パワーランキング第2週 2022.10.25~31|NBA 2022-23シーズン

2022-11-01
読了時間 約19分
NBA Entertainment

今季はリーグとしてオフェンスが大幅に向上している。笛の吹き方が変わった、スター選手が多く復帰している、これまで以上にタレント揃いのリーグとなったなど、様々な要因が考えられる。ここまで行われた95試合での100ポゼッション平均112.2得点は、昨季(111.4)よりも0.8高く、NBA史上最も高かった2020-21シーズンよりも0.5高い。

しかもオフェンス効率というのは、シーズンが進むにつれてほとんどの場合上昇していくものだ。昨季の同じ時期、リーグは100ポゼッション平均105.6を記録していた。2シーズン前は108.8だった。

興味深いのは、リーグの3ポイントの割合が下がっていることだ。昨季は3ポイントショットが全体のショットの39.9%の割合を占めていたが、今季は38.6%。エフェクティブフィールドゴール成功率(eFG率/3P成功数を1.5倍にして計算する、3Pの効率を考慮したFG成功率)は53.2%で過去2シーズンと変わっていない。しかしオフェンシブリバウンドは向上しており(30チーム中21チームがオフェンシブリバウンド率が上昇)、リーグ全体のフリースロー率(FT試投数/FG試投数)も大幅に向上している(30チーム中21チームのFT率が上昇)。

すでにリーグ史上最も高いオフェンス効率を見せているわけだが、オフェンスは今後も良くなる一方であることを歴史が物語っている。

※10月30日(日本時間31日)までの試合消化時点。プレシーズンやスケジュールも考慮されたパワーランキングのため、純粋な成績順ではない。

注目チーム

オクラホマシティ・サンダー(3勝0敗):サンダーとしてはランキングを上昇することは実質マイナスなことかもしれないが、先週はクリッパーズに2勝するなど好調だった。

ブルックリン・ネッツ(0勝4敗):十分な休養があったあとのホームでのペイサーズ戦も落としており、スケジュールを言い訳にすることもできない状態となっている。

イースト vs ウェスト

ウェスタン・カンファレンスのチームはイースタン・カンファレンスのチーム相手にここまで11勝6敗だ。

ランキング変動

急上昇:SAS(+11)、OKC(+9)、CLE(+8)

急降下:LAC(-19)、BKN(-10)、GSW(-6)


OffRtg(オフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での得点(リーグ順位)
DefRtg(ディフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での失点(リーグ順位)
NetRtg(ネットレーティング):100ポゼッション平均での得失点差(リーグ順位)
Pace(ペース):48分平均でのポゼッション数(リーグ順位)

今季はリーグ全体で100ポゼッション平均112.2得点で、48分平均で100.2ポゼッションが記録されている。


1位

ミルウォーキー・バックス

成績:5勝0敗

OffRtg: 112.7 (16) DefRtg: 102.6 (1) NetRtg: +10.1 (3) Pace: 100.5 (15)

前週3勝0敗で無敗だったバックスは、第2週もここまで好調なニューヨーク・ニックスとアトランタ・ホークスに勝利して無敗を維持。ネッツ相手に前半こそ酷い内容だったが、その後にプレイした10クォーターで落としたのはホークスとの第3Qに32-33と僅差だったものだけだ。

バックスは対戦相手に3Pを打たせない戦略をとっており、放たれているFG数に対して3Pが占める割合はわずか34%。これはリーグ5番目に低く、2番目に高かった昨季の45%と、その前の3シーズンと比較しても大幅に減少している。

第3週:vs. DET、vs. DET、@MIN、vs. OKC

2位

フェニックス・サンズ

成績:5勝1敗

OffRtg: 118.5 (2) DefRtg: 106.2 (4) NetRtg: +12.3 (1) Pace: 98.5 (24)

