パワーランキング第1週 2022.10.17~24|NBA 2022-23シーズン

2022-10-25
読了時間 約16分
(NBA Entertainment)

シーズン1週目は刺激的でありながらも、戸惑いも多いものだ。ユタ・ジャズが開幕から3試合、全て好チーム相手に勝利するのを見ることほど、楽しいことはなかった。しかし、まさかジャズがリーグで無敗の4チームのひとつになるなんて誰が想像できただろうか? さらに、プレシーズンであまり出来が良くなかったポートランド・トレイルブレイザーズもその4チームのひとつであることも驚きだ。

開幕初週のパワーランキングでは、4つの無敗チームがそれぞれ1位、2位、5位、10位にランクインしている。

※10月23日(日本時間24日)までの試合消化時点。プレシーズンやスケジュールも考慮されたパワーランキングのため、純粋な成績順ではない。

注目チーム

ユタ・ジャズ(3勝0敗):第1週のサプライズはみんな大好きなものだが、ジャズはそれを3度も成し遂げた。彼らが倒したデンバー・ナゲッツ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ニューオーリンズ・ペリカンズは、ジャズ以外の試合では合わせて6勝0敗だった。

フィラデルフィア・76ers(0勝3敗):76ersは攻守ともに20位以下にランクインしてしまっている2チームのうちのひとつだ(もう1チームはオクラホマシティ・サンダー)。

イースト vs ウェスト

ウェスタン・カンファレンスのチームはイースタン・カンファレンスのチーム相手に5勝3敗だった。


OffRtg(オフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での得点(リーグ順位)
DefRtg(ディフェンシブレーティング):100ポゼッション平均での失点(リーグ順位)
NetRtg(ネットレーティング):100ポゼッション平均での得失点差(リーグ順位)
Pace(ペース):48分平均でのポゼッション数(リーグ順位)

リーグ全体で第1週は100ポゼッション平均111.0得点で、48分平均で101.1ポゼッションが記録された。


1位 ボストン・セルティックス

成績:3勝0敗

OffRtg: 124.3 (1) DefRtg: 116.8 (25) NetRtg: +7.5 (8) Pace: 97.3 (25)

昨季レギュラーシーズン最後の32試合でリーグトップのオフェンスを記録していたときのセルティックスは、100ポゼッション平均で120.7得点を獲得していた。今季はここまでの3試合で、100ポゼッション平均124.3得点を記録している。もちろんサンプル数はまだ少ないが、彼らが開幕からどのようなプレイを見せているかを表している。

3ポイント成功率はリーグ7位(39.1%)、そしてペイント内でのフィールドゴール成功率(63.3%)とミッドレンジでのFG成功率(63.3%)はどちらもリーグ1位。テイタムの2ポイント成功率74.4%は、25本以上試投している62選手のなかでトップだ。

第2週:@CHI、vs. CLE、vs. WAS

2位 ミルウォーキー・バックス

成績:2勝0敗

OffRtg: 110.8 (14) DefRtg: 99.5 (1) NetRtg: +11.3 (3) Pace: 97.0 (26)

76ersが開幕戦となったバックスとの試合以外で見せているディフェンスを考慮すると、バックスが彼ら相手に95ポゼッションで90得点しかできなかったことは心配ではある。オフェンスを始めるまで時間がかかりすぎており、ショットクロック残り12秒でのFG成功率はわずか31%だった。

しかし、ディフェンスでどれだけ脅威となれるかは証明した。ヤニス・アデトクンボとブルック・ロペスは、ジョエル・エンビードのペイント内でのFGを15本中5本成功に抑え、ドリュー・ホリデーは試合終盤にジェームズ・ハーデン相手に素晴らしいディフェンスを見せた。

アデトクンボはその2日後、ヒューストン・ロケッツ相手に約28分で44得点と大暴れ。制限区域内での得点(26)はロケッツ全体と並んでいた。

第2週:vs. BKN、vs. NYK、vs. ATL

3位 ゴールデンステイト・ウォリアーズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 112.6 (11) DefRtg: 110.4 (15) NetRtg: +2.2 (12) Pace: 110.3 (1)

