ハワイでのロサンゼルス・クリッパーズ戦、ヒューストン・ロケッツの得点源であるジェームズ・ハーデンは、第3クォーターまでで37点を荒稼ぎした。10月8日に行なわれたトロント・ラプターズとのNBAジャパンゲームズの初戦も、ティップオフ直後からエンジン全開のプレイを見せてゲーム最多の34点を記録し、さいたまスーパーアリーナを埋めた2万348人(主催者発表。公式ボックススコアによると2万413人)の観客を魅了した。
ラプターズはノーマン・パウエルとパスカル・シアカムを筆頭に、数多くの選手をハーデンにマッチアップさせたものの、1対1で止める術が見つからない。ディフェンダーをあっさり抜き去ってのフローター、ステップバックの3ポイントシュートといったハーデンらしいプレイが決まるたびに、観客から「ウォー!」という驚嘆の声が上がった。
ハーデンにとってこの試合最大のハイライトは、第2Q残り3分20~16秒にかけてのシーン。左ウイングから1対1を仕掛けると、マッチアップしたロンデイ・ホリス・ジェファーソンに対して股抜きドリブルを成功させ、そのままフィニッシュを試みてファウルをもらったプレイだ。試合後の会見でクリエイティブな新しいムーブを生み出す秘訣について質問された際、「常にレベルアップしたいから、クリエイターでいるんだ」と答えているように、ハーデンがスキルを上達させることに対していかに貪欲かがわかる。
「コンディショニングはまだまだこれから。自分たちをもっと駆り立てるという点で、これまで素晴らしい練習ができているし、プレシーズンゲームでは現時点の限界を越えようという気持ちでやっている。シーズンが始まる数週間後には、しっかり準備できている状態にしたい」と話しながらも、27分間で34点を稼いでしまうのだから、ハーデンは今季も相手チームのコーチ陣にとって頭痛の種になり続けるに違いない。