昨季の貢献者のひとりであるジェイ・クラウダーがプレイしていない状況でありながらも、サンズの新たな先発ラインナップは100ポゼッション平均で対戦相手を28.9得点も上回っており、これは50分以上プレイした20のラインナップのなかでトップの数字だ。

そして先発センターのディアンドレ・エイトンが左足首の捻挫で離脱してからも、サンズは好調を維持している。エイトンの代わりにプレイタイムが増えたジョック・ランデールは、当初は4番手センターになるかと想定されていたが、チームで8番目に多く出場しており、クリス・ポールよりも多く得点し、エイトンのブロック数を倍以上上回っている(ランデール5本、エイトン2本)。

第3週:vs. MIN、vs. POR、vs. POR

3位

クリーブランド・キャバリアーズ

成績:5勝1敗

OffRtg: 116.9 (5) DefRtg: 105.3 (3) NetRtg: +11.6 (2) Pace: 97.1 (27)

開幕1戦目の第2Qに先発ポイントガードを失ったキャバリアーズだが、5連勝中と好調だ。ドノバン・ミッチェル、キャリス・ルバート、エバン・モーブリー、ジャレット・アレンに加えて、ディーン・ウェイドかジェディ・オスマンが3番(スモールフォワード)を務めるラインナップは、82分間で相手よりも38点多く得点している(100ポゼッション平均21.9点差)。

オーランド・マジック戦ではマジックを1ポゼッション平均1得点以下に抑え、週末のボストン・セルティックス戦とニューヨーク・ニックス戦ではドノバン・ミッチェルが合計79得点を獲得。キャリス・ルバートとケビン・ラブもそれぞれ得点面で活躍を見せている。

第3週:vs. BOS、@DET、@LAL

4位

ポートランド・トレイルブレイザーズ

成績:5勝1敗

OffRtg: 114.2 (10) DefRtg: 109.6 (9) NetRtg: +4.6 (6) Pace: 99.2 (19)

ふくらはぎの負傷でデイミアン・リラードが離脱し、マイアミ・ヒート相手に今季初黒星を喫したブレイザーズだが、それ以外では問題なく攻守ともに機能している。ヒューストン・ロケッツ戦ではユスフ・ヌルキッチとアンファニー・サイモンズが合わせて57得点、eFG率70%を記録し、一度もリードを許すことはなかった。

ロケッツ戦ではさらにシェイドン・シャープが強烈なダンクを連発。シャープはここまで平均18.6分の出場で9.3得点、eFG率57%、3P 14本中6本成功と良い活躍を見せている。

第3週:vs. MEM、@PHX、@PHC

5位

ボストン・セルティックス

成績:4勝2敗

OffRtg: 116.9 (6) DefRtg: 114.5 (22) NetRtg: +2.4 (11) Pace: 98.2 (26)

第1週は3勝0敗だったセルティックスだったが、それは主にオフェンス力で勝ち取ったものだった。昨季誇っていたディフェンス力は見られず、第2週はシカゴ・ブルズとキャバリアーズに敗れている。ブルズ相手には前半に19点リードしておきながらも、前半のあいだに15分で49失点を許し、逆に16点差を作られる事態となった。キャブズには最初の3Qに78ポゼッションで95失点(100ポゼッション平均122失点)している。

しかし6試合目となったワシントン・ウィザーズ戦では改善し、第1Qを26ポゼッションでわずか15失点に抑えている。その後も一度もリードされることなく、セルティックスは今季初めて対戦相手を1ポゼッション平均1得点以下に抑えた。

ジェイソン・テイタムはここまで平均30.8得点、FG成功率56%、3P成功率41%、FT成功率90%という素晴らしい数字を残している。

第3週:@CLE、vs. CHI、@NYK

6位

ユタ・ジャズ

成績:5勝2敗

OffRtg: 112.0 (18) DefRtg: 109.4 (8) NetRtg: +2.7 (8) Pace: 101.7 (9)

