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セルティックスがマーベリックスとのNBAファイナルを締めくくるのにクリスタプス・ポルジンギスが必要な理由

2024-06-11
読了時間 約2分
(NBA Entertainment)

クリスタプス・ポルジンギスは全力でNBAファイナル2024第3戦に臨めるのか。これは、これから数日の大きな話題となるだろう。

ポルジンギスは第2戦の第4クォーター途中に足をひねったようだ。残り5分を切って交代でベンチに下がった。試合後、負傷したことが認められている。

6月12日(日本時間13日)の第3戦出場について、ポルジンギスは「ちょっとしたことがあったのは明らかだけど、数日ある」と自信をのぞかせた。

「チームに必要なら、僕はそこで死んでもいい」

ダラス・マーベリックスの元エグゼクティブは、ポルジンギスのひざを時限爆弾と表現した。ポルジンギスの過去の負傷を考えれば、今後の出場が制限される可能性は常にある。そしてそれはボストン・セルティックスにとって大きなトラブルとなり得るだろう。

ポルジンギスが離脱していたこれまでのラウンドで、セルティックスは最大限の出来を大きく下回っていた。彼は非常に重要な存在だったのだ。NBAファイナルでのプラスマイナス(出場時のチームの得失点差)は+25。ジェイソン・テイタムと並んでチーム2位の数字だ。

ここでは、今後のシリーズでポルジンギスが万全でなかった場合にセルティックスがトラブルに陥るかもしれない理由をまとめる。

クリスタプス・ポルジンギス次第でセルティックスは違うチーム

ポルジンギス不在でマーベリックスの守備は大きく向上

セルティックスは最初の2試合でドライブが非常に成功していた。ルカ・ドンチッチに守らせず、ファイナルでのリム付近でのショット率は83.3%という数字だ。

これは、マーベリックスの対戦相手としては極めて大きな数字だ。これまでの2ラウンドで、ミネソタ・ティンバーウルブズは64.5%、オクラホマシティ・サンダーは64.7%だった。

セルティックスのレイアップが成功している理由は、デレック・ライブリー二世とダニエル・ギャフォードの力が抑えられているからだ。ポルジンギスが危険なシューターであるがゆえに、彼らがペイントの外に引き出されたのである。

例えば、ここではドリュー・ホリデーがPJ・ワシントンを相手にやすやすとレイアップを決めた。第2戦のホリデーはペイント内からフィールドゴール9本中9本成功を記録している。

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マーベリックスがファイナルまで勝ち進んできたのは、リムプロテクションが強かったからだ。これまでのシリーズでは、少なくともひとりは3ポイントショットが得意でないシューターがいた。そのため、リムプロテクターたちがペイント内に気を配れたのだ。

ポルジンギスがいなくなれば、ルーク・コーネットが再びローテーション入りしなければいけないだろう。その場合、マーベリックスは再びビッグマンを下げ、これまでのラウンドのようにエリート級の守備を取り戻すはずだ。アル・ホーフォードも良いシューターだが、ポルジンギスのレベルではない。彼の出場時間が増えるほど、マーベリックスがリムにヘルプを送る自由は増す。

ポルジンギス不在でマーベリックスの守備スキームは多彩に

ポルジンギスはスイッチでマーベリックスを大きく苦しめた。そういったマッチアップで、カイリー・アービングがポルジンギスに対抗できるチャンスはない。ポルジンギスを守るのがより小さい選手になるたび、セルティックスはフリースローライン付近のポストで彼にボールを持たせることを優先した。ポルジンギスの2ポイントショット成功率が76.9%にものぼる大きな理由だ。

ホーフォードはポストでポルジンギスほどの脅威ではない。コーネットも同様だ。マーベリックスは彼らの攻撃に耐えられるだろう。

また、ポルジンギスにはゾーンを破壊することに関して天性の力がある。マーベリックスがプレイオフ序盤で使っていた2-3のゾーンを避けた主な理由だ。ポルジンギスの状態が良くなければ、マーベリックスがもっとゾーンを使う選択肢につながるかもしれない。

ポルジンギス不在ならマーベリックスはよりイージーに得点可能

最初の2試合でポルジンギスはエリート級のリムプロテクターだった。1試合平均2.5ブロックを記録している。また、7フィート6インチ(約229センチ)のウィングスパンを生かし、パスコースをふさいで、マーベリックスのロブ攻撃を抑えた。セルティックスのロスターに、同じレベルのブロック能力を持つビッグマンはほかにいない。

2試合とも100得点をあげられなかったマーベリックスは、このシリーズで競っていくために攻撃力を高める必要がある。セルティックスはポルジンギスをワシントンかデリック・ジョーンズJr.につけているが、後者はまったく得点をあげられなかった。ジョーンズJr.がリムでポルジンギス相手にした時はうまくいかなかったのだ。

ファイナルでのマーベリックスは平均93.5得点しかあげられていない。守備でリーグトップだったウルブズを相手にした前のラウンドと比べ、17.9得点下回っている。彼らが巻き返すには、攻撃を修正しなければならないだろう。そのマーベリックスが向かっていく相手が、ポルジンギスではなくホーフォードとコーネットが相手になれば、大いに役立つはずだ。

原文:Kristaps Porzingis injury: Why the Celtics need big man in order to close out series against Mavericks(抄訳)
翻訳:坂東実藍