ニューヨーク・ニックスのジェイレン・ブランソンが、さらなる高みに達した。
2022年のオフシーズンにニックスが4年1億400万ドル(約157億400万円/1ドル=151円換算)でブランソンと契約した時は反発の声もあった。ダラス・マーベリックスでルカ・ドンチッチに次ぐスコアラーとしてキャリアをスタートさせたアンダーサイズのポイントガードにそれだけの額を払うことを、多くの人が疑問視したのだ。
ブランソンは勝てるチームのナンバーワンオプションになれるのか。2シーズンが経ち、この疑問にブランソンは大きく「イエス」だと答えている。
27歳のブランソンはオールスター選出も果たし、イースタン・カンファレンスで有数の成績を収めているニックスをけん引している。3月29日(日本時間30日)のサンアントニオ・スパーズ戦でも、オーバータイムの末にチームは126-130で敗れたが、ブランソンは自己最高のパフォーマンスを披露した。
スパーズ新人ビクター・ウェンバンヤマが自己最多の40得点をあげた試合で、ブランソンはこちらも自己最多となる61得点と爆発したのだ。カーメロ・アンソニーが持つニックスの球団記録まであと1点という数字だった。
ブランソンの歴史的なパフォーマンスを『スポーティングニュース』がまとめる。
スパーズ戦のジェイレン・ブランソン
ブランソンはハーフタイムの時点で21得点だった。3ポイントショット成功はなし、フリースロー成功も4本にとどまっていた。
だが第3クォーター、ブランソンは爆発する。リムに達してペイント内でスパーズを脅かし、ウェンバンヤマを避けて様々なプルアップジャンパーやフェイダウェイショットを沈め、このクォーターだけで24得点をあげたのだ。3Pも4本試投ですべて決めている。
第4Qに突入した時点で45得点と、ブランソンはさらに好調を保たない限り、アンソニーの記録を脅かすことはないかと思われた。
しかし、ブランソンはショットをさらに向上させ、第4Qも得点を量産。クラッチタイムではニックスの8得点のち6得点をあげる。残り2分を切ってウェンバンヤマと互いにやり合う場面もあった。
そしてブランソンが59得点とアンソニーの記録更新まであと3点という状況で、試合はオーバータイムに突入する。
ただ、延長戦でのブランソンは息が切れていた。そして、フィールドゴール5本中1本成功の2得点にとどまった。ニックスは126-130で黒星を喫している。
最終的に、ブランソンは3P13本中5本成功を含むFG47本中25本成功、FT6本中6本成功の61得点で試合を終えた。
アンソニーの記録には及ばなかったが、ニックスの選手が1シーズンに50得点超を複数回達成したのは、2002-2003シーズンアラン・ヒューストン以来となる。
ニックスの1試合最多得点記録
順位 | 選手 | 得点 | シーズン | 対戦相手 | 結果 |
1 | カーメロ・アンソニー | 62 | 2013-14 | ボブキャッツ | 勝(125-96) |
2 | ジェイレン・ブランソン | 61 | 2023-24 | スパーズ | 負(126-130/延長) |
3 | バーナード・キング | 60 | 1984-85 | ネッツ | 負(114-120) |
原文:Jalen Brunson stats vs. Spurs: Knicks All-Star comes one point shy of tying Carmelo Anthony's franchise record(抄訳)
翻訳:坂東実藍