4月20日(日本時間21日)に行われたイースタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンド、フィラデルフィア・76ers対ブルックリン・ネッツの第3戦では、様々なことがあった。
カオスはすぐに始まった。開始3分と経たずしても、76ersのジョエル・エンビードとネッツのニック・クラクストンがやり合ったのだ。クラクストンがエンビードの上からアリウープダンクを決めると、その後エンビードをまたごうとする。これをよく思わなかったエンビードは、クラクストンのそけい部付近を蹴った。
エンビードはフレイグラントファウル2の判定で退場になるかと思われたが、コールはフレイグラントファウル1。一方、クラクストンはテクニカルファウルと判定された。
退場となったのはジェームズ・ハーデンだ。後半、ペリメーターでロイス・オニールからタイトにマークされたハーデンは、オニールを押しやった際にそけい部付近を叩いた。エンビードよりも意図的でないと思われる動きだったが、判定はフレイグラントファウル2でハーデンに退場が命じられる。
議論を呼んだ出来事は、まだ終わらない。第4クォーターにクラクストンがエンビード相手にダンクを見舞ってリベンジ。エンビードを煽ったクラクストンは、テクニカルファウルの笛を吹かれる。この試合2度目のテクニカルファウルだったため、クラクストンは退場となった。
つまり、フレイグラントファウル1が1回、フレイグラントファウル2が1回、そしてテクニカルファウルが2回と、審判団にとっては忙しい一戦となったのだ。
試合は76ersのタイリース・マクシーが第4Qに活躍し、76ersが逆転勝利。ネッツとのシリーズで3連勝とした。だが、判定のことから、満足してニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターを後にした者はいない。
試合後の各選手のコメントを振り返ろう。
ジョエル・エンビード(フレイグラントファウル1)
クラクストンを蹴って退場になると思ったか問われると、エンビードは「覚えていない」と答えた。
「さっきも言ったけど、僕らは3勝0敗としたんだ。前進しよう。ああいうファイトの後で試合を振り返るのは少し時間が必要だよ。映像を見直し、チームや僕がもっとうまくやれるところを見なければいけない。とにかく勝ったことに満足しているよ」
ジェームズ・ハーデン(フレイグラントファウル2で退場)
ハーデンは退場となった判定に納得せず、自分がダーティーな選手でないことは歴史が示していると訴えた。
「フレイグラントファウル2は受け入れられないよ。退場になったのは初めてだ。僕にはダーティーな選手というレッテルなんて貼られていない。彼のプライベートエリアを叩いたりはしていないよ。ああやって覆いかぶさって守られた時のバスケットボールの自然なリアクションだ。あんな風に倒れるほど強く当たってはいない。でも、フレイグラントファウル2は受け入れられないよ。プレイオフの試合なんだ」
ジャック・ボーン(ネッツ指揮官)
ネッツのジャック・ボーン・ヘッドコーチは、エンビードに対する判定について自身の考えを隠さなかった。
「誰だって蹴られたくないところを、その付近を意図的に蹴ったのに、プレイを続けられるなんて、これまで試合で見たことがないよ」
ニック・クラクストン(テクニカルファウル2回で退場)
意外にも、クラクストンは2回目のテクニカルファウルで自身を退場した審判の決定に同意した。
「見てみたら、ちょっとやりすぎだった。自分の感情を抑えなければいけない。チームは僕がコートにいることを必要としているんだ。これも成長の一部だよ。試合中で本当に感情が高ぶるああいう場面で、とにかく冷静さを保つことだ」
原文:Joel Embiid, James Harden and Nic Claxton react to controversial officiating in 76ers-Nets Game 3(抄訳)