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トレードのラウリーは次にどうなる? 移籍先候補となるチームは?

2024-01-24
読了時間 約3分
(NBAE via Getty Images)

NBAで18年のキャリアを持つカイル・ラウリーが、新たなチームに向かうことになった。

マイアミ・ヒートで2シーズン半を過ごしたラウリーは1月23日(日本時間24日)、テリー・ロジアーと引き換えにシャーロット・ホーネッツへトレードされた。ラウリーはこれまでメンフィス・グリズリーズ、ヒューストン・ロケッツ、トロント・ラプターズに在籍。ラプターズでは優勝し、球団史上最高の選手となった。

2021年にヒートに加入したラウリーは、2022年のNBAファイナルまであと1勝だったヒートに貢献。翌シーズンはNBAファイナル2023進出まで重要な役割を担った。3月で38歳になるラウリーは、キャリア終盤にもう一度優勝を競おうと目指している。ホーネッツには与えられない機会だ。

それを踏また上で、ラウリーを次に待つのはどんなチームだろうか。移籍先の候補として数チームがあがる。

ホーネッツはカイル・ラウリーをバイアウトする?

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、ホーネッツにはただちにラウリーの契約をバイアウトする計画はない。2月8日(同9日)のトレードデッドライン(トレード期限)までのトレードを狙うという。

この報道に基づくと、少なくともホーネッツ加入後のラウリーを待つのはトレードになるだろうというのが現状だ。ホーネッツがどことトレードすることにしても、それからラウリーがバイアウトを交渉するか、その移籍先に落ち着くことになる。

(NBAE via Getty Images)

なぜサンズ、バックス、クリッパーズはラウリーと契約できない?

ESPNのボビー・マークス記者が報じたように、ホーネッツからバイアウトされた場合、ラウリーはラグジュアリータックス(ぜいたく税)のファーストエプロン、セカンドエプロンを上回っているチームと契約することができない。

マークス記者がリストアップしたのは、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ボストン・セルティックス、フェニックス・サンズ、ミルウォーキー・バックス、ヒート、そしてデンバー・ナゲッツだ。これらの球団は、レギュラーシーズン中にウェイブ(保有権放棄)された年俸1240万ドル(約18億3520万円/1ドル=148円換算)超の選手と契約することができない。2023-2024シーズンのラウリーの年俸は2970万ドル(約43億9560万円)だ。

前述のチームも、ラウリーを獲得することはできる。だが、そのためにはトレードか、ラグジュアリータックスの基準額を下回る方法を見つけなければならない。

カイル・ラウリーの移籍先候補

フィラデルフィア・76ers

76ersの現状はいくつかの条件を満たしている。まず何より、ラウリーは北フィラデルフィアの出身だ。キャリアを通じて誇り高く地元を代表してきた。

ニック・ナース・ヘッドコーチともラプターズで8シーズンにわたって一緒に仕事しており、2019年には優勝の喜びを分かち合った。そして最も重要なのは、イースタン・カンファレンスの優勝候補に加わることで、自分をトレードしたチームと直接競えるということだ。

ジェームズ・ハーデンをトレードで放出して以降、76ersはリードガードをタイリース・マクシー、ディアンソニー・メルトン、パトリック・ベバリーで回している。多くの出場時間を得る余地はないかもしれないが、ラウリーにはセカンドユニットをけん引する役割があるかもしれない。

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ロサンゼルス・レイカーズ

2020-2021シーズン途中にラウリーに関するトレードの話題で名前があがったレイカーズだが、当時は最終的に実現していない。

レイカーズは全般的に月並みなシーズンとなっており、手遅れになる前に好転させるための衝撃を求めているベテランのチームだ。一方でラウリーは競う機会を求めている。そしてレイカーズはゲイブ・ビンセントの負傷離脱が続き、貢献できていないため、ガードのショット力やプレイメークの能力を必要としている。

今季のラウリーの3ポイントショット成功率は38.5%だ。レイカーズがどれほど強く求めるかによるが、トレードやバイアウトからの契約の道はある。

ミネソタ・ティンバーウルブズ

ウルブズはタイトルを競うだけのチームで、バイアウトされればラウリーと契約する余地がある。

今季のウルブズはリーグを驚かせているが、ベテランのリーダーシップや優勝のDNAがチームにあれば役立つと示した機会が少なくない。先発ポイントガードはマイク・コンリーで、バックアッパーがジョーダン・マグラクリン。そのため、ラウリーが加入し、リードガードの責任を負うかもしれない。

ラウリーはクリス・フィンチHCもある程度知っている。指揮官が2020-2021シーズン前半にラプターズのアシスタントコーチを務めていたからだ。グリズリーズで一緒にキャリアを始めたコンリーとラウリーが再び一緒になる機会でもある。逆に言えば、彼らはNBA最年長クラスの2選手であり、ウルブズはもっと若い選手をバックコートに加えたいと望んでいるかもしれない。

(NBAE via Getty Images)

トロント・ラプターズ

今季のラプターズはタイトル争いからほど遠い。だが、ロッカールームのリーダーとしてラウリーがいれば、長期的には大きな恩恵となるだろう。スコッティー・バーンズやRJ・バレット、イマニュエル・クイックリーなど、ラプターズの次世代の選手たちに計り知れない影響を及ぼすかもしれない。

あり得なさそうかもしれないが、いつか自分の背番号を永久欠番とする球団のために、キャリアの終わりに復帰する可能性はある。そうなれば、NBAキャリアの最後にザック・ラビーン、カール・アンソニー・タウンズ、アンドリュー・ウィギンズと一緒にウルブズのジャージーを纏ったケビン・ガーネットにとても似ている。

ラウリーはラプターズの一員として引退する計画を明言している。

サンアントニオ・スパーズ

チームUSA(アメリカ代表)での過去から、ラウリーとスパーズのグレッグ・ポポビッチHCは互いを知っている。優勝するチャンスはないが、ビクター・ウェンバンヤマと一緒にプレイするという唯一無二の機会だ。

スパーズにはダグ・マクダーモットやデボンテ・グラハムなど、ラウリーと引き換えに提示できる明確な道がある。実現すればグラハムはキャリアを始めた古巣に復帰となる。

原文:What's next for Kyle Lowry? Latest buyout and trade updates, plus landing spots after deal from Heat to Hornets(抄訳)
翻訳:坂東実藍