ボストン・セルティックスのジェイソン・テイタムは、追い詰められた時の良いパフォーマンスの見せ方を知っている。
セルティックスでの6シーズンで毎年NBAプレイオフに進出してきたテイタムは、一般的な25歳の選手よりもはるかにポストシーズンの経験を積んでいる。セルティックスが史上初のシリーズ0勝3敗からの逆転を目指す中、テイタムはその経験を生かそうとするだろう。
これまでのプレイオフでのキャリアで、テイタムは負ければ敗退が決まるエリミネーションゲームを16回経験している。すでに見事な記録を残しているが、セルティックスが2年連続のNBAファイナル進出を実現したいのであれば、テイタムはさらにあと1勝を加えなければならない。
テイタムの経験は、不可能と思われることを成し遂げようとしているセルティックスを後押しするかもしれない。
エリミネーションゲームでのジェイソン・テイタムの成績
今季のイースタン・カンファレンス・ファイナル第6戦を含め、テイタムはこれまでに16試合のエリミネーションゲームを戦ってきた。
戦績は11勝5敗で、2023年は5勝0敗と完璧な成績だ。
同一シーズンのプレイオフでエリミネーションゲーム5勝は、セルティックスの球団最多記録となる。
ジェイソン・テイタムのエリミネーションゲームの歴史
記録が示すように、テイタムはチームのシーズンがかかった試合を戦うことに慣れている。多くのエリミネーションゲームを戦っており、2018年以降に6回の第7戦を経験してきた。
ここ2シーズンはいずれもカンファレンス・セミファイナルで2勝3敗となったが、いずれも2連勝を飾ってシリーズを制している。また、さらに印象的なのは、どちらも第6戦がロードでの試合だったことだ。
ここ2シーズン、セルティックスはロードでのエリミネーションゲームで5勝0敗という成績を残している。
テイタムとセルティックスのエリミネーションゲーム戦績(太字は勝利)
シリーズ | 試合 | 結果 |
2018年 1回戦 | 第7戦 | セルティックス 112-96 バックス |
2018年 東地区決勝 | 第7戦 | キャバリアーズ 87-79 セルティックス |
2019年 東地区準決勝 | 第5戦 | バックス 116-91 セルティックス |
2020年 東地区準決勝 | 第7戦 | セルティックス 92-87 ラプターズ |
2020年 東地区決勝 | 第5戦 | セルティックス 121-108 ヒート |
2020年 東地区決勝 | 第6戦 | ヒート 125-113 セルティックス |
2021年 1回戦 | 第5戦 | ネッツ 123-109 セルティックス |
2022年 東地区準決勝 | 第6戦 | セルティックス 108-95 バックス |
2022年 東地区準決勝 | 第7戦 | セルティックス 109-81 バックス |
2022年 東地区決勝 | 第7戦 | セルティックス 100-96 ヒート |
2022年 NBAファイナル | 第6戦 | ウォリアーズ 103-90 セルティックス |
2023年 東地区準決勝 | 第6戦 | セルティックス 95-86 76ers |
2023年 東地区準決勝 | 第7戦 | セルティックス 112-88 76ers |
2023年 東地区決勝 | 第4戦 | セルティックス 116-99 ヒート |
2023年 東地区決勝 | 第5戦 | セルティックス 110-97 ヒート |
2023年 東地区決勝 | 第6戦 | セルティックス 104-103 ヒート |
2023年 東地区決勝 | 第7戦 | ? |
ジェイソン・テイタムのエリミネーションゲームでのスタッツ
負ければ終わりという状況で、テイタムは何度か象徴的なパフォーマンスを見せてきた。そのひとつは、NBAの歴史を塗り替えている。
シリーズ | 試合 | テイタム成績 | 結果 |
2018年 1回戦 | 第7戦 | 20得点、6リバウンド、5アシスト | 112-96(勝) |
2018年 東地区決勝 | 第7戦 | 24得点、7リバウンド、1アシスト | 87-79(負) |
2019年 東地区準決勝 | 第5戦 | 14得点、6リバウンド、2アシスト | 116-91(負) |
2020年 東地区準決勝 | 第7戦 | 29得点、12リバウンド、7アシスト | 92-87(勝) |
2020年 東地区決勝 | 第5戦 | 31得点、10リバウンド、6アシスト | 121-108(勝) |
2020年 東地区決勝 | 第6戦 | 24得点、7リバウンド、11アシスト | 125-113,(負) |
2021年 1回戦 | 第5戦 | 32得点、9リバウンド、5アシスト | 123-109(負) |
2022年 東地区準決勝 | 第6戦 | 46得点、9リバウンド、4アシスト | 108-95(勝) |
2022年 東地区準決勝 | 第7戦 | 23得点、6リバウンド、8アシスト | 109-81(勝) |
2022年 東地区決勝 | 第7戦 | 26得点、10リバウンド、6アシスト | 100-96(勝) |
2022年 NBAファイナル | 第6戦 | 13得点、3リバウンド、7アシスト | 103-90(負) |
2023年 東地区準決勝 | 第6戦 | 19得点、9リバウンド、6アシスト | 95-86(勝) |
2023年 東地区準決勝 | 第7戦 | 51得点、13リバウンド、5アシスト | 112-88(勝) |
2023年 東地区決勝 | 第4戦 | 33得点、11リバウンド、7アシスト | 116-99(勝) |
2023年 東地区決勝 | 第5戦 | 21得点、8リバウンド、11アシスト | 110-97(勝) |
2023年 東地区決勝 | 第6戦 | 31得点、12リバウンド、5アシスト | 104-103(勝) |
エリミネーションゲームの16試合で、テイタムは平均27.3得点、8.6リバウンド、6.0アシストを記録している。最も象徴的なのは、ここ2年のポストシーズンだ。2022年の東地区準決勝では、ミルウォーキー・バックスを相手に2勝3敗とされて迎えたロードでの第6戦で46得点をマークした。
今季もテイタムは同様の状況を経験し、フィラデルフィア・76ersとの地区準決勝で2勝3敗とされ、ロードでの第6戦を迎えた。この試合で19得点だったテイタムだが、そのうち16得点は第4クォーターだけで記録している。さらに続く第7戦では51得点をあげ、セルティックスをカンファレンス・ファイナルに導いた。