八村塁が所属するロサンゼルス・レイカーズのシーズンが終わった。
昨季のプレイオフ、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルでデンバー・ナゲッツにスウィープ(4勝0敗)を許したレイカーズは、NBAプレイオフ2024のファーストラウンドでも第5戦でナゲッツに沈められた。
今のレイカーズがさらに優勝トロフィーを増やすチャンスは限られつつある。アンソニー・デイビスはまだ全盛期で、最も健康なシーズンを送ったところだ。しかし、レブロン・ジェームズは来季で40歳になる。また、このオフシーズンにプレイヤーオプションをどうするのかという大きな決断が待つ。彼がフリーエージェントになるなら、球団の軌道を変えることになるかもしれない。
ポストシーズンが残念な結果に終わったレイカーズには、次に何が待っているのか。『スポーティングニュース』がまとめる。
注目ポイント:レブロン・ジェームズのプレイヤーオプション
ジェームズは5140万ドル(約80億6980万円/1ドル=157円換算)のプレイヤーオプションを行使するのか。NBAの今オフシーズンでこれ以上の注目ポイントはないだろう。
来季で40歳という年齢にもかかわらず、ジェームズがいまだにリーグ最高級の選手であることは否定できない。今季は平均25.7得点、8.3アシスト、7.3リバウンド、1.3スティール、自己最高の3ポイントショット成功率41.0%を記録した。出場71試合は、2017-2018シーズンに全82試合に出場して以来の数字だ。
それだけに、ジェームズは再び高額契約を結ぶと見られる。あとはどれだけ残ってプレイしたいのか、どこでキャリアを終えたいのかだろう。
2月、NBAオールスターゲーム2024を前に、ジェームズはレイカーズでの今後について「どれくらいのシーズンが残っているかは、まだ計画していない。それほど多くないことは分かっている」と話していた。
ジェームズは「僕はレイカーだ。この6年、レイカーでいられてとてもうれしかったし、そのままであることを願う」と述べている。
「でも、それがどれくらい続くか、自分がどのジャージーを着ているか、答えはないんだ。レイカーズでと願っている。素晴らしい球団だ。でも、どうなるかは今後を見ていこう」
ジェームズはこれまでに何度か、息子ブロニーと一緒にプレイできるだけNBAで続けるつもりと話してきた。2024-2025シーズンでそれが実現することも期待されていたが、ブロニーが大学1年目で浮き沈みのあるシーズンとなり、道筋は明確になっていない。
ブロニーはNBAドラフト2024にエントリーしつつ、トランスファーポータル入り(転校意思)を表明し、大学でプレイする資格を保っている。ブロニーがNBAドラフトに残り、レイカーズ以外のチームに加入することになれば、ジェームズがFAに関して決断を下す上で重要な要素となり得る。
ブロニーはレイカーズに指名されるか、指名外からFAでレイカーズと契約を結ぶ可能性もある。大学に戻ることを選ぶかもしれない。これらは、ジェームズの重要な決断に影響するだろう。
レイカーズの今後のフリーエージェント
スペンサー・ディンウィディーとトーリアン・プリンスは無制限FAだ。コリン・キャッスルトン、マックス・クリスティー、スカイラー・メイズは制限つきFAとなる。
また、ジェームズのほか、ディアンジェロ・ラッセル、クリスチャン・ウッド、ジャクソン・ヘイズ、キャム・レディッシュにプレイヤーオプションがある。レイカーズがチームオプションを持つ選手はいない。
無制限 | 制限つき | プレイヤーオプション | チームオプション |
スペンサー・ディンウィディー | コリン・キャッスルトン | ジャクソン・ヘイズ | なし |
トーリアン・プリンス | マックス・クリスティー | レブロン・ジェームズ | |
スカイラー・メイズ | キャム・レディッシュ | ||
ディアンジェロ・ラッセル | |||
クリスチャン・ウッド |
レイカーズの今後のサラリーとロスター
オフシーズンにどれだけの資金を投じられるかは、プレイヤーオプションを持つ5人に左右される。
ほかにはデイビスと2027年までの契約(2027-2028シーズンはプレイヤーオプション)。八村塁とは2026年までの契約だ。オースティン・リーブスも2026年までの契約で、2026-2027シーズンはプレイヤーオプション。ゲイブ・ビンセントとも2026年までの契約を結んでいる。ジャレット・バンダービルトとは2027年までの契約で、2027-28シーズンがプレイヤーオプションだ。
選手 | 2024-25 | 2025-26 | 2026-27 | 2027-28 | 2028-29 |
レブロン・ジェームズ | 51.4万ドル(PO) | UFA | |||
アンソニー・デイビス | 43.2万ドル | 54.3万ドル | 58.6万ドル | 63万ドル (PO) | UFA |
ディアンジェロ・ラッセル | 18.7万ドル(PO) | UFA | |||
八村塁 | 17万ドル | 18.3万ドル | UFA | ||
オースティン・リーブス | 13万ドル | 14万ドル | 14.9万ドル(PO) | UFA | |
ゲイブ・ビンセント | 11万ドル | 11.5万ドル | UFA | ||
ジャレッド・バンダービルト | 10.7万ドル | 11.6万ドル | 12.4万ドル | 13.3万ドル(PO) | UFA |
ジェイレン・フッド・シフィーノ | 3.9万ドル | 4.1万ドル(TO) | 6.2万ドル(TO) | RFA | |
クリスチャン・ウッド | 3万ドル (PO) | UFA | |||
ジャクソン・ヘイズ | 2.5万ドル(PO) | UFA | |||
キャム・レディッシュ | 2.5万ドル (PO) | UFA | |||
マックスウェル・ルイス | 1.9万ドル | 2.2万ドル(NG) | 2.4万ドル(TO) | UFA |
PO = プレイヤーオプション
TO = チームオプション
NG = 無保証
UFA = 無制限FA
RFA = 制限つきFA
レイカーズのNBAドラフト2024の指名権
レイカーズの2024年のドラフト1巡目指名権はニューオーリンズ・ペリカンズが持つが、2025年に先送りするオプションがある。強力な有望株が少ないとされるドラフトで、ロッタリーピックの下位ないしロッタリーピック外になる見込みから、2024年の1巡目指名権はレイカーズのままとなるかもしれない。
レイカーズにはロサンゼルス・クリッパーズ経由の2巡目指名権もある。
原文:Lakers eliminated from playoffs: All eyes on LeBron James' free agency as LA falls to Nuggets in 2024(抄訳)
翻訳:坂東実藍