ウォリアーズはとにかくベンチが課題だ。先発ラインナップは出場時の得失点差がプラス9と、相手を圧倒している。そしてコート上に3人以上のスターターが出場していた87分間で、ウォリアーズは100ポゼッション平均で相手よりも22.3得点多く獲得している。しかしスターターの数が2人以下になると、100ポゼッション平均で相手に29.9得点多く奪われているのだ。

ジョーダン・プールはサクラメント・キングス戦でこそFG 14本中7本成功で24得点を記録したものの、最初の2試合ではFG 20本中わずか6本成功だった。ドンテ・ディビンチェンゾはレイカーズ戦で何度か良いピック&ロールを見せていたが、ターンオーバー数(6)がアシスト数(3)の倍ある。ジェームズ・ワイズマンとジョナサン・クミンガは36分平均で6ファウル以上を記録している。

長いシーズンで、若い選手たちはまだこれから成長していくことだろう。しかし第4クォーターに主力を休ませることができるはずだったはずが、点差を追い上げられてスターターを戻さないといけないという試合を、スティーブ・カー・ヘッドコーチは減らしたいと思っているはずだ。

第2週:@PHX、vs. MIA、@CHA、@DET

4位 フェニックス・サンズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 110.0 (17) DefRtg: 104.0 (4) NetRtg: +6.0 (9) Pace: 96.8 (27)

ダラス・マーベリックスとの開幕戦は第3クォーターでサンズが22点差を追う展開で、昨季のプレイオフの再現かのように思われた。しかし第4クォーターに27-7のランで見事に逆転に成功。27点のうち21点で、デビン・ブッカーは得点又はアシストを記録した。

クリス・ポール抜きで試合終盤をプレイしていたのは不思議な光景だったが、ブッカーに打たせまいとしていたマーベリックス相手に、デイミオン・リーが決勝点を決めたことでモンティ・ウィリアムズの名将ぶりが垣間見えた。

第2週:vs. GSW、vs. NOP、vs. HOU

5位 ユタ・ジャズ

成績:3勝0敗

OffRtg: 115.6 (6) DefRtg: 107.1 (10) NetRtg: +8.6 (7) Pace: 101.6 (14)

ここ2シーズンそうだったように、ジャズはここまで3ポイントショットの得点差でリーグトップを走っている。3試合で、ジャズは3Pからの得点で対戦相手を147-72と圧倒している(平均25得点差)。昨季との差はボール回しにある。昨季はアシスト率が55.2%でリーグ29位だったが、今季はここまで70.9%で2位だ。

もちろん、対戦相手の3P成功率が30%を下回るというのが続くとは思えない。そして先日オーバータイムの末にニューオーリンズ・ペリカンズに勝利した試合を皮切りに、7日間で5試合という厳しいスケジュールを迎えることもあり、いつまで好調が続くがは注目だ。

第2週:@HOU、vs. HOU、@DEN、vs. MEM

6位 ロサンゼルス・クリッパーズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 103.0 (29) DefRtg: 105.3 (8) NetRtg: -2.3 (18) Pace: 100.3 (16)

ロサンゼルスのチームがオフェンスで苦戦しているのはレイカーズだけではない。2シーズン前はオフェンスランキング2位だったクリッパーズは現在29位で、カワイ・レナードが出場した2試合では1ポゼッション平均での得点が1点を下回っている。

それでも2勝1敗なのは、ポール・ジョージがキングス相手に40得点、6アシストと大活躍したからだ。クリッパーズはスターターだけでなく、イビツァ・ズバッツがベンチに下がっているスモールボールのラインナップでも得点で相手に上回れており、オフェンス面での課題が多い。

第2週:@OKC、@OKC、vs. NOP

7位 デンバー・ナゲッツ

成績:2勝1敗

OffRtg: 113.2 (10) DefRtg: 115.2 (23) NetRtg: -2.1 (17) Pace: 104.3 (4)

