9月30日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)にてワシントン・ウィザーズとゴールデンステイト・ウォリアーズによる『NBAジャパンゲームズ2022』(NBA Japan Games 2022 presented by Rakuten & NISSAN)の1試合目が行われ、2万人を超えるファンが集まったアリーナは大歓声に包まれた。
ここでは、NBAジャパンゲームズ2022期間中にあったことをデイリーリポートとして、アートワーク、コラム、動画などさまざまな形でお届けする。今回はデイリーリポート4日目、9月30日にあったことをまとめる。
アートワーク by MQ
記事のトップ画像となっているアートワークは、ワシントン・ウィザーズの公認スーパーファンとしてもお馴染みであるデザイナーのMQによるものだ。
本人コメント:「GAME1! 私は試合前にウィザーズの選手たちと感動の対面を果たし涙を流しながら会場へ。巨大なスクリーンと実際にコートに立つ選手たちをこの目に焼き付けてきました。開場前からアリーナ周辺にはたくさんのファンが集まり、この歴史的なビッグイベントの盛り上がりを実感しました。八村選手が活躍するたびに大歓声でアリーナ全体が湧き、日本とNBAの距離がどんどん近くなっていると思います。ゲストのSUGAさん(BTS)と交流した選手たち。ジョーダンプール選手は記者会見場にSUGAのサイン入りアルバムを並べて嬉しそうでした」
Twitter: @mqdiner
NBAジャパンゲームズコラム by 宮地陽子
さいたまスーパーアリーナで9月30日に行われた『NBAジャパンゲームズ2022』第1戦は、96対87でウォリアーズがウィザーズに勝利した。両チームともシュートが決まらずロースコアの試合となったが、スティーブ・カー・ヘッドコーチが試合後に「両チームともまだ3~4回しか練習していないような試合だった」と言ったように、この時期にはよくあること。ウォリアーズのステフィン・カリーが13分余、ウィザーズのブラッドリー・ビールが17分半と、主力選手の出場時間が短かったが、シーズンに向けての準備が始まったばかりということを考えるとしかたないところだ。
そんな中、かわりに見せ場を作り、会場を盛り上げたのが若手選手たちだった。ウォリアーズの最多得点、最多リバウンドをあげたのは、NBAに入って3シーズン目、21歳のジェームズ・ワイズマン(20得点、9リバウンド)、そしてウィザーズの最多得点、最多リバウンドをあげたのはNBA 4シーズン目、24歳の八村塁(13得点、9リバウンド)。2人はそれぞれ、昨季が思うようにいかなかったという共通点がある。ワイズマンは昨季を故障でシーズン全休し、八村も東京オリンピック後の精神的疲労もあってシーズン前半を欠場した。そんな苦境を乗り越えた2人の若者たちにとって、ジャパンゲームズの初戦は、復活の狼煙をあげた試合だった。
八村はスターターとして出場。ウィザーズのヘッドコーチ、ウェス・アンセルドJrはかねてから、スターターのうち3番(スモールフォワード)だけはまだ確定していないと言っており、その候補のひとりが八村。ジャパンゲームズはそれを試すのにいいチャンスだった。
「塁をスターターにしたのは、彼にとって母国での試合だからということだけではなかった。スタッフの間で、このスターティングラインナップも候補として話していて、色々試しているところなんだ」とアンセルドHC。スターターで出た八村のプレーについても「アグレッシブでよかった」と好評価を与えた。
実際、八村は試合の序盤で、カリーの手からボールを弾き、床に飛び込んで確保するハッスルプレイを見せ、攻守でアグレッシブなプレイが多かった。自分でも、「オフェンスでもディフェンスでもできるツーウェイプレイヤーを目指してきたので、そういうところできょうはいい活躍ができたんじゃないかなと思う」と手応えを感じていたようだ。
そんな八村をルーキーのときからサポートし、励ましてきたひとりがウィザーズのエース、ブラッドリー・ビール。八村がウィザーズに入った直後から「人見知りなところは僕にもよく似ている」と気にかけていた。この1年余の八村の苦悩についても暖かく見守り、サポートしていて、今回そこから復活し、日本のファンに歓迎されるなかで活躍したことを喜んでいた。
「塁はこの1年半、色々なことを乗り越えてきた。それだけに、こうやって自信をもってすばらしいレベルでプレイできるようになったことはよかった。彼は特別な才能を持っている。多才だし、今年はこれまでより自由に、その才能を見せることができると思う。それに、彼のいいところはまわりからのチャレンジをよく受け止めているところ。僕の仕事は彼を叱咤激励し、最高の状態を出せるようにすることだと思っている」
若者たちがアグレッシブに才能を見せていく陰には、いつでもベテラン選手たちの励ましやサポートがある。ワイズマンも故障してチームを離脱しているときでも、カリーらベテラン選手たちに「辛抱強く、努力し続けよう」と励まされたと言い、それが支えになったと言っていた。
八村にとって、NBAに入ってからの3シーズンはコロナ禍でのシーズン中断から始まり、イレギュラーな時期を過ごしてきた。今シーズンは、そんな彼にとって初めて82試合のフルシーズンを戦い、NBA選手としての成長を見せる機会でもある。そのチャレンジが日本で始まったということも、意味があることなのかもしれない。
「(フルで戦うシーズンは)僕としてもすごい楽しみにしていますし、体調管理とか、メンタル的にもしっかり(やりたい)。そこをちゃんと様子を見ながらやることが、この82試合のレギュラーシーズンをしっかり終える鍵だと思うので、しっかりと集中していきたいなと思います」
Twitter: @yokomiyaji
▶︎無料配信決定! NBA JAPAN GAMESを⾒逃すな!