第1週を3勝0敗で終えたジャズが少しだけ地に落ちてきた。今季初黒星を喫した相手のロケッツは今季まだ1勝しかしておらず、そのロケッツ戦では20ターンオーバーを記録。ジャズがプレイした7試合中5試合が最後の5分間で5点差以内(※こういう状況をクラッチと呼ぶ)という接戦で、そういった状況でターンオーバーが多いのは命取りとなる。

それでも、ジャズは今季唯一となる7日間で5試合という厳しいスケジュールを3勝2敗で乗り切った。先述の接戦では4勝1敗で、56回のクラッチポゼッションで73得点(100ポゼッション平均130.4得点)を記録している。ケリー・オリニクはクラッチ状況で放った3P 4本を全て決めており、クラッチ状況での得点ではジョーダン・クラークソンとともにリーグ2位にランクインしている。

第3週:vs. MEM、@DAL、@LAL、@LAC

7位

ニューオーリンズ・ペリカンズ

成績:4勝2敗

OffRtg: 117.5 (4) DefRtg: 111.1 (14) NetRtg: +6.4 (5) Pace: 98.8 (20)

ブランドン・イングラム、ハーブ・ジョーンズ、ザイオン・ウィリアムソンといった先発メンバーが3人も欠場していたペリカンズだが、まだ好調を維持することに成功している。そしてウィリアムソンが復帰したロサンゼルス・クリッパーズ戦では、最後の28分間で77-48と相手を圧倒した。

代わりに出場時間が伸びているトレイ・マーフィー三世は、3P 35本中19本成功(成功率54%)を記録しており、25本以上放っている105選手のなかで2位にランクインしている。ペリカンズが6試合で最も使用している2選手の組み合わせはCJ・マカーラムとマーフィーで、両者が出場している時間帯は対戦相手を100ポゼッション平均14.2点差で上回っている。

第3週:@LAL、vs. GSW、@ATL

8位

デンバー・ナゲッツ

成績:4勝3敗

OffRtg: 112.9 (15) DefRtg: 115.7 (24) NetRtg: -2.8 (21) Pace: 101.1 (13)

今年もいつものやつだ。ナゲッツはニコラ・ヨキッチがコート上にいる時間帯のネットレーティングがプラス6.3、ベンチに下がっている時間帯はマイナス24.9で、その差はなんと31.2。ディアンドレ・ジョーダンを彼の控えセンターとして起用することはここまで機能していない。

マイケル・ポーターJr.が復帰したことでヨキッチのオフェンスでの役割は軽減されている。昨季の平均27.1得点から21.0得点まで下がっており、ユーセージ率(ポゼッションを完了した割合)の22.8%はルーキーシーズン以来の低さだ。最も効率よく得点できるヨキッチにもっとシュートしてもらいたいと思うのは当然だが、それでもナゲッツのオフェンスは十分に機能しており、ポーターJr.とともに復帰したジャマール・マレーらがリズムを取り戻す手助けをヨキッチはしているのかもしれない。

第3週:@OKC、vs. SAS

9位

ゴールデンステイト・ウォリアーズ

成績:3勝4敗

OffRtg: 111.4 (19) DefRtg: 115.2 (23) NetRtg: -3.9 (24) Pace: 104.7 (2)

開幕戦でロサンゼルス・レイカーズに勝利した際、ウォリアーズは昨季の勢いを失っていないかのように見えたが、その後は2勝4敗と苦しんでいる。第2週はサンズに大敗した上に、26時間という短いスパンでシャーロット・ホーネッツとデトロイト・ピストンズ相手に連敗している。

問題は攻守ともにあるが、特に顕著なのがディフェンス。開幕戦以降、ウォリアーズは前半に100ポゼッション平均126失点を喫している。今季はすでに4回も15点差以上のリードを作られており、ホーネッツ戦では15点差から追い上げながらも、終盤にデニス・スミスJr.とPJ・ワシントンによるピック&ロールを守ることができていなかった。