第1週のナゲッツはまるでジキルとハイドかのようで、開幕戦でジャズに大敗した2日後にウォリアーズに勝利している。一番の差はオフェンスだ。ジャズ相手には21ターンオーバーを記録し、3ポイントショットは22本中5本しか決められなかったのに対して、ウォリアーズ相手には前半だけで70得点を記録。

チームをけん引しているのはもちろんニコラ・ヨキッチで、勝利した2試合ともトリプルダブルを記録している。ジャマール・マレーはまだあまり結果を出せていないが、マイケル・ポーターJr.は開幕からオフェンスが好調だ。

第2週:@POR、vs. LAL、vs. UTA、@LAL

8位 ダラス・マーベリックス

成績:1勝1敗

OffRtg: 124.1 (2) DefRtg: 103.6 (3) NetRtg: +20.5 (1) Pace: 97.8 (24)

マーベリックスは前半に強く、昨季オフェンスでリーグ上位だったサンズとグリズリーズと対戦し、前半を合わせて126-81と圧倒した。しかし彼らが1勝1敗なのは、サンズ相手に作った22点差のリードをひっくり返されているからだ。

今のところスターティングセンターはジャベール・マギーだが、ルカ・ドンチッチとクリスチャン・ウッドが一緒にプレイした31分間では、63ポゼッションで93得点(100ポゼッション平均で148得点)という驚異的な数字を残している。

第2週: @NOP、@BKN、vs. OKC、vs. ORL

9位 ニューオーリンズ・ペリカンズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 118.3 (3) DefRtg: 108.6 (14) NetRtg: +9.7 (6) Pace: 101.8 (13)

ペリカンズは最高の形でスタートを切ることができた。最初の2試合では一度もリードを許すことはなく、ザイオン・ウィリアムソン、CJ・マカーラム、ブランドン・イングラム、ヨナス・バランチュナスといった主力がそれぞれ活躍できている。

しかし3試合目となったジャズ戦では、イングラムが脳震盪プロトコル入りし、ウィリアムソンが臀部の打撲し離脱することとなった。

第2週:vs. DAL、@PHX、@LAC

10位 ポートランド・トレイルブレイザーズ

成績:3勝0敗

OffRtg: 107.1 (25) DefRtg: 104.2 (5) NetRtg: +2.9 (11) Pace: 100.2 (18)

内容の悪いプレシーズンを送りながらも、ブレイザーズは開幕から3連勝。3試合での得失点差はわずかプラス11で、勝利した相手には未だ勝利のないサクラメント・キングスとレイカーズが含まれる。しかし3勝0敗はどんな内容でも3勝0敗だ。

ブレイザーズにとって大きいのは、ディフェンスでトップ5入りしていることだろう。相手の3P成功率が32%を切っていることにも助けられているが、自分たちでコントロールできる部分が多い相手のフリースロー獲得率(4位)、ディフェンシブリバウンド率(7位)でも高順位にランクインしている。

第2週:vs. DEN、vs. MIA、vs. HOU

11位 クリーブランド・キャバリアーズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 116.7 (5) DefRtg: 104.4 (6) NetRtg: +12.3 (2) Pace: 96.3 (29)

キャバリアーズはシーズン開始からわずか24分で、スターガードのダリアス・ガーランドが左目の裂傷で離脱することとなった。しかしドノバン・ミッチェルが3試合で平均33.3得点、7.0アシストを記録し、チームをリードしている。

ミッチェルがプレイしている時間帯のキャブズは100ポゼッション平均で120得点を記録。さらに、ベンチからの起爆剤となっているジェディ・オスマンとミッチェルが同時に出場している68分間では、100ポゼッション平均で136.2得点を叩き出している。

第2週:vs. ORL、@BOS、vs. NYK

12位 メンフィス・グリズリーズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 109.3 (19) DefRtg: 120.1 (29) NetRtg: -10.7 (29) Pace: 99.9 (20)

