カワイ・レナード&ジョエル・エンビードがパリ五輪に向け負傷の懸念を払しょく

2024-07-10
読了時間 約2分
(NBA Entertainment)

目標はオリンピックで足を引きずるのではなく、堂々とメダルを獲得することだ。その意味で、アメリカ代表には対応が必要な2選手がいる。カワイ・レナードとジョエル・エンビードである。

7月9日(日本時間10日)に4日間のキャンプを締めくくり、最も重要な目標は達成された。エンビードとレナードが、フィジカルの問題や懸念を示さなかったのだ。特にレナードは、ケガのためにNBAの2023-2024シーズンを最後まで終えることができていなかった。

両選手のもろさを考えれば、アメリカ代表だけでなく、フィラデルフィア・76ersとロサンゼルス・クリッパーズにとって重要なことだ。実際、アメリカ代表関係者は先月、特にレナードがケガの問題を抱えるか、出場時間の制限を求めるかもしれないと懸念を示した。

10日(同11日)にカナダ代表との強化試合に臨むアメリカ代表にとっての朗報は、ニュースがないことだった。(ふくらはぎの軽い痛みを抱えているケビン・デュラントと違い)エンビードとレナードはともに練習やスクリメージに完全に参加している。どちらの選手も、それぞれの所属チームも、スティーブ・カー・ヘッドコーチに出場時間の制限を求めていない。

エンビードは「子どものころからこの瞬間を夢に見てきたんだ。オリンピックのメンバーになることをね。オリンピックを見て育ったんだよ」と話した。

レナードは「常に才能ある選手たちと一緒にいたいと、彼らから学び、彼らと勝ちたいと思っていた。夢だったんだ」と述べている。

これまでケガに代表選考を阻まれてきたレナードは、2024年のメンバー入りを喜び、光栄に感じていた。昨季のNBAでは2016-2017シーズン以来最多となる68試合に出場。平均34分間プレイしている。バック・トゥ・バック(2日連続試合)もこなした。しかし、ポストシーズンが始まって2試合で、修復したひざの腫れに悩まされた。

レナードにはケガの歴史がある。夏に練習や試合を重ねることは、そういった選手にとって問題になると思われる。だがレナードは、用心しつつ、リフレッシュし、できるだけ若返っていると話した。

レナードは「準備はできている。ここまではすべてが良かった。今はプレイしている。だから幸せだよ。そのままでいられるように願っている」と述べた。

だが、夏の間は肉体的にすべてが適切でなければならない。アメリカ代表での居場所は保証されていなかった。レナードは毎日治療を受けてキャンプを迎えたのだ。直近のケガを受け、当初はオリンピック出場を疑ったか問われると、レナードは「イエス」と答えている。

「でも、時間をかけたんだ。この2週間で好転させることができた」

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レナードは「完璧な脚本を書くことはできない」と述べた。

「昨季はできるだけ出場しようとし、素晴らしい感じだった。それから一定期間はやれなかった。望んだ状況ではなかったけど、それはそれで受け止めなければいけない」

「僕は(ケガをしている)多くの人たちのモチベーションになる。だから、自分がやっていることを続けなければならない。最もケガで有名なのは僕かもしれないから、僕が続けられればそれは次の人のモチベーションになる。だから、やれなくなるまで続けるよ。とにかく地道に続けるだけだ」

クリッパーズの指揮官でアメリカ代表のアシスタントコーチを務めるタロン・ルーは、「(キャンプまで)彼はすべてが良い感じだった」と話している。

「今の彼は良い動きをしている。だから、彼が良い感触なのはうれしいよ。彼がそのまま続け、シーズンが始まる時に100%でいられることを願う」

エンビードのケガの歴史は、レナードほどではない。だが、その代償が大きかったことは同じだ。昨季のエンビードはひざの問題で39試合出場にとどまった。その間は平均出場時間を上回る平均得点(34.7)をあげていたが、ポストシーズンの個人賞の資格を得られるだけ出場できなかった。

プレイオフでは平均41分間の出場で、ニューヨーク・ニックスとのファーストラウンドで50得点をあげた試合もある。だが、その激しさの中でひざにプレッシャーをかけながらの奮闘だった。

それだけに、レナード同様、エンビードがオリンピックを回避する可能性もあった。しかし、エンビードは「ケガを心配することはなかった。気にしたら、自分が同じではなくなると感じるからだ。何かあるなら、それはそうなるものだったんだと考える。だから流れに身を任せるのみだ」と話している。

「僕にとってオリンピックはずっと目標だった。逃すことのできないチャンスだったんだ。それに大きなリスクはないと思う」

アメリカにとっては重要なことだ。昨年のワールドカップでは、実績あるタレントがバム・アデバヨしかおらず、サイズが大きな問題となったからである。エンビードは「みんな知っているように、僕にフィジカルで勝負するのは大変だよ」と話した。

「僕たちには十分なサイズがある。そしてシューターたちもおり、あちこちにタレントがいる。ポストでボールをもらうのに興奮するよ。普段はボールに触れるたびにダブルチームされるからね。だからマークがひとりなのを見るのは楽しいだろう」

原文:Kawhi Leonard, Joel Embiid brush aside injury concerns, all-in for 2024 Olympics(抄訳)
翻訳:坂東実藍