オールスター選外が惜しまれる有力選手たち:ハーデンやサボニス、ヤングら|NBAオールスター2024

2024-02-02
読了時間 約5分
(NBAE via Getty Images)

NBAは先日、オールスターゲーム2024のスターターを発表した。そして2月1日(日本時間2日)には、各コーチが選出する両カンファレンスから7名ずつ、計14名のリザーブ選手を発表している。

数に限りがあるだけに、選出されない選手も多くなる。特に今季のウェスタン・カンファレンスは競争が激しかった。多くの選手たちが選ばれるにふさわしかった。

ここでは、オールスターゲーム2024のロスターと、惜しくも選出されなかった選手たちをまとめる。

NBAオールスターゲーム2024のロスター

イースタン・カンファレンス ウェスタン・カンファレンス
タイリース・ハリバートン ルカ・ドンチッチ
デイミアン・リラード シェイ・ギルジャス・アレクサンダー
ヤニス・アデトクンボ レブロン・ジェームズ
ジェイソン・テイタム ケビン・デュラント
ジョエル・エンビード ニコラ・ヨキッチ
ジェイレン・ブランソン アンソニー・エドワーズ
ドノバン・ミッチェル カワイ・レナード
タイリース・マクシー アンソニー・デイビス
バム・アデバヨ デビン・ブッカー
ジェイレン・ブラウン ステフィン・カリー
ジュリアス・ランドル カール・アンソニー・タウンズ
パオロ・バンケロ ポール・ジョージ

太字はスターター

イースタン・カンファレンスで惜しくも選外となった選手たち

(NBA Entertainment)

トレイ・ヤング

シーズン出だしこそショットが不調だったが、ヤングは攻撃においてリーグ有数の選手だ。平均10.8アシストは自己最多で、タイリース・ハリバートンに続くリーグ2位。平均27.0得点もリーグ10位の数字だ。

結局のところ、ヤングはチームが成功できていないことの犠牲者のようだ。アトランタ・ホークスは勝率5割を大きく下回っており、プレイイン・トーナメントの最後の1枠を争っている。

スコッティー・バーンズ

オールスターには選出されなかったかもしれないが、今季のバーンズの飛躍は軽んじるべきではないだろう。シーズンの終わりには、年間最優秀躍進選手賞の候補にあがっているはずだ。

バーンズは3ポイントショット成功率が36.6%と向上。平均得点を5得点押し上げ、平均20得点に達している。平均5.7アシストを記録しており、トロント・ラプターズの主なプレイメーカーとしても素晴らしい。

また、バーンズは守備でも素晴らしいシーズンとしている。今季はラプターズでポイントガードからスモールボールのセンターまでこなす見事な万能性だ。

(NBA Entertainment)

パスカル・シアカム

リーグにいまだ残る有数のミッドレンジシューターで、いつでも望むときに自分のスポットを手にし、そのミッドレンジからのショットを放つことができる。優れたスコアラーで、今季は平均22.1得点をマーク。出だしはひどかった3P成功率も32.3%まで改善された。

守備は以前ほどの存在感ではなくなっている。だが、守備の才能が超絶的であることは変わらず、インディアナ・ペイサーズにトレードされてからはさらにもう少し活気を取り戻したようだ。良いシーズンを過ごしているが、3回目のオールスター選出にはわずかに及ばなかった。

 

デリック・ホワイト

ボストン・セルティックスの重要な存在だが、得点力のなさが痛手となった。3P成功率は40%に達しており、スター選手のために素晴らしいスクリーンをかけ、プレイメークの役割も増したにもかかわらず、平均15.6得点では推すのが難しかった。

それでも、ホワイトは素晴らしいシーズンを過ごしている。守備やオールラウンドなプレイはいつものように素晴らしい。リーグ最高のロールプレイヤーのひとりだ。

ジャレット・アレン

アレンがいなければ、クリーブランド・キャバリアーズはどうなっていただろうか。ダリアス・ガーランドとエバン・モーブリーがシーズンの多くで不在だった中で、アレンはキャバリアーズの救世主だった選手だ。その堅実な存在感で、キャバリアーズをニューヨーク・ニックスに続く東地区の4位で競える状況にとどめている。

アレンは素晴らしいロブフィニッシャーであり、リムプロテクターだ。2002年にオールスターに選ばれている。フロアを広げることはできないが、決してショットは悪くない。フィールドゴール成功率は約65%だ。パスの力も加わり、今季は自己最多の平均3.0アシストを記録している。

(NBAE via Getty Images)

クリスタプス・ポルジンギス

ここまで、ボストン・セルティックスはポルジンギスのトレードに満足しているだろう。ポルジンギスは3P成功率35.9%、そしてハイポストとローポストからショットをつくり出す能力で、セルティックスに違う一面をもたらしている。平均19.5得点は攻撃が素晴らしいチームにおける3位の数字だ。そして平均1.8ブロックと守備でチームの支柱になっている。

ジミー・バトラー

バトラーはイースト最高の12人に含まれる選手だろうか。答えは間違いなくイエスだ。だが、今季の彼は15試合を欠場している。そして得点とアシストは近年と比べ、わずかだが落ちている。昨季NBAファイナルに進出したマイアミ・ヒートも、今季は勝率5割前後とまあまあの成績だ。

コーチたちがバトラーをオールスターに選ばなかった理由としては、十分かもしれない。だがそれでも、プレイオフで恐るべき存在であることは変わらない。

ウェスタン・カンファレンスで惜しくも選外となった選手たち

ジェームズ・ハーデン

トレード要求やシーズン序盤がスロースタートだったことが響いたようだ。しかし、ロサンゼルス・クリッパーズは、ハーデンにハーデンらしさを発揮させることで彼を組み込む方法を見つけた。また、キャッチ&シュートの3Pを少し増やさせたことで、オフボールの脅威を高めている。