昨季のグリズリーズは開幕から最初の6週間、ディフェンスがリーグ最下位だった。今季もその傾向がここまで見られる。3試合に共通して言えるのは、ディフェンシブリバウンドを確保できていないことだ。昨季はリーグ平均だったディフェンシブリバウンド率(試合中に獲得可能なディフェンシブリバウンドで獲得した割合)が、第1週では最下位。セカンドチャンスからの失点が20を超えたのは昨季5回しかなかったが、今季はすでに2回記録している。

そんな弱点をカバーしているのが、ジャ・モラントのオフェンス力だ。ロケッツ戦では5本の3Pを決め、49得点の大活躍を見せた。

第2週:vs. BKN、@SAC、@UTA

13位 マイアミ・ヒート

成績:1勝2敗

OffRtg: 109.8 (18) DefRtg: 113.9 (18) NetRtg: -4.1 (21) Pace: 98.3 (22)

ヒートは第3クォーターに苦戦している。同点で迎えたブルズとの試合では、第3クォーターに37失点。セルティックス戦でも同クォーター終盤に20-6のランを許した。さらにトロント・ラプターズ戦では24点のリードを同クォーターに7点まで削られている。

全体的にディフェンスがヒートの掲げる基準に達していないのが現状だ。被3ポイント成功率ではリーグ21位で、コーナースリーをセルティックスには8本、ラプターズには9本許してしまっている。比較として、昨季は8本以上コーナースリーを許したのはわずか3回しかなかった。

第2週:vs. TOR、@POR、@GSW、@SAC

14位 ブルックリン・ネッツ

成績:1勝1敗

OffRtg: 110.2 (16) DefRtg: 118.7 (28) NetRtg: -8.5 (27) Pace: 98.8 (21)

ペリカンズとの開幕戦では第1クォーターを14-32で落とし、その後も反撃することができなかった。先発ラインナップは24ポゼッションで10得点しか獲得できず、リバウンドでも圧倒された。

2日後のラプターズ戦では、ニック・クラクストンが19得点、11リバウンド(オフェンシブリバウンド7)、4ブロックと大活躍。先発ラインナップは28ポゼッションで37得点と効率よく得点を重ねた。

第2週:@MEM、@MIL、vs. DAL、vs. IND

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15位 トロント・ラプターズ

成績:1勝2敗

OffRtg: 111.0 (13) DefRtg: 112.8 (17) NetRtg: -1.8 (16) Pace: 96.5 (28)

ラプターズはターンオーバーが少ないこともあって、対戦相手よりも平均7.9回多く攻めることができている。そしてプレシーズンこそ成功率が悪かったが、開幕から3試合での3P成功率は39.2%でリーグ6位だ。

問題はディフェンス。キャバリアーズ戦ではドノバン・ミッチェルのドライブを止めることができず、今季の対戦相手のペイント内成功率は59.8%とリーグで2番目に高い。さらにフリースローも、リーグで4番目に多く相手に献上してしまっている。

第2週:@MIA、vs. PHI、vs. PHI

16位 ミネソタ・ティンバーウルブズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 112.3 (12) DefRtg: 108.1 (13) NetRtg: +4.1 (10) Pace: 102.8 (10)

ウルブズの第1週は楽なスケジュールなはずだったが、ジャズが強いというリーグ全体がハマった落とし穴に直面した。そして勝利したサンダーとの2試合では、16点差のリードと18点差のリードをそれぞれ追いつかれるなど、ジェットコースターのような1週間を送った。

ディフェンスでは早速ルディ・ゴベアがその存在感を示している。ゴベアがコート上にいる時のディフェンシブレーティングは104なのに対して、ベンチに下がっているときは117まで悪化している。

第2週:vs. SAS、vs. SAS、vs. LAL、@SAS

17位 ニューヨーク・ニックス

成績:1勝1敗

OffRtg: 115.2 (7) DefRtg: 104.7 (7) NetRtg: +10.5 (4) Pace: 100.4 (19)

