デュラント擁するネッツはバックスやセルティックスにとって東地区最大の脅威

2023-01-06
読了時間 約3分
(NBAE via Getty Images)

油断してはいけない。ブルックリン・ネッツがすぐそこまで迫ってきている。

2か月ほど前のネッツの状況は殺伐としていた。11月15日(日本時間16日)にサクラメント・キングスに153得点を与えて敗れた時点でネッツは6勝9敗で、手遅れになる前に状況を好転させる答えを必死に探していた。それ以来、ネッツはNBAで最もホットなチームとなり、12連勝を果たして一気にイースタン・カンファレンスの上位に浮上している。

▶あなたは何問正解できる? 究極のスポーツクイズに挑戦しよう

一時は東地区の優勝争いはボストン・セルティックスとミルウォーキー・バックスのみに絞られるかと思われたが、ここ最近の躍進でネッツもその話題にのぼるようになり、今のネッツがこのまま好調を維持する可能性を示すサインがいくつかある。

「俺はケビン・デュラントだ」

2019年のNBAプレイオフでデュラントが言った伝説的なこの言葉を引用するのは適切なタイミングだろう。あれから4年近く経った今も、それは当時と変わらぬ真実だ。

浮き沈みのあるネッツにおいて、デュラントのプレイだけは唯一不変のものだった。とにかく見事の一言に尽きる。

NBA15年目のシーズンを迎えた34歳のデュラントは、1試合平均29.9得点、フィールドゴール成功率56.8%、3ポイントショット成功率36.9%、フリースロー成功率93.3%をあげている。ネッツの連勝期間中のデュラントは、1試合平均29得点で、59.2-40.7-96.9を記録している。

つまり、KDはほとんどミスをしないということだ。

非常に効率的なオフェンスに加えて、デュラントはその長さを使って混乱を引き起こし、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチとマッチアップしたときのように、ほかのスター選手を守るチャレンジを引き受けるなど、ディフェンスでもさまざまな貢献をしている。

デュラントのこれまでの素晴らしいキャリアを考慮しても、今シーズンは彼にとって最高のバスケットボールをしていると言えるだろう。

バックスとセルティックスを見てみると、それぞれのチームにはヤニス・アデトクンボとジェイソン・テイタムというMVP候補がいる。ネッツには、デュラントというMVP候補がいるだけでなく、プレイオフでの熱戦の中でチームを勝利に導くことができる選手、つまりどのチャンピオンチームにも必要な選手が存在する。

カイリー・アービングの復帰

ネッツの躍進が、シーズン序盤のチームによる出場停止処分からアービングが戦列に復帰したことと重なるのは偶然ではない。事実、ネッツはアービングの復帰後の最初の20試合で17勝3敗の成績を残している。

デュラントと同様、アービングは高い確率で、しかも効率的に得点している。11月20日(同21日)にラインナップに戻って以来、アービングは1試合平均25.9得点、FG成功率51.5%、3P成功率40.8%、FT成功率90.1%を記録している。デュラントの活躍を考えると、アービングは厳密にはチームのセカンドオプションなのだが、これはセカンドオプションの数字ではない。

Scroll to Continue with Content

その攻撃をどう止めるのか。

チームを勝利に導くことができる選手が必要であると同時に、ビッグショットを怖がらない選手が必要だ。デュラントとアービングを擁するネッツには、その点で最高の選手が2人も存在する。

ラインアップに入ったり外れたりと混乱した1年を過ごしたアービングは、再びフルタイムで出場し、チームメイトとともに明らかに自分のリズムを掴んでいる。それは今後長く続くことだろう。

ジャック・ボーン効果

もうそろそろ功績を認めよう—コーチングは非常に重要だ。ボーン・ヘッドコーチがこのグループとユニークな関係を築き上げてきたことは、どれだけ誇張してもし過ぎることはない。

まだ 『暫定』コーチのレッテルを貼られたままだった頃、ボーンHCは信頼を何よりも大切にしていることを明言した。コーチと選手、選手同士の信頼関係も、優勝のための重要な要素だ。

その信頼関係は、プレッシャーのかかる場面では特に重要になる。

アービングが放った素晴らしい決勝弾は驚嘆に値するが、あのプレイがどのように生まれたかを正確に知ることも大事だ。

ボーンHCの選手たちとの絆は、まさにネッツが2020年にディズニーワールドで開催された『バブル』に出場した際に、彼がロッカールームを指揮することができた経験に基づいている。そのときと同じ方法が数年後に機能しているのだ。

チームケミストリーの向上が、ネッツのディフェンスを向上させる鍵になっている。ネッツの層の厚さは、チームがローテーション上のすべての選手から最大限の力を引き出していることで強みになっている。

コーチングは、上記の各コンセプトに直接影響する。

デュラントやアービングとのつながりに加え、ボーンHCはニック・クラクストンの能力を最大限に引き出し、渡辺雄太のブレイクを後押しし、怪我による長期離脱から復帰したジョー・ハリス、ベン・シモンズ、TJ・ウォレンを親交を深めている。

ネッツにはスターパワーが揃い、適切に指導され、この82試合の間にアイデンティティを確立しつつある。ネッツはここから、東地区の優勝争いに乱入する準備ができているのだ。

原文:Kevin Durant's Nets looking like Eastern Conference's greatest threat to Bucks, Celtics
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

▶スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう