ゴールデンステイト・ウォリアーズがユタ・ジャズに140-137で勝利した2月15日(日本時間16日)の試合では、ウォリアーズのスターティングラインナップにおなじみの顔がなかった。
34歳のクレイ・トンプソンがベンチスタートになったのだ。トンプソンの連続先発出場記録は699試合で止まった。キャリアを通じてウォリアーズでプレイしてきたトンプソンが、リザーブを務めたのは、ルーキーイヤーの2011-2012シーズン以来のことだ。
代わって先発出場したのは、新人ブランディン・ポジェムスキー。20歳のルーキーはバックコートでステフィン・カリーと組み、13得点、8アシスト、6リバウンドを記録して勝利に貢献した。
ポジェムスキーは限られた出場時間で平均9.85得点、5.8リバウンド、3.8アシストと見事な活躍を見せてきた。そしてジャズ戦の前には、ロサンゼルス・クリッパーズに敗れた試合で25得点をマークしている。
しかし、ジャズ戦でトンプソンはポジェムスキーを上回った。ベンチスタートから28分間の出場でチーム最多の35得点をあげたのだ。さらに6リバウンド、2アシストも記録した。
ここでは、スティーブ・カー・ヘッドコーチがトンプソンをベンチスタートにした理由や、今後のトンプソンとウォリアーズについてまとめる。
なぜウォリアーズはクレイ・トンプソンをベンチスタートに?
2023-2024シーズンのトンプソンは調子を上げることができていない。ジャズ戦では見事なパフォーマンスを見せたが、今季は1試合平均17.0得点だ。フィールドゴール成功率は41.0%にとどまり、3ポイントショット成功率は36.5%。通算平均の45.3%と41.3%を下回っている。
ウォリアーズがクリッパーズに125-130で敗れた試合では、FG14本中4本成功にとどまったトンプソンの不調が大きく響いた。試合終盤には、ラッセル・ウェストブルックに対して不可解に意図的なファウルをし、カーHCを明らかに怒らせている。
カーHCは「ファウルは望んでいなかったよ」と話した。
「残り38秒で3点ビハインドだった。だから、守って、戦い抜き、リバウンドを拾ってワンポゼッションゲームにしようとするのが当然だ」
ポジェムスキーの活躍と対照的だったことで、年齢やケガの厳しさが身体能力を徐々に弱めているという、悪化するばかりのトンプソンの苦悩は浮き彫りとなった。
そしてジャズ戦で、トンプソンは健康な状態ではルーキーシーズンの2012年3月11日(同12日)以来となるベンチスタートとなったのだ。
ポジェムスキーをスターティングラインナップに含めたのは、若手の中心選手をもっとうまく活用しようというカーHCの狙いだろう。ウェスタン・カンファレンスの10位につけ、継続性を必要としているウォリアーズにとっては重要なクオリティーだ。
トンプソンは自分のプレイの衰えに対するフラストレーションを認めている。
ブルックリン・ネッツに勝利した2月5日(同6日)の試合で終盤にベンチに下げられたトンプソンは、「ベストのひとりでなくなるというのは、誰にとってもつらいことだ」と話した。
トンプソンは「受け入れたよ」と述べている。
「怒ってもおかしくないかもしれないが、僕は怒らない。彼ら若手のことをうれしく思うのは当然だ」
原文:Klay Thompson explodes for 35 points off bench: Why did Steve Kerr remove Warriors star from starting lineup?(抄訳)
翻訳:坂東実藍