第3週:@MIA、@ORL、@NOP

10位

ダラス・マーベリックス

成績:3勝3敗

OffRtg: 119.0 (1) DefRtg: 110.9 (12) NetRtg: +8.4 (4) Pace: 96.0 (28)

例年以上にルカ・ドンチッチにかかる負荷が高まっている。彼のユーセージ率39.4%は、プレイ・バイ・プレイ・データが計測されてからの27シーズンで3番目に高い数値となる。それでもドンチッチはその期待に応え続けている。彼のトゥルーシューティング成功率60%(TS%|3PとFTも加味した成功率)とアシスト/ターンオーバー比率(2.89)は自身のキャリア最高値で、平均36.7得点はマイケル・ジョーダンが1986-87シーズンに37.1得点を記録して以来の高さだ。

マーベリックスが得失点差でリーグ4位(プラス7.3点)でありながらも3勝3敗という成績なのは、接戦を落としていることに起因する。ブルックリン・ネッツにはオーバータイムの末に勝利したものの、ペリカンズとサンダー相手に僅差で敗れたのが響いている。

第3週:vs. UTA、vs. TOR

11位

メンフィス・グリズリーズ

成績:4勝2敗

OffRtg: 118.0 (3) DefRtg: 119.9 (28) NetRtg: -1.9 (20) Pace: 99.9 (17)

昨季、グリズリーズはエースのジャ・モラントが欠場した最初の5試合を勝利し、最終的にモラント不在の試合では20勝5敗という成績を残した。今季もモラント抜きの初勝利をジャズ相手に収めるかと思われたが、試合残り3分で5点リードという状況から、5ポゼッションで13失点を許してしまい、逆転負けとなった。

オフェンスは例年通りペイント内からの攻めが中心だ。3シーズン連続でリーグトップだったペイント内平均得点は、今季も平均56.0得点でリーグ2位と上位にランクイン。しかし、今季のグリズリーズは3Pの割合も増やしている。昨季3Pの割合は34.6%でリーグ28位だったのが、今季はここまで39.2%でリーグ10位までジャンプアップしている。

第3週:@UTA、@POR、vs. CHA、vs. WAS

12位

サンアントニオ・スパーズ

成績:5勝2敗

OffRtg: 114.1 (11) DefRtg: 114.3 (21) NetRtg: -0.2 (15) Pace: 103.6 (3)

昨季のスパーズは得失点差で41勝41敗レベルのチームでありながら(82試合でプラス10)、実際は34勝48敗という成績だった。今季は、7試合で通算マイナス4でありながら5勝2敗だ。

メインボールハンドラーが不在ということもあり、ターンオーバー率はリーグ29位(100ポゼッション平均16.0ターンオーバー)で、昨季アシスト/ターンオーバー率が5.07でリーグ2位だったトレイ・ジョーンズは、ボールを持つことが増えた影響でその数字が2.31まで落ちている。それでも、スパーズはオフェンスがリーグ11位にランクインしており、デビン・バセルがここ3試合を欠場していながらも効率よく攻めることに成功している。

第3週:vs. TOR、vs. LAC、@DEN

13位

アトランタ・ホークス

成績:4勝2敗

OffRtg: 115.6 (8) DefRtg: 112.0 (17) NetRtg: +3.6 (7) Pace: 101.2 (12)

ピストンズとの2連戦を含む楽な開幕スケジュールもあって、ホークスは4勝1敗と良いスタートを切った。現地10月28日のピストンズ戦の勝利は、リーグ全体で、今季2番目にオフェンス効率が高かった試合となった(98ポゼッションで136得点)。2敗目となったバックス戦もオフェンスの内容は悪くはなかった。

高い得点能力を誇るホークスの課題となっているのが、インサイドでの守備だ。ホークスのディフェンシブリバウンド率はリーグ25位で、セカンドチャンスからの得点では6試合中5試合で相手に上回られている。さらにフリースロー獲得率でもリーグ26位と低順位で、トレイ・ヤングが平均FT試投9.7本を93%の確率で決めながらも、チーム全体のフリースローからの得点では対戦相手よりも平均3得点少ない。

