ジャ・モラントの出場停止処分がグリズリーズに及ぼす影響

2023-06-17
読了時間 約2分
(NBAE via Getty Images)

NBAは6月16日(日本時間17日)、インスタグラムの生配信での銃に関する2回目の事件に関し、メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントに、2023-2024シーズン開幕から25試合の出場停止処分を科すことを発表した。

モラントはわずか3か月前、同じインスタグラムの生配信における銃に関する問題で8試合の出場停止処分を科されたばかりだった。

3月にモラントが最初に処分を科された時、グリズリーズはチームのベストプレイヤーが不在でも踏みとどまれることを示し、5勝3敗という成績で乗り切った。だが、今回は処分期間が長くなったことで、新たな疑問が生まれる。

ここ2シーズンのグリズリーズは、いずれもウェスタン・カンファレンスで2位の成績を収めた。だが、2021-2022シーズンは57試合、2022-2023シーズンは61試合、モラントが出場している。2023-24シーズンは最大でも57試合にしか出られない。このことは、チームにとって何を意味するのだろうか。

『スポーティングニュース』では、モラントの出場停止処分がグリズリーズに及ぼす影響を探った。

(NBAE via Getty Images)

ジャ・モラントの出場停止がグリズリーズに及ぼす影響

直近のスポーティングニュースが選出したNBAのプレイヤーランキングで、モラントは11位に選ばれている。

画期的な分析ではないが、ベストプレイヤーが出場できないと、グリズリーズはその選手が出場する時ほど良いバスケットボールチームにならない。どのチームも同じだろう。その上で、モラントの出場停止はグリズリーズにさらなる修正を強いることになるはずだ。数選手が穴を埋めるような活躍を見せる必要がある。

はっきりしているのは、ここ2シーズンで平均26.8得点、7.4アシストを記録したタレントに代わることはできない。モラント不在による穴は、集団で埋める必要がある。不在期間が長期だけに、グリズリーズは西地区の中位に下がっていくかもしれない。

さらに重要度が増すタイアス・ジョーンズ

2022-23シーズンのグリズリーズは、モラントが不在だった22試合で12勝10敗という成績だった。モラントがいない時に先発ポイントガードを務めたのが、タイアス・ジョーンズだ。

ジョーンズはNBA最高の控えポイントガードだ。モラントをサポートする控えとしてだけではなく、モラントがいない時にステップアップする力を持つ。

2022-23シーズンのタイアス・ジョーンズ
  試合 出場時間 得点 アシスト リバウンド スティール ターンオーバー FG/3P/FT成功率
先発 22 33.2 16.4 8.1 4.0 1.8 1.5 50.0/41.5/77.8
リザーブ 58 20.8 7.9 4.1 1.9 0.7 0.7 39.7/35.0/83.0

さらに、27歳のジョーンズは2023-24シーズン終了後にフリーエージェントとなる見込みで、新シーズンはビッグイヤーとするかもしれない。チームを勝利に導き、次の契約で稼ぎをより良くするチャンスでもあるのだ。

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ケガや出場停止でモラントを起用できない中、グリズリーズにとってジョーンズの重要度は高まった。彼はそのプレイで自身を貴重な存在としているのだ。

(NBA Entertainment)

デズモンド・ベインのブレイク

グリズリーズはどこからか攻撃をつくらなければならない。

2年目のシーズンにフルタイムのスターターとなって以降、デズモンド・ベインは選手として飛躍を続けている。2020年のドラフトで1巡目指名された時の期待値を上回っているのだ。

2022-23シーズンのベインは、平均21.5得点、5.0リバウンド、4.4アシスト、フィールドゴール成功率47.9%、3ポイントショット成功率40.8%、フリースロー成功率88.3%を記録した。つま先のケガで17試合連続欠場があった中でのこの数字だ。

健康になった今、ベインはFG成功率50%&3P成功率40%&FT成功率90%を達成できる選手になるだろうか。可能性がないとは言えない。

より攻撃における責任を担い、オフシーズンに成長すれば、ベインはオールスター級の選手に飛躍できるかもしれない。そうすれば、グリズリーズは、モラント不在の痛手を和らげられるだろう。

ジャレン・ジャクソンJr.が球団の顔に

ジャレン・ジャクソンJr.は2022-23シーズンに初のオールスター選出を果たし、年間最優秀守備選手賞を受賞した。また、23歳の彼は、カリーム・アブドゥル・ジャバー社会正義賞でもファイナリストとなっている。

モラント同様、ジャクソンJr.はドラフトでグリズリーズが上位指名した地元のタレントだ。6シーズン目を迎えるジャクソンJr.は、モラント不在の間に球団の顔となるだろう。

NBA球団の顔となれば、大きな重圧がかかるのは当然だ。モラントはそれにふさわしいことを示してきたが、そのプレッシャーが危険であることも分かっている。

グリズリーズの明るい未来の中心となるのは、ジャクソンJr.、モラント、ベインだ。

原文:Ja Morant suspension, explained: How Grizzlies are impacted in 2023-24 NBA season(抄訳)

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