NBAは4月17日（日本時間18日）、トロント・ラプターズと2ウェイ契約を結んでいたジョンテイ・ポーターを、NBAから永久追放処分とすることを発表した。リーグの調査で、ポーターはスポーツベッターに機密情報を明かし、ベッティング目的で1試合ないし複数試合における自身の出場を制限して、NBAの試合に賭けるなど、リーグの規則に違反したことが判明した。
リーグの調査によれば、3月20日（同21日）のラプターズの試合前に、ポーターは自身の健康状態に関する機密情報を、NBAベッターと知っていた人物に明かした。その後、NBAベッターであることをポーターが知っていた別の知人が、オンラインのスポーツギャンブルで、ポーターの不出来に8万ドル（約1232万円／1ドル＝154円換算）を賭け、110万ドル（約1億6940万円）を手にした。
また、リーグの調査で、ポーターはラプターズの少なくとも1試合において、自分のパフォーマンスを巡るひとつ、ないし複数のベッティングの結果に影響するため、自身の試合出場を制限していたことが分かった。3月20日（同21日）の試合で、ポーターは体調不良を訴え、3分しかプレイしていない。異常なベッティング活動と選手の行為のため、8万ドル（約1232万円）の賭けは凍結され、支払われなかった。
さらに、2024年1月から3月にかけ、ラプターズないしGリーグ傘下ラプターズ905の遠征中、ポーターは仲間のオンラインベッティングアカウントを使用し、NBAの試合に関して少なくとも13のベッティングを行った。賭けた額は15ドル（約2300円）から2万2000ドル（約339万円）で、合計5万4094ドル（約833万円）。支払い総額は7万6059ドル（約1171万円）で、2万1965ドル（約338万円）のもうけとなった。いずれの試合もポーターは出場していない。うち3つは複数の試合に関するベッティングで、ラプターズの1試合が含まれており、ポーターはラプターズの負けに賭けていた。これら3つのベッティングでポーターはいずれも負けている。
これらの調査結果は、現時点でリーグが入手可能な情報に基づいている。リーグの調査は継続しており、さらなる結果が出る可能性もある。NBAはこの件に関する情報を連邦検察と共有しており、今後も共有していく。
NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、「ファン、チーム、我々のスポーツに関わるすべての人のために、NBAの競争の品位を保護する以上に重要なことはありません。だからこそ、ジョンテイ・ポーターのあからさまな競技規則違反に対し、最も厳しい処分で対応します。合法のスポーツベッティングは異常ないし疑わしい活動の特定に役立つ透明性をつくり出しています。一方で、この件は、試合や選手を巡るベッティングの種類を含め、現状の規制の枠組みが十分かどうかの重要な問題も提起しています。業界全体のステークホルダーと密に連携しつつ、リーグと試合を守るために、引き続き真摯に取り組んでいきます」と話した。
原文：Jontay Porter banned from NBA for violating league's gaming rules（抄訳）
翻訳：坂東実藍