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MVPや新人王などの最有力候補は誰か? 2023-2024シーズン中盤のNBAアウォード受賞者予想

2024-01-15
読了時間 約3分
(Getty Images)

NBAの2023-2024シーズンもすでに折り返し地点に差し掛かっている。ほとんどのチームが40試合以上を消化しており、各賞について検証するのには絶好のタイミングだろう。

MVP、新人王(最優秀新人選手)、最優秀守備選手など、NBAの各賞の最有力候補は誰なのか?それぞれの最有力候補を見ていこう。

最優秀選手(MVP): ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)

25.5得点、11.8リバウンド、9.2アシストという圧倒的なスタッツのことは置いておいても、これは間違いなくヨキッチの賞だ。彼はそこまで努力をせずともトリプルダブルを連発し、ウィルト・チェンバレンのようなスタッツを残している。先日のデトロイト・ピストンズ戦では、25分の出場で3本しかシュートを打たなかったが、16アシスト、5ブロックをマークした。

ヨキッチ本人はこの賞のことは気にしていない。昨シーズン終盤、彼はペースを落としてジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)に受賞を許した。しかし、プレイオフでは一気にアクセルを全開にし、リーグ最高の選手が誰なのかという疑念を払拭。初のリングを獲得した。

次点はシェイ・ギルジャス・アレクサンダーだ。オクラホマシティ・サンダーは大きく順位を上げたが、その原動力になったのはギルジャス・アレクサンダーだった。彼は1試合平均ドライブ数で再びリーグをリードし、スティール数でも断トツ1位だ。その変幻自在のスタイルのため、彼の得意とする位置に行かせないようにするのは不可能である。

エンビードも素晴らしいシーズンを送っている。スタッツを見れば、彼がフロントランナーであることは間違いない。しかし、すでに9試合を欠場し、その欠場がリーグ屈指の強豪チームとの対戦であるという興味深いパターンがある。受賞資格を得るための新基準である65試合以上出場に達しない可能性が非常に高い。

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最優秀新人選手(新人王):チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)

これはサンアントニオ・スパーズのビクター・ウェンバンヤマ賞になるはずだったのだが、ホルムグレンが歴史的なルーキーシーズンを過ごしている。彼が史上最高の新人シューターであることはほぼ間違いないだろう。あれだけのショットを打ちながらフィールドゴール成功率55%、3ポイントショット成功率40%を記録し、それに匹敵する数字を残した選手はほかにいない

しかし、彼は単なるスポットアップ・シューターではない。巧みなドライブなど、予想以上の力を見せているし、良いパサーでもあり、サンダーの攻撃のシステムで良く使用されるカッターへのパス出しも多い。

ホルムグレンのシーズンをさらに素晴らしいものにしているのは、彼がオフェンスよりもディフェンスで優れているという事実だ。試合平均2.5ブロックという彼の記録はリーグ4位で、全体でもリーグ5位に浮上したサンダーのディフェンスを支えている。オールスター出場の可能性も十分にある。

最優秀守備選手賞(DPOY):ルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

昨年、新しいシステムに適応しようとしていたゴベアは見るからに以前と同じではなかった。ウルブズはその不備をすべて解消し、リーグ最高のディフェンスを披露しているが、その基盤となっているのがゴベアなのだ。

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スティフル・タワーが戻り、エリートレベルでリム周りを守っている。『Crafted NBA』によると、彼が守っているときの相手チームのリムでの成功率は14.8%も悪化する(選手の96パーセンタイル)。守備に関するスタッツの多くで上位にランクインするゴベアは、1試合平均2.1ブロックで7位、ディフェンシブリバウンドは309本で5位につける。また、ペリメーターへのリカバリーもうまく、過去数年における彼への最大の批判のひとつだった部分を補強している。

アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)もこの賞の候補だ。彼が舵をとるレイカーズは素晴らしいディフェンスを発揮する。そのほか、ホルムグレンとウェンバンヤマも検討に値する。

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最優秀躍進選手賞(MIP):タイリース・マクシー(フィラデルフィア・76ers)

元76ersのジェームズ・ハーデン(現ロサンゼルス・クリッパーズ)は昨年オールスター級の活躍を見せたが、76ersはマクシーの飛躍のおかげでハーデンのことを忘れられている。マクシーは、1試合平均20.3得点から26.2得点へと得点力をアップさせ、アシストも3.5から6.7へとほぼ倍増させ、非常に効率的なスコアラーであり続けることで、76ersにおいてエンビードに次ぐ2番目のベストプレイヤーになれることを示した。オールスター初出場は間違いないだろう。

昨年、ドック・リバース指揮下でベンチに追いやられた時期があったことを考えると、マクシーの急成長には目を見張るものがある。シクサーズが勝っているのは、彼のスピードとシューティング、プレイメイキングの向上によるところが大きい。

シックスマン賞:ボグダン・ボグダノビッチ(アトランタ・ホークス)

この賞は従来、ベンチから出場する最高の攻撃力を持つ選手に贈られる。その栄誉は、1試合平均わずか28.3分の出場で17.6得点をマークしているボグダノビッチのものだろう。ほとんどのチームではスタメンにもなれる選手だが、ホークスのガード陣のローテーションではトレイ・ヤングとデジャンテ・マレーの後ろに控える。

ボグダノビッチが守備関係の賞を取ることはないだろう。ベンチからオフェンスの火付け役として出場する必要はない。彼は素晴らしいムーブメント・シューターでドリブルからシュートを決めることができる。1試合平均2.7アシストとパスもうまい。

最優秀コーチ賞:マーク・デイグノート(オクラホマシティ・サンダー)

NBAでデイグノートほどクリエイティブなコーチはいない。珍しいボールハンドラー・スクリーンの組み合わせと数多くのカッティングを駆使するという彼の斬新な攻撃は、相手ディフェンスを対応しにくい状況に追い込んでいる。

彼のディフェンスも同様に革新的だ。サンダーは、ストロングサイドのコーナーからのヘルプをしないなど、NBAバスケットボールの基本ルールを破っている。彼らはコート中でスイッチすることを恐れない。ほかにも、ケンリッチ・ウィリアムズという身長6フィート6インチ(198cm)のウィングをスモールボールのセンターとして起用するなど、デイグノートは型破りなことをしている。

デイグノートは技術面でも優れている。コーチチャレンジで失敗することはめったになく、試合序盤から積極的に使う数少ないコーチの1人だ。また、リーグ屈指のプレイコールをする1人であり、タイムアウトの場面や試合終了間際にはサンダーの素晴らしいプレイを必ず見ることができる。彼は恐れることなく試合中の修正を必要なだけ行う

慣例に逆らうアグレッシブなコーチであり、それが彼を非常に良い意味で際立たせている。それがサンダーの勝利につながっていると考えれば、彼はその称賛に値する。

原文:NBA midseason award predictions: MVP, Rookie of the Year, Defensive Player of the Year and more for 2023-24
翻訳:YOKO B