グリーン(45.1%)、ジャバリ・スミスJr.(38.6%)のeFG率はそれぞれ81位、82位、87位だ。
若手のオフェンスの成長が多少なりとも期待されていた今季だが、ここまであまりその結果は見られていない。しかし、開幕から10試合での対戦相手の多くがディフェンスでリーグトップ10入りしているという厳しいスケジュールも影響しているだろう。
第4週:@ORL、@TOR、@NOP
原文:Power Rankings, Week 4: Cavaliers rise to No. 2 with undefeated Bucks on top by John Schuhmann/NBA.com