第3週:@TOR、@NYK、vs. NOP

14位

フィラデルフィア・76ers

成績:3勝4敗

OffRtg: 114.7 (9) DefRtg: 112.9 (20) NetRtg: +1.8 (13) Pace: 95.4 (30)

第2週もトランジションでやられていた76ersだが(2試合で速攻から53失点)、100ポゼッション平均120得点を記録し、0勝3敗スタートから立て直し、続く4試合で3勝をあげることに成功。しかもその3勝では、チームの得点リーダーがそれぞれ違うというバランスの取れたオフェンスを見せた(ジェームズ・ハーデン、タイリース・マクシー、ジョエル・エンビード)。

開幕当初はコンディショニング不足が目立っていたエンビードだが、eFG率56.0%はキャリア最高で、自身が放ったFGのうち59%がペイント内のものという割合だ(彼のここ4シーズンで最高)。エンビードがよりインサイドでプレイするようになったことで、76ersのシューター陣の数字も大きく向上し、3P成功率(39.6%、5位)と3P割合(41.4%、8位)がどちらもトップ10入りしている4チームのうちの1チームとなっている。

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第3週:@WAS、vs. WAS、vs. NYK

15位

トロント・ラプターズ

成績:3勝3敗

OffRtg: 109.8 (23) DefRtg: 111.4 (15) NetRtg: -1.6 (18) Pace: 95.4 (29)

開幕から最初の5試合で3P成功率41%を記録していたラプターズだが、6試合目となった76ers戦でついに39本中9本と低調な数値をマークした。6試合全てがイースタン・カンファレンスのトップ9入りが予想されるようなチーム相手だったことを考えれば、3勝3敗は御の字とも言えるだろう。

パスカル・シアカムは平均25.3得点、9.2リバウンド、7.7アシストと好調で、平均25得点以上、7リバウンド以上、7アシスト以上を記録しているのはリーグでほかにルカ・ドンチッチとレブロン・ジェームズだけだ。

第3週:vs. ATL、@SAS、@DAL、vs. CHI

16位

シカゴ・ブルズ

成績:3勝4敗

OffRtg: 110.7 (21) DefRtg: 111.1 (13) NetRtg: -0.4 (16) Pace: 101.9 (7)

ロンゾ・ボールが不在でありながらも、ボール回しはリーグトップの数字を誇る(24分のポゼッション平均でパスが393回、48分試合の半分が攻めている時間という計算)。315回でリーグ22位だった昨季から大幅な上昇で、2位を大きく引き離して最も高い伸び率だ。

相変わらずミッドレンジでは、先日通算2万得点に到達したデマー・デローザンがその存在感を示しているが、問題はその他にある。ブルズが放ったFGの3Pが占める割合はわずか33.0%(リーグ28位)。さらにペイント内のFG成功率は50%で(これより低いのはピストンズのみ)、良いパス回しがオフェンスの効率に直結していない。

第3週:@BKN、vs. CHA、@BOS、@TOR

17位

ニューヨーク・ニックス

成績:3勝3敗

OffRtg: 113.5 (12) DefRtg: 111.4 (16) NetRtg: +2.1 (12) Pace: 100.4 (16)

ニックスほどわかりやすいチームはいない。開幕から6試合、ニックスはピストンズ、マジック、ホーネッツといった勝つべき相手に3勝0敗で、グリズリーズ、バックス、キャバリアーズという格上と見られるチーム相手には0勝3敗。さらにホームでは3勝0敗、アウェイでは0勝3敗と結果が分かれている。

問題はオフェンスにある。RJ・バレットとジュリアス・ランドルはペイント外からのFGが合わせて71本中16本しか成功していない(成功率23%)。そしてフリースロー獲得率がリーグ27位で、獲得できたとしても成功率71.1%はリーグ29位だ。

