なぜジェイレン・ブランソンは今夏ニックスと延長契約を結んだのか? 1年待てばさらに158億円

2024-07-13
読了時間 約4分
(NBA Entertainment)

辞書で「チームプレイヤー」の定義を調べたら、そこにジェイレン・ブランソンの画像があるかもしれない。

ブランソンは7月12日(日本時間13日)、ニューヨーク・ニックスと4年の延長契約で合意した。2022年にニックスと結んだ4年契約の3年目を迎えるが、2025-2026シーズンのプレイヤーオプションに先んじて新契約となった。

この新契約で特に目を引くのが、NBAでは前例のない合意だ。選手たちができるだけ大金を得ようと勝利を犠牲にする時代に、ブランソンはその逆をいっている。この新契約で彼は1億ドル(約158億円/1ドル=158円換算)以上を手放し、イースタン・カンファレンスで優勝を競うチームをつくれるように、ニックスにサラリーキャップの柔軟性をもたせたのだ。

ブランソンはNBA入りしてから最高のシーズンを終えたところだ。ニックスでの2年目となった2023-2024シーズン、ブランソンは自己最多の平均28.7得点、6.7アシスト、3.6リバウンド、フィールドゴール成功率47.9%、3ポイントショット成功率40.1%を記録し、ニックスを東地区の第2シードに導いた。

ここでは、ブランソンの新契約についてまとめる。

ジェイレン・ブランソンの新契約

エージェントのサム・ローズが『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者に明かしたところによると、ブランソンは4年1億5650万ドル(約247億2700万円)の延長契約を結んだ。

Spotrac』による推定年俸は以下のとおりだ。

シーズン 年齢 年俸
2024-25 28 2496万0001ドル(約39億4368万円)
2025-26 29 3493万3036ドル(約55億1942万円)
2026-27 30 3772万7679ドル(約59億6097万円)
2027-28 31 4052万2321ドル(約64億253万円)
2028-29 32 4331万6964ドル(約68億4408万円)

ブランソンはあと1年待てば、2025年に5年2億6900万ドル(約425億200万円)の延長契約を結ぶことができた。だが、彼は1年早くに合意することで、1億1300万ドル(約178億5400万円)を受け取らなかったのだ。

新たな4年の延長契約は、平均年俸3710万ドル(約58億6180万円)の3年にプレイヤーオプションの4年目がつくかたちだ。ブランソンは2028年か2029年に別の契約で大金を得られる可能性がある。

2025-26シーズンからの新契約で、ニックスはロスター編成のために投じる資金の柔軟性を増すことができるだろう。ニックスはOG・アヌノビーが5年2億1250万ドル(約335億7500万円)のマックス契約を結んだところ。ジュリアス・ランドルの契約は少なくともあと1年、3000万ドル(約47億4000万円)超が残っており、その後彼は延長契約を結ぶことが可能。また、先日獲得したミケル・ブリッジズも、その翌年に延長契約を結べる。

先日ブリッジズをブルックリン・ネッツから獲得したことで、ニックスはブランソン、ジョシュ・ハート、ドンテ・ディビンチェンゾに加え、さらにビラノバ大学出身が再会することになった。彼ら4人は2016年に同大でNCAAトーナメントを制している。

ジェイレン・ブランソンのニックスでのスタッツ

2023-24シーズンのブランソンは、2年目のニックスで球団の顔となった。

  • 1試合平均28.7得点
  • 1試合平均3.6リバウンド
  • 1試合平均6.7アシスト
  • 1試合平均0.9スティール
  • 1試合平均0.2ブロック
  • 1試合平均2.4ターンオーバー
  • フィールドゴール成功率47.9%
  • 3ポイントショット成功率40.1%
  • フリースロー成功率84.7%

原文:Jalen Brunson contract, explained: Why Knicks star took less money on team-friendly extension(抄訳)
翻訳:坂東実藍