第1週のニックスは、ジェイレン・ブランソンが0ターンオーバー(15アシスト)で、RJ・バレットはペイント外からのショット成功が0本(試投12本)だ。ジュリアス・ランドルはその中間くらいの活躍度で、ペイント外はいまいちだが(13本中4本成功)、FG成功14本のうち10本がアシスト付きと、昨季よりもショットセレクションが改善されている。

グリズリーズへの敗戦とピストンズへの24点差の勝利の大きな差は、ベンチ陣の活躍だ。ピストンズ戦では相手のベンチ陣を15分間で41-23と得点で上回った。昨季あまりプレイすることのなかったキャム・レディッシュの活躍が目立つが、クエンティン・グライムズがケガから復帰してからもローテーションに残るのかは注目だ。

第2週:vs. ORL、vs. CHA、@MIL、@CLE

18位 アトランタ・ホークス

成績:2勝1敗

OffRtg: 108.1 (23) DefRtg: 107.5 (11) NetRtg: +0.6 (13) Pace: 102.8 (9)

ロケッツとマジック相手に勝利した時点では、リーグトップのディフェンスを記録していたホークス。しかしホーネッツへの敗戦では第2Qと第3Qで合わせて82失点(52ポゼッション)を喫した。

オフェンス面では、トレイ・ヤングとデジャンテ・マレーが一緒に出場した83分間でお互いに14アシストを出しており、100ポゼッション平均で116.1得点を獲得している。しかし片方がベンチに下がった途端、その数字は100ポゼッション平均で96.0得点まで落ちる。

第2週:@DET、@DET、@MIL

19位 フィラデルフィア・76ers

成績:0勝3敗

OffRtg: 108.0 (24) DefRtg: 115.4 (24) NetRtg: -7.4 (24) Pace: 95.5 (30)

ディフェンスが問題だ。セルティックス戦では97ポゼッションで126失点(100ポゼション平均で129.9失点)、スパーズ戦では最後の36分で守った69ポゼッションで95失点(100ポゼッション平均で138失点)を許している。

オフェンスでは3ポイント成功率があまりよくないが、2ポイント成功率は58.6%と高いのは好材料。全体的に、ジョエル・エンビードがオフシーズン中に足底筋膜炎を患っていたことでコンディショニングの状態がまだ良くないことがチームに大きく影響していそうだ。

第2週:vs. IND、@TOR、@TOR、@CHI

20位 ワシントン・ウィザーズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 105.9 (27) DefRtg: 106.6 (9) NetRtg: -0.7 (15) Pace: 98.1 (23)

ウィザーズのオフェンスのポテンシャルは高い。ブラッドリー・ビールとクリスタプス・ポルジンギスが一緒にプレイした97分間では、100ポゼッション平均で115.7得点を記録している。ビールは3Pを10本中3本しか決めていないものの、それ以外のFGは22本中15本(68%)という高確率で決めている。

問題はベンチの時間帯だ。3試合とも出場している選手が全員ベンチメンバーで構成されたラインナップを起用しているが、そのラインナップは57ポゼッションでわずか48得点しか獲得できていない(100ポゼッション平均で84.2得点)。

第2週:vs. DET、vs. IND、@BOS

21位 シカゴ・ブルズ

成績:1勝2敗

OffRtg: 104.0 (28) DefRtg: 111.9 (16) NetRtg: -7.9 (25) Pace: 100.3 (16)

昨季のイースタン・カンファレンスのトップ4チーム相手に1勝14敗だったことを考えると、ブルズにとって開幕戦でヒートに勝利したことは大きい。デマー・デローザンは37得点(ミッドレンジから14本中8本成功)、9アシスト(1ターンオーバー)を記録し、ベンチから出場したゴラン・ドラギッチも12得点と活躍した。そしてブルズはアヨ・ドスンムが3本以上3Pを成功させた試合での通算成績を7勝1敗へと向上させた。

ウィザーズ相手にはデローザンが決勝点となりうるショットを外し、翌日のキャブズ戦は大敗を喫した(ニコラ・ブーチェビッチはこの試合で31分出場しフリースロー試投が0本)。ザック・ラビーンがシーズンデビューを果たしたものの、ブルズのオフェンスは1ポゼッション平均1得点を下回った。