第3週:vs. ATL、@PHI、vs. BOS

18位

マイアミ・ヒート

成績:2勝5敗

OffRtg: 109.4 (24) DefRtg: 112.5 (19) NetRtg: -3.1 (22) Pace: 98.5 (23)

4日間で、ヒートは無敗だったブレイザーズ相手に初黒星を与えたかと思えば、キングスには初白星を献上してしまった。原因はディフェンスにあり、アウェイ連戦の最後の2試合でヒートは100ポゼッション平均122失点を許してしまっている。

これまで通りヒートは相手に3Pショットを放たれすぎており、相手の3P成功率も39.0%とリーグ5番目に高い。さらに今季の痛手となっているのが、これまでよりもリバウンドの数字が落ちていることだ。ディフェンシブリバウンド率はリーグ20位(昨季は9位)で、ウォリアーズ戦ではセカンドチャンスから27失点した。

第3週:vs. GSW、vs. SAC、@IND

19位

ミネソタ・ティンバーウルブズ

成績:4勝3敗

OffRtg: 110.1 (22) DefRtg: 107.5 (5) NetRtg: +2.6 (9) Pace: 103.4 (4)

序盤のスケジュールはかなり楽かのように思われていたが、ウルブズは4勝3敗で終わった。そのうちの3敗はジャズとスパーズという今季のサプライズチームではあるものの、ウルブズ側に原因が全く無いわけではない。カール・アンソニー・タウンズとルディ・ゴベアが一緒に出場した164分間でのオフェンシブレーティングは106.6と低く、さらにその2選手がジェイデン・マクダニエルズと一緒に出場した144分間では同103.6と悪化している。

ディフェンスはトップ5入りしており、ゴベアがコート上にいる時間帯に限ればディフェンシブレーティングは101.8と、とても優れている。マクダニエルズもディフェンス面では貢献している。しかし、ウルブズの7試合中3試合は、オフェンスでリーグ下位にいるサンダーとレイカーズとの試合だったことも考慮しなければならない。

第3週:@PHX、vs. MIL、vs. HOU

20位

ワシントン・ウィザーズ

成績:3勝3敗

OffRtg: 108.6 (25) DefRtg: 110.1 (10) NetRtg: -1.5 (17) Pace: 98.5 (22)

昨季40試合以上プレイした選手のなかで、2020-21シーズンから平均得点が最も減少したのはブラッドリー・ビールだ(平均31.3得点から23.2得点)。今季も6試合で平均20.8得点とさらに減少傾向にあるものの、トゥルーシューティング成功率の62.4%は自身のキャリア最高値だ。

さらにクリスタプス・ポルジンギスもeFG率54.7%でキャリア最高をマークしているなど、ウィザーズのスターティングラインナップは50分以上一緒にプレイした20ものラインナップのなかでトップのオフェンシブレーティングを誇る(128.6)。しかし試合を通すとそのオフェンスはリーグ25位であり、起用や組み合わせの変化が必要とされている。

第3週:vs. PHI、@PHI、vs. BKN、@MEM

21位

オクラホマシティ・サンダー

成績:3勝3敗

OffRtg: 108.4 (26) DefRtg: 107.9 (6) NetRtg: +0.4 (14) Pace: 101.7 (10)

第1週を勝利なしで終えた6チームのうちのひとつだったサンダーだが、第2週は逆に無敗だった4チームのうちのひとつとなった。一番の差はディフェンスにあり、第2週のクリッパーズとの2試合とマーベリックスとの試合でのディフェンシブレーティングは101.3だった。

シェイ・ギルジャス・アレクサンダーは、昨季30%と低かった3P成功率を今季は37%(19本中7本成功)まで向上させている。ペイント内では平均17.6得点を獲得しており、これはヤニス・アデトクンボ、ルカ・ドンチッチ、ザイオン・ウィリアムソンに次いでリーグ4位だ。

