ジャマール・マレー（デンバー・ナゲッツ）の父親は、幼少期からジャマールを鍛えてきた。NBAファイナル2023の第3戦で、コートとの摩擦でひどいやけどを負ったマレーが、6月8日（日本時間9日）に行われた『ESPN』のマリカ・アンドリューズ記者とのインタビューで父親の極端なトレーニング方法について語っている。
インタビューでマレーは、痛みへの耐性をつけるために父親が大腿四頭筋に熱いお茶を乗せてスクワットをさせたことを明かした。『ESPN』のジャッキー・マクマラン記者の報道によると、そのスクワットは最長で12分にも及んだという。
マレーはまた、手を強くするために冬には素手で葉っぱを拾うことを強いられた。
それらは父親の極端なトレーニング方法のほんの氷山の一角に過ぎない。
ジャマール・マレーの父親とは？
マレーの父親であるロジャー・マレーは、自分のことを「ジャマールの父であり、コーチであり、トレーナーであり、そして友人である」と、デンバー・ポスト紙のニック・コスマイダー記者に対して表現している。
ロジャーはジャマイカ生まれだが、最終的にはカナダのオンタリオ州キッチナーに家族で移住した。ブルース・リーの大ファンだったロジャーは、ジャマールに武術のトレーニングを身につけさせようとした。
ロジャーは、今はジャマールのキャリアの管理と、高校生の弟であるラマーのトレーニングがフルタイムの仕事だと、マクマラン記者に語っている。
ジャマール・マレーの痛みへの耐性訓練とは？
ロジャーは、ジャマールが幼い頃から彼のトレーニングを始めた。3歳でフルサイズのバスケットボールを使い始め、コスマイダー記者が書いているように、ジャマールは6歳でメンタル強化のトレーニングを開始した。7歳のときには30本のフリースローを連続して決めなければならなかった。坂道を駆け上がり、雪の中で腕立て伏せをし、氷の上でドリブルをしなければならなかった。瞑想も毎日行い、そのおかげでプレッシャーのかかる場面で自分を落ち着かせることができたと、マレーは後に話している。
「父は、僕の後ろに立って僕は最低だと言ったりして、とにかく僕の集中力を奪うためになんでもやった」と、マレーは『The Athletic』のジョー・バードン記者に語った。
「父は僕に目を閉じてシュートもさせたりもした。目隠しをしてね。だからこそ、僕はコートであれだけの自信を持っていられるんだ」
デンバー・ポスト紙でアンドリューズ記者が報じている内容によると、ジャマールは大学を卒業するまで携帯電話を持つことを許されなかった。電子レンジもケーブルテレビもなかった。ロジャー曰く、「本当に特別なことを成し遂げたかったら、そういうものすべてを犠牲にしなければならない」からだという。
中には読んでいて不快になるような技法もある。「彼が赤ん坊の頃、父親が彼を笑わせようとすることがあった。彼が笑うと、父親は『笑うんじゃない。コントロールとは何かを理解しろ』と言った」と、アンドリューズ記者は書いている。
ジャマール・マレーが語る父のトレーニング方法
ジャマールは、激しいトレーニングを好んで受け入れていたと主張している。彼はマクマラン記者に対し、「理解してほしいことは、僕はそのトレーニングを愛情と情熱を持ってやったということで…それは僕にとっては仕事ではなかったんだ」と語っている。
ロジャーも自分のやり方を弁明している。
「ジャマールが知られるようになってきたとき、みんな、私たちのことをクレイジーだと思ったんだ」と、ロジャーはマクマラン記者に語った。
「誰もが私たちを疑っていた。私は自分を疑ったことはない。私は他人の話に耳を貸さないんだ。神経が図太いんだよ」
ロジャーにとっては、結果さえよければ手段は選ばないということなのだ。
彼はマクマラン記者にこう言った。
「もしもジャマールが一流選手の1人に成長したら、そのとき、人々はなんと言うだろうね？」
原文：Inside Jamal Murray's pain tolerance drills: How unusual tests helped Nuggets star play through floor burn
翻訳：YOKO B Twitter：@yoko_okc