第2週:vs. BOS、vs. IND、@SAS、vs. PHI

22位 シャーロット・ホーネッツ

成績:2勝1敗

OffRtg: 118.0 (4) DefRtg: 108.1 (12) NetRtg: +9.9 (5) Pace: 103.5 (6)

プレシーズンを0勝5敗で終えたホーネッツは、どうやらようやくスイッチが入ったようだ。開幕戦ではスパーズ相手に最大35点リードする爆発力を見せた。ホームでペリカンズに敗れた次の試合では、第2Qと第3Qに合わせて82-54とホークスを圧倒。ラメロ・ボールが欠場していながらも、オフェンスでトップ5入りしているのだ。

ボール不在のなか、チームをリードしているのは平均23.5得点、8.5アシストを記録しているテリー・ロジアー。デニス・スミスとゴードン・ヘイワードも満遍なく貢献している。

第2週:@NYK、@ORL、vs. GSW

23位 サンアントニオ・スパーズ

成績:2勝1敗

OffRtg: 113.9 (9) DefRtg: 117.2 (26) NetRtg: -3.3 (19) Pace: 104.0 (5)

開幕戦でのホーネッツへの大敗を受けて、今季のドラフトロッタリー狙いのスタートダッシュを切ったかのように思われた。昨季のディフェンスが22位だったチーム相手に105ポゼッションで102得点しか獲得できず、大きく苦しんでいた。

しかし、今季のスパーズは3Pの本数を伸ばしており、3Pはそういった数字を一気にひっくり返す効果も持つ。続く2試合では、3Pを合計69本中33本成功(48%)させ、ペイサーズと76ers相手に勝利を収めている。

第2週:@MIN、@MIN、vs. CHI、vs. MIN

24位 サクラメント・キングス

成績:0勝3敗

OffRtg: 110.7 (15) DefRtg: 114.5 (19) NetRtg: -3.8 (20) Pace: 103.3 (7)

23日(日本時間24日)の試合では、ウォリアーズが自分たちの元アシスタントコーチだったマイク・ブラウンが率いるキングス相手に第2Qだけで50得点を記録した。それでもキングスは、最大26点差から反撃を仕掛け、敗れはしたが接戦へと持ち込んだ。3敗しているものの、どの試合も最後の5分間で5点差以内という接戦を繰り広げている。

ルーキーのキーガン・マレーは開幕戦こそ欠場したが、2試合でベンチから合計35得点を獲得し、エフェクティブFG成功率(3P成功数を1.5倍にして計算する、3Pの効率を考慮したFG成功率)で69%を記録している。ウォリアーズ戦の後半はスターターとしてプレイしていたこともあり、そろそろ先発出場が見られるかもしれない。

第2週:vs. MEM、vs. MIA

25位 ロサンゼルス・レイカーズ

成績:0勝3敗

OffRtg: 97.2 (30) DefRtg: 103.4 (2) NetRtg: -6.2 (23) Pace: 106.7 (2)

第1週を通して、レイカーズはディフェンシブレーティングを昨季(112.8、21位)から9.4も改善させている。しかし、問題は圧倒的最下位であるオフェンスにある。ラッセル・ウェストブルックは30本以上のFGを試投している100選手のなかで、エフェクティブFG成功率が30.3%で最下位だ。しかし彼ひとりの問題ではない。レイカーズは8選手が5本以上の3P試投を記録しているものの、その全員が成功率30%を切っているのだ。

レイカーズはラプターズを見習って、ショットが外れることを想定してオフェンシブリバウンドに飛ぶこむ戦略を取ったほうが良いのかもしれない。しかしそのオフェンシブリバウンド率でさえも、22.3%でリーグ最下位となっている。

第2週:@DEN、@MIN、vs. DEN

26位 インディアナ・ペイサーズ

成績:1勝2敗

OffRtg: 114.4 (8) DefRtg: 114.7 (22) NetRtg: -0.3 (14) Pace: 106.3 (3)