第3週:vs. ORL、vs. DEN、@MIL

22位

インディアナ・ペイサーズ

成績:3勝4敗

OffRtg: 116.5 (7) DefRtg: 118.4 (27) NetRtg: -1.9 (19) Pace: 101.9 (7)

試合を通してFG成功率50%以上、3P成功率50%以上、FT成功率90%を以上を最初に記録するチームがペイサーズになると予想していた人は果たしていただろうか(昨季の同様なケースは11回)。ウィザーズ相手にそれを達成し、101ポゼッションで127得点を記録したペイサーズは、翌日にはネッツ相手に97ポゼッションで125得点を獲得し、さらに効率の良いオフェンスを見せた。

タイリース・ハリバートン、ベネディクト・マサリン、バディー・ヒールドは、リーグで40本以上の3Pを試投しながら、成功率40%以上を記録している12選手のうちの3人だ。3人が揃って出場している時間のペイサーズは、相手を100ポゼッション平均で13.5点上回っている。

第3週:@BKN、vs. MIA

23位

シャーロット・ホーネッツ

成績:3勝3敗

OffRtg: 113.0 (13) DefRtg: 110.5 (11) NetRtg: +2.5 (10) Pace: 101.3 (11)

昨季のホーネッツは、休養明けの試合が41勝26敗(勝率.612)だったのに対して、連戦の2試合目は2勝13敗(勝率.133)と落ち込んでいた。そして今季初となった連戦の1試合目で、ホーネッツは0勝5敗のマジックに20点差で敗れた。しかし2戦目は、王者ウォリアーズに勝利している。

ラメロ・ボールとテリー・ロジアーが負傷離脱するなかで、奮起しているのがデニス・スミスJr.だ。先発した4試合では平均12.3得点を記録し、アシスト/ターンオーバー比率も4.14と優れている。

第3週:vs. SAC、@CHI、@MEM、vs. BKN

24位

ブルックリン・ネッツ

成績:1勝5敗

OffRtg: 112.9 (14) DefRtg: 121.6 (30) NetRtg: -8.6 (28) Pace: 98.8 (20)

開幕から最初の5試合は強いチーム相手でありながらも、グリズリーズ、バックス、マーベリックスら相手に後半に5点差以上のリードを作る場面などもあった。しかし6試合目は、休養明けでホームというアドバンテージを持っていながらも、ペイサーズ相手にディフェンスが崩壊。

セス・カリーとジョー・ハリスがまだ本調子ではないこともあるかもしれないが、やはり急ピッチで改善しなければならないのはディフェンスだ。ベン・シモンズとニコラス・クラクストンが一緒に出場している時間帯が特に悪く、スティーブ・ナッシュ・ヘッドコーチはそれぞれの出場時間を既に分け始めている。

第3週:vs. IND、vs. CHI、@WAS、@CHA

25位

ロサンゼルス・クリッパーズ

成績:2勝4敗

OffRtg: 101.3 (29) DefRtg: 109.2 (7) NetRtg: -7.8 (27) Pace: 99.8 (18)

4連敗と苦戦中のクリッパーズは、カワイ・レナードが手術した右膝に違和感を持っていることからここ3試合を欠場しているという不安要素がついて回る。今季の2勝はレイカーズとキングス相手で、点差はそれぞれ6点差と2点差とわずかなものだ。

連敗中のオフェンシブレーティングは100を切っており(99.2)、とにかく得点することに苦労をしている。それに加えターンオーバー率も100ポゼッション平均17.6で圧倒的にリーグ最下位だ。

第3週:vs. HOU、@HOU、@SAS、vs. UTA

26位

デトロイト・ピストンズ

成績:2勝5敗

OffRtg: 111.3 (20) DefRtg: 120.0 (29) NetRtg: -8.7 (29) Pace: 101.1 (14)

開幕戦を勝利して以降5連敗していたピストンズは、その期間中のディフェンシブレーティングが124.9と酷いものだった。しかしウォリアーズ戦では、スターターが5人全員15得点以上を獲得するバランスの取れたオフェンスを見せ、今季2勝目をあげた。

