ロサンゼルス・レイカーズがゴールデンステイト・ウォリアーズを下し、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルの組み合わせが決まった。レイカーズは第1シードのデンバー・ナゲッツとNBAファイナル進出を競う。
第7シードのレイカーズは不利と予想されるだろう。だが、レブロン・ジェームズはすでに10回のNBAファイナルを経験している。その存在を考慮しないのは危険だろう。
5月16日(日本時間17日)に第1戦が行われるシリーズを前に、鍵となる情報を見てみよう。
ナゲッツ対レイカーズの対戦の歴史
両チームはバブルで行われた2020年のカンファレンス・ファイナルで対戦している。この時はレイカーズが第5戦で勝利し、最終的にタイトルを獲得した。
当時レイカーズに在籍し、現在はナゲッツでスターターを務めるケンテイビアス・コールドウェル・ポープは以前、第2戦でアンソニー・デイビスが決勝3ポイントショットを決めていなければ、レイカーズはシリーズを制していなかっただろうと話している。
両チームとも当時と比べてロスターが大幅に変わっているが、主力は依然として同じだ。レイカーズで残っているのは、ジェームズとデイビスのみ。一方、ナゲッツで残っているのはニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr.だ。
今季の対戦を振り返ると、両チームの対戦は4回。それぞれ2勝ずつあげており、いずれもホームチームが制している。ただ、あまり参考にはならないかもしれない。すべてトレードデッドライン(トレード期限)でレイカーズがロスターを再編成する前の試合だからだ。今季4回目の対戦はナゲッツが大勝したが、ジェームズもデイビスも不在だった。
注目のマッチアップ:ニコラ・ヨキッチ対アンソニー・デイビス
ヨキッチはここまでの今季のプレイオフで過去有数の出来を見せている。ポストシーズンで平均30.7得点&12.8リバウンド&9.7アシスト超はNBAの歴史で彼しか記録していない。
デイビスは攻撃面でより浮き沈みがあったが、守備では一貫してプレイオフ有数の出来だった。
レギュラーシーズンでの対戦では、どちらも相手を止められなかった。NBAのマッチアップデータによると、デイビスが守っている時のヨキッチのフィールドゴール成功率は64%だ。
ヨキッチはデイビス相手のポストでのプレイが非常にうまい。強さを生かしてデイビスを押し込み、簡単なレイアップを決める。鋭いシュートフェイクでもデイビスを苦しめた。
一方、ヨキッチに守られている時のデイビスもFG成功率62.5%を記録している。ヨキッチのようにポストで力を発揮することはできなかったが、かわせるだけのスピードのアドバンテージがある。ヨキッチ相手のドライブでも多く成功しており、ヨキッチの上からフィニッシュしたり、すり抜けての柔らかなフローターを決めてきた。
レギュラーシーズンの対戦では、ナゲッツがヨキッチのパス能力を生かしてデイビスをバスケットから遠ざけ、簡単なかたちでレイアップを決めた。エルボーでのヨキッチのハンズオフで、リムにアタックするガードのためのドライビングレーンを空けるのだ。ヨキッチは素晴らしいパサーであり、相手を揺さぶるパスからオープンな3Pも決めている。
レイカーズのXファクター:ディアンジェロ・ラッセル
ナゲッツの守備を打破する最善策を示したのが、平均31得点、8アシストを記録したフェニックス・サンズのデビン・ブッカーだ。優れたパスの読みとダイナミックなショットでアグレッシブな守備を翻ろうするガードにナゲッツは弱い。
ラッセルがブッカーのレベルに近くないのは確かだが、レギュラーシーズンの3P成功率は40%だ。ボールを持っていてふたりにマークされた際にパスを出す力もある。そしてレギュラーシーズンのナゲッツ戦で非常に良いプレイをしてきた。FG成功率は58%だ。何度か攻撃でビッグパフォーマンスを披露し、試合に影響している。
ナゲッツのXファクター:マイケル・ポーターJr.
ポーターJr.はキャリアを通じて守備が得意ではないと評価されてきた。それを変えつつあり、サンズを相手に守備で非常に良いプレイをしている。
だがもちろん、ポーターJr.がコートに立っているのは、主にその攻撃力からだ。レイカーズがヨキッチを1on1で守れずにダブルチームをすれば、ポーターJr.はオープンな3Pをたくさん打てるだろう。レギュラーシーズンの彼はそういったかたちから41%を沈めている。どの試合でも簡単に5本か6本の3Pを決めることができるのだ。
ナゲッツ対レイカーズの予想
レイカーズが勝つためには、ジェームズとデイビスがシリーズのトップ3選手に入る出来でなければならない。
もちろん、両者ともそのレベルに達することができる選手たちだ。だが、それを一貫してやれていない。デイビスは攻撃で消える試合が多かった。ジェームズはフィジカルが万全ではないようだ。足のケガがまだプレイに影響している可能性は高く、そのため守備では非常にスローで、攻撃でもショットが良くないようだ。
一方、ナゲッツはハイレベルな守備を続ける必要がある。ボールスクリーンでヨキッチがボールにプレッシャーをかける彼らのスキームが機能するには、ほぼ完ぺきな実行が求められるのだ。これまではヨキッチ以降のローテーションを抑えることができたが、まずまずの爆発力を持つレイカーズ相手にそれを続ける必要がある。
最後に、レイカーズがナゲッツの攻撃を十分にスローダウンさせて勝つことができるとは思わない。ウォリアーズの動くオフェンスを抑えることはできたが、それはデイビスのヘルプの役割によるところが大きかった。ヨキッチを相手に彼はそれをできないだろう。それはロスターのほかのすべての選手たちに大きな負担となる。
予想: 第6戦でナゲッツが勝利