2024年のパリオリンピックでは、もうひとりのNBAのMVP選手がアメリカ代表のジャージーを纏うことになるようだ。
『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者によると、フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードが、オリンピックで5大会連続の金メダルを目指すアメリカ代表の一員として大会に出場する意向を伝えたという。アメリカはフェニックス・サンズのケビン・デュラントも先日、報道陣に「来年はオリンピックに出る」と話したばかりだ。
エンビードが開催国のフランスや、まだオリンピック出場権を得てはいないが、自身が生まれたカメルーンではなく、アメリカ代表を選んだのは、スティーブ・カー・ヘッドコーチが率いるアメリカにとって大きなことだ。
なぜ、エンビードはアメリカ代表を選んだのか? その決断の理由をここで見ていこう。
なぜジョエル・エンビードはアメリカ代表でのオリンピック出場を選んだのか
シェルバーン記者によると、ステフィン・カリーやレブロン・ジェームズといったNBAの他のスーパースターたちの熱意が、エンビードをアメリカ代表に向かわせたという。
MVP経験者たちと一緒にプレイする機会だけではない。シェルバーン記者は、2020年にアメリカ市民として生まれた3歳の息子アーサーくんの前でプレイする機会にもエンビードがモチベーションを感じていると報じた。
アメリカが最も必要としているのは、インサイドの支配的な存在感だ。エンビードはそれをすぐにもたらしてくれる。NBAでは2シーズン連続で得点王に輝いており、昨季は平均33.1得点、10.2リバウンド、4.2アシストを記録。オールNBAファーストチームに選ばれ、MVPを受賞した。
報道によれば、エンビードは自身のアメリカ代表入りに熱心だったマネジングディレクターのグラント・ヒルに意向を伝えたという。
アメリカ代表はエンビードとデュラントの出場が最も濃厚で、予期せぬ事態がなければ、カリー、ジェームズ、デビン・ブッカーも加わる見込みだ。
なぜジョエル・エンビードはアメリカ代表でオリンピックに出場できる?
エンビードは2022年9月にアメリカ市民となった。
2022年、エンビードはアメリカ市民権取得について、「長くここにいるからね」と話している。
「息子はアメリカ人だ。ここに住んでおり、アメリカ人になれるのはありがたいと思っている。だから、もちろんだ」
エンビードは1994年3月16日にカメルーンのヤウンデで生まれた。16歳の時にアメリカへ移住し、フロリダの2つの高校に通って、フロリダ州ゲインズビルのロック・スクールを卒業。カンザス大学に進学した。
現在29歳のエンビードは、人生の半分近くをアメリカで過ごしている。
パリオリンピック2024のアメリカ代表メンバーは?
デュラントとエンビードが濃厚なのに加え、ブッカー、カリー、ジェームズも意欲を示している。これらの5人のほかにも、マイアミ・ヒートのバム・アデバヨやボストン・セルティックスのジェイソン・テイタムも、招待されればアメリカを代表すると認めた。
出場に意欲的な選手たちを鑑みて、スターティングラインナップはこのようになるかもしれない。
- ガード:ステフィン・カリー
- ガード:デビン・ブッカー
- フォワード:レブロン・ジェームズ
- フォワード:ケビン・デュラント
- センター:ジョエル・エンビード
- ベンチ:バム・アデバヨ
- ベンチ:ジェイソン・テイタム
2024年夏に39歳になっていることから、ジェームズがセカンドユニットになり、全盛期を迎えているテイタムのような選手がスターティングラインナップ入りするかもしれない。
言うまでもなく、多くのタレントからオリンピックのメンバーを選ぶ際に、カーHCはうれしい悩みを抱えることになるだろう。
原文:Who will Joel Embiid play for in the Olympics? Why 76ers star chose Team USA over France, Cameroon(抄訳)