ペイサーズが今季初めて試合中にリードするまで、113分もかかった(3試合目の第2Q残り6分30秒)。しかし、その3試合での総得失点差はなんとたったのマイナス1だ。いつも大差をつけられながらも後半に追い上げており、前半のネットレーティングはリーグ最下位(100ポゼッション平均でマイナス17.7)であるのに対して、後半はなんとリーグ2位(100ポゼッション平均でプラス16.9)だ。

22日(同23日)の試合の後半にチームをけん引していたのはベネディクト・マサリンで、彼の平均24.0得点はルーキーのなかでトップだ。プレシーズンでは13本中2本しか決められなかった3Pも、レギュラーシーズンが始まってからは21本中11本も決めている。

第2週:@PHI、@CHI、@WAS、@BKN

27位 デトロイト・ピストンズ

成績:1勝2敗

OffRtg: 108.4 (20) DefRtg: 117.9 (27) NetRtg: -9.4 (28) Pace: 102.7 (11)

連敗したニックスとペイサーズの2試合では、100ポゼッション平均で123失点を喫するなど、ディフェンスが上手くいっていないのがピストンズだ。プレシーズン中はスクリーンに対してビッグマンがスウィッチで対応していたが、レギュラーシーズンに入ってからはその戦略を変更。しかし結果は変わっていない。

ルーキーのジェイデン・アイビーはオフェンスで素晴らしい輝きを見せている。ニックス戦で記録した9アシストは、どれもドリブルからの素晴らしい読みで生み出したものだった。ターンオーバーの問題もあるが、これだけコートが読める選手ならば、高いレベルのプレイメイカーとなりそうだ。

第2週:@WAS、vs. ATL、vs. ATL、vs. GSW

28位 オーランド・マジック

成績:0勝3敗

OffRtg: 108.3 (22) DefRtg: 114.5 (20) NetRtg: -6.2 (22) Pace: 100.8 (15)

良い報せは、昨季の開幕2試合のように大敗しておらず、3敗とも試合最後の5分間で5点差以内に入っていたことだ。悪い報せは、二桁リードしながらも複数回敗けた唯一のチームとなったこと。ピストンズ戦では15点差、ホークス戦では13点差のリードをそれぞれ作りながらも、最終的には敗れている。

若い選手たちが活躍しているのはチームにとって好材料だろう。ルーキーのパオロ・バンケロは平均23.3得点、8.7リバウンド、2.0ブロックを記録。ボル・ボルは出場44分で7ブロックを記録している。

第2週:@NYK、@CLE、vs. CHA、@DAL

29位 ヒューストン・ロケッツ

成績:0勝3敗

OffRtg: 108.4 (20) DefRtg: 120.8 (30) NetRtg: -12.4 (30) Pace: 102.5 (12)

ロケッツはとにかく相手に走られる。昨季はトランジションでリーグ最下位となる平均25.0失点という記録的な数字を残したのだが、今季はターンオーバー数を昨季よりも減らしながらも(昨季は100ポゼッション平均16.2だったのに対して今季はここまで14.3)、昨季より多い32.3失点を記録している。

第2週:vs. UTA、@UTA、@POR、@PHX

30位 オクラホマシティ・サンダー

成績:0勝3敗

OffRtg: 106.4 (26) DefRtg: 114.6 (21) NetRtg: -8.2 (26) Pace: 103.2 (8)

チェット・ホルムグレンが全休となったものの、サンダーはそれでも見るのが楽しいチームとなるはずだった。しかし開幕からわずか5日間で、ジェイレン・ウィリアムズが眼窩骨折、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーが早速欠場、ジョシュ・ギディーが足首を捻挫、そして開幕戦に先発出場したアレクセイ・ポクシェフスキーは3戦目にしてベンチからわずか13分間の出場に終わっている。

第2週:vs. LAC、vs. LAC、@DAL

原文:Power Rankings, Week 2: Undefeated Celtics take over No. 1 spot by John Schuhmann/NBA.com(抄訳)

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