平均得点は17.1得点と下がった。偉大なパサーであることは変わらず、平均8.6アシストを記録している。3P成功率は自己最高の40.9%だ。

(NBA Entertainment)

Scroll to Continue with Content

ドマンタス・サボニス

サボニスはオールスターに選ばれた昨季と比べ、平均得点(19.9)、リバウンド(リーグトップの13.0)、アシスト(7.9)を向上させている。サクラメント・キングスも堅実で、ここまで勝率60%ほどだ。プレイメークも素晴らしく、攻撃においてスクリーンの中心となっている。それでも、こういった表彰の多くで彼は軽んじられがちなようだ。

ディアロン・フォックス

フォックスは自己最多の平均27.5得点と得点力を上げている。3Pの大幅な向上が大きい。成功率38.6%を記録している。プルアップも相手の脅威となった。それにより、フォックスは守るのがさらに大変な、リーグ有数のスコアラーとなっている。フォックスとサボニスはキングスを一変させた。だが、西地区はガード部門の競争が激しい。

ラウリ・マルカネン

オールスターブレイクを前に絶好調のチームのひとつがユタ・ジャズだ。出だしは7勝16敗だったが、負傷で8試合を欠場したマルカネンが復帰してから、ジャズは勝率5割前後に戻っている。

そのジャズの攻撃における最高の武器が、平均23.5得点、8.7リバウンドを記録しているマルカネンだ。3Pは成功率39.6%と変わらず脅威で、ポストプレイやミッドレンジからのショットも向上しており、止めるのがさらに大変な選手となっている。

(Getty Images)

ルディ・ゴベア

ゴベアは自身4回目となる年間最優秀守備選手賞の有力候補だ。昨季は軽傷を抱えながらだったが、今季は守備で本来の支配力を取り戻し、守備でトップのミネソタ・ティンバーウルブズの支柱となっている。攻撃で驚かせることはないが、リバウンドが素晴らしく、マイク・コンリーとのケミストリーも良い。

また、ウルブズが期待を上回る出来だけに、複数選手が選ばれてもおかしくなかった。現在、ウルブズは西地区の首位に立っている。

ジャマール・マレー

シーズン序盤に足首のケガで11試合を欠場したことが痛手となった。特に昨季プレイオフでの活躍を考えれば、初選出にふさわしかった。

自己最多の平均21.4得点、6.5アシスト、3P成功率41.0%と、マレーは良いシーズンを過ごしている。今季、デンバー・ナゲッツの対戦相手はニコラ・ヨキッチにより注意を払い、あえてマレーに勝負させようとしているが、マレーは素晴らしいショットメークで応じている。

アルペレン・シェングン

シェングンはヒューストン・ロケッツが最下位から勝率約5割に向上するのに貢献した。年間最優秀躍進選手賞の候補となるべき選手だ。

以前からパスは優れていたが、平均アシストを5.1と向上させている。最初の2年間で苦しんだ、頭を抱えてしまうようなプレイが減った。

また、平均得点は昨季の14.8得点から21.9得点と飛躍し、爆発的なスコアラーとなっている。ポストムーブは1990年代のビッグマン黄金期のようだ。

チェット・ホルムグレン

ホルムグレンはルーキーで有数となるショット力を見せている。FG成功率は53.3%で、3P成功率は37.4%。フリースロー成功率は77.3%だ。好調のオクラホマシティ・サンダーで平均16.7得点をあげている。

攻撃の素晴らしさと同じように、ホルムグレンは守備も見事だ。恐るべきリムディフェンダーで、平均2.6ブロックはリーグ4位の数字である。

(NBA Entertainment)

ビクター・ウェンバンヤマ

ウェンバンヤマは試合のたびにバズるような瞬間を見せている。コート上で彼がやっていることは、とてつもない。

センターのポジションに移ってからは、さらに良くなっている。トレイ・ジョーンズという本物のポイントガードとプレイするようになってから、平均20.6得点に達し、10.1リバウンド、3.1アシストを記録している。

また、ウェンバンヤマは年間最優秀守備選手賞の候補としても検討されるべき選手だ。対戦相手の傾向すらまだ知らないにもかかわらず、守備でインパクトを残してきた。8フィート(約244センチ)のウィングスパンを生かし、相手がドライブしてもボールを奪い、平均3.1ブロックとリーグトップの数字を残している。

ブランドン・イングラム

平均21.4得点、5.7アシスト、4.9リバウンドと、いつもの彼らしい堅実さを見せている。ピック&ロールに優れ、ミッドレンジからのショットは止めることが不可能なアーティストだ。好チームであるニューオーリンズ・ペリカンズにおける今季最高の選手がイングラムである。

ザイオン・ウィリアムソン

ペリカンズでトップの平均22.0得点をあげている。健康状態もかなり良く、今季はここまで欠場9試合だ。

ウィリアムソンはリムに向かっていく力があり、パサーとしても向上を続けている。平均4.7アシストは自己最多だ。彼ほどの爆発的な身体能力を持つ選手は、リーグにそう多くない。

カイリー・アービング

アービングはすでに20試合を欠場しており、これが最も大きい。コートに立てば、いつものようなエリートクラスのスコアラーであり、平均25.2得点をあげている。3P成功率は41.1%だ。そして彼のボールハンドリングはリーグ最高級である。

原文:NBA All-Star Game snubs 2024: James Harden, Domantas Sabonis and Trae Young headline best players not picked(抄訳)
翻訳:坂東実藍