ディフェンスは改善する必要があるものの、オフェンスは昨季のオフェンシブレーティング105.6(リーグ28位)から5.7得点も増やすことに成功している。新加入のボーヤン・ボグダノビッチの活躍もあるが、チームとしてフリースロー率、オフェンシブリバウンド率を向上させ、ターンオーバー率を減少させていることが大きい。

第3週:@MIL、@MIL、vs. CLE

27位

ロサンゼルス・レイカーズ

成績:1勝5敗

OffRtg: 100.3 (30) DefRtg: 104.7 (2) NetRtg: -4.4 (25) Pace: 105.3 (1)

現地10月30日のナゲッツ戦で、ミッドレンジ15本中9本成功、3P 30本中13本成功(43%)とようやくジャンプショットが決まったレイカーズは、今季初勝利をあげることができた。ラッセル・ウェストブルックは2試合連続でベンチから出場しており、その32分間でレイカーズの得失点差はプラス18を記録。

ディフェンスは開幕から安定しているものの、アンソニー・デイビスはいまだに背中下部の負傷を抱えながらプレイしている様子で、レイカーズが安定して良いチームだと呼べるまでは時間がかかりそうだ。

第3週:vs. NOP、vs. UTA、vs. CLE

28位

サクラメント・キングス

成績:1勝4敗

OffRtg: 112.4 (17) DefRtg: 116.0 (25) NetRtg: -3.6 (23) Pace: 102.0 (6)

全試合に先発出場している4選手が一緒にプレイする時間は悪くないのだが、ドマンタス・サボニスが36分平均で5.5ファウルを記録しており、安定してコートに立つことができていない。それでもキングスはヒート相手になんとか今季初勝利を獲得。

先発ラインナップ入りを果たしたルーキーのキーガン・マレーは、2P成功率が71%(21本中15本成功)、3P成功率が42%(31本中13本成功)と、とても効率が良い。

第3週:@CHA、@MIA、@ORL

29位

オーランド・マジック

成績:1勝6敗

OffRtg: 107.3 (27) DefRtg: 112.0 (18) NetRtg: -4.8 (26) Pace: 98.4 (25)

ジェイレン・サグス(直近5試合)とコール・アンソニー(直近2試合)が離脱しているマジックには、単純に試合を任せられるガードが今はいない。しかし、その状況を利用して若いフォワード選手たちがそれぞれの能力を見せてくれている。ボル・ボルはニックス相手にキャリア最多となる19得点を獲得し、ここ4試合でFG 33本中23本成功(70%)と10ブロック(36分平均3.7ブロック)を記録している。

そしてもちろん、その若い選手たちのなかで突出したスターなのがルーキーのパオロ・バンケロだ。今季初勝利となったホーネッツ戦では21得点、12リバウンド、7アシストと活躍している。

第3週:@OKC、vs. GSW、vs. SAC

30位

ヒューストン・ロケッツ

成績:1勝6敗

OffRtg: 107.3 (28) DefRtg: 117.2 (26) NetRtg: -10.0 (30) Pace: 102.2 (5)

ロケッツが開幕から7試合で対戦した相手の合計成績が33勝10敗であることを考えれば、ロケッツの1勝6敗スタートとリーグ最下位のネットレーティングは見た目ほど悪いものではないのかもしれない。攻守ともにリーグ25位以下にいる唯一のチームではあるが、ジャズに初黒星を与えたのもロケッツだ。

オフェンシブリバウンド率が昨季よりも大幅に向上しており、セカンドチャンスの平均19.0得点はリーグトップの数字だ。ルーキーのジャバリ・スミスJr.も攻守で活躍できる才能の片鱗を見せている。

第3週:@LAC、vs. LAC、@MIN

原文:Power Rankings, Week 3: Undefeated Bucks climb to No. 1 by John Schuhmann/NBA.com

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