スラムダンクコンテストはオールスターサタデーナイトの目玉だったが、最近は関心が薄れている。
昨年、そのダンクコンテストを救うためにベストを尽くしたのが、Gリーグのスター選手で昨年度王者のマック・マクラングだ。いくつかのオリジナルなダンクで、オールスターサタデーナイトのメインイベントを沸かせた。そのマクラングが、ことしのダンクコンテストにも戻ってくる。
そのほかでは、ボストン・セルティックスのオールスター選手であるジェイレン・ブラウンが、コンテストに再びスターの力を戻そうと狙っている。NBAドラフト2023で1巡目指名されたマイアミ・ヒートの新人ハイメ・ハケスJr.は、エリートには見えないかもしれないが、じつはポスターダンクのコレクションを持つ。ニューヨーク・ニックスのジェイコブ・トッピンは、兄がかつてスラムダンクコンテストを制している選手だ。
ここでは、2024年のスラムダンクコンテストの出場者についてまとめる。
NBAスラムダンクコンテスト2024の出場者たち
ジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス)
ブラウンはスラムダンクコンテストに少しスターの力を注入し、NBAでムーブメントを起こそうとしている。オールスター選手のダンクコンテスト出場は、2018年のビクター・オラディポ以来だ。
評価はあまり高くないかもしれないが、試合でのダンクに関して、ブラウンはNBAで最高級のひとりだ。ヤニス・アデトクンボ(複数回)、ジョエル・エンビード(複数回)、ルディ・ゴベア、レブロン・ジェームズ、そしてパウ・ガソルを相手にポスターダンクを決めたことがあると言える選手はほかにいるだろうか。そしてこのリストに名を連ねる選手は、将来殿堂入りするような選手たちよりもはるかにたくさんいる。
ブラウンはどんな守備の中心選手にもチャレンジし、リムに迫る。トランジションで抜け出せば、バックボードを壊そうとするかの勢いだ。その彼がダンクコンテストで優勝できるだけのクリエイティビティーを出せるかは興味深い。ただ、身体能力とパワーの組み合わせで、確実に楽しませてくれるだろう。
マック・マクラング(オシオーラ・マジック/Gリーグ)
マクラングはプロのダンカーだ。6フィート2インチ(約188センチ)のサイズにだまされてはいけない。垂直跳びが最高43.5インチ(約110センチ)と言われる彼は、十分な時間の跳躍で創造的な筋肉の動かしかたができるのだ。
高校時代から話題となるダンクのハイライトをつくってきたマクラングは、昨年のダンクコンテストで見せたように、誰も見たことがないようなトリックにいつも取り組んでいる。
昨年はまず、友人を飛び越えてからのダブルクラッチのリバースダンク。さらに一回転してのツーハンドのウィンドミルで締めくくり、ケニー・スミスに「決まりだ!」と言わせた。
昨年以上の出来にするのは簡単なことではない。だが、昨年優勝して以来、マクラングがこの瞬間に備えてきたことは確かだろう。
ハイメ・ハケスJr.(マイアミ・ヒート)
ハケスJr.もコンスタントにハイライトとなるようなダンクを生み出してはいない。だが、リムの相手にチャレンジすることを恐れない選手だ。実際、NBAでハケスJr.が最初に大きな話題となったのは、サマーリーグでのデビューでロサンゼルス・レイカーズの新人コリン・キャッスルトン相手に強烈なポスターダンクを叩きこんだ時だった。
身体能力の高さで知られる選手ではないが、ハケスJr.は垂直跳びで最高39インチ(約99センチ)と2023年ドラフト組で有数の数字を記録している。そして、スラムダンクコンテストの経験もあるのだ。
カリフォルニア出身のハケスJr.は以前、高校のダンクコンテストに出場し、フィラデルフィア・76ersのケニオン・マーティンJr.のような爆発的な身体能力を持つアスリートたちと競い、そして優勝している。審査員のひとりは、シカゴ・ブルズのレジェンドであるスコッティー・ピッペンだった。
ジェイコブ・トッピン(ニューヨーク・ニックス)
ジェイコブ・トッピンは4人の中で最も知られていない存在だ。だが、ご想像のとおり、インディアナ・ペイサーズのオビ・トッピンの弟である。
ケンタッキー大学で3年プレイしたジェイコブ・トッピンは、大学時代に垂直跳び最高42.5インチ(約108センチ)を記録。シーズン開幕イベントでその跳躍力を見せたことがある。
彼はGリーグを個人的なダンクコンテストの場のようにし、360℃のダンクや非常に高いアリウープ、リムを震わせるトマホークなどを披露してきた。
6フィート8インチ(約203センチ)のジェイコブ・トッピンには注目だ。サタデーナイトでサプライズとなる可能性を持つ選手である。
原文:Meet the 2024 NBA Dunk Contest participants: What to know about Jaylen Brown, Mac McClung, Jaime Jaquez Jr., Jacob Toppin(抄訳)
翻訳:坂東実藍