ゴールデンステイト・ウォリアーズはロサンゼルス・レイカーズとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦で121-106と勝利した。シリーズを2勝3敗とし、カンファレンス・ファイナル進出へ望みをつないでいる。
背景にあるのは、ウォリアーズがレイカーズのアンソニー・デイビスを攻撃するというアプローチにより集中したことだ。それがオフェンスの爆発につながった。ウォリアーズ快勝の要因は、その修正にある。
このシリーズを通じて勝利の主な要因となっているのは、デイビスの守備位置をどちらのコーチがコントロールできているか、ということだ。
レイカーズは、デイビスがリム付近を守ることで第1戦、第3戦、第4戦を制した。一方、ウォリアーズは彼をバスケットから遠ざける方法を見つけ、第2戦と第5戦をものにしている。あまりに単純に聞こえるかもしれない。だが、デイビスはそれほど影響力のあるリムプロテクターであり、彼のポジショニングが勝敗を左右してきたのである。
ここで大きな疑問となるのは、第1戦と第3戦、第4戦でできなかったのに、なぜウォリアーズが第5戦でデイビスをペリメーター(3ポイントライン付近のエリア)に引き出すことができたかということだ。
その疑問に答えるには、少し時間をさかのぼる必要がある。レイカーズがデイビスをリム付近にいさせて第4戦をものにできたのは、デイビスにアンドリュー・ウィギンズを守らせたハーフタイムの修正だ。ウォリアーズはなぜかウィギンズをステフィン・カリーのピック&ロールのスクリナーとして使うことをせず、デイビスをバスケット付近にとどめさせてしまった。
だから、第5戦でのウォリアーズの修正は非常にシンプルなものだった。デイビスがついている時にウィギンズをもっとスクリナーに使うことで、彼を外側に引き出したのである。
また、デイビスがウィギンズを守るために外に出てこない時は、ウィギンズの3ポイントショットを増やした。そしてピック&ロールの時にデイビスが引いて守る場合は、カリーとクレイ・トンプソンが3Pを沈めたのだ。
ウォリアーズが用いたもうひとつの戦術は、デイビスがバスケットの下に陣取る前にトランジションで攻め立てたことだ。デイビスが戻り切る前に、ウォリアーズは良いかたちで決めることができた。
第5戦ではウォリアーズがこのアプローチをしなかった時もある。そして、デイビスがバスケット付近に陣取った時のウォリアーズの攻撃のクオリティーは大幅に低下した。デイビスにチャレンジするというよりもレイアップを狙い、頻繁にターンオーバーをして、長距離の2ポイントショットを打つ羽目になった。
ウォリアーズの狙いを阻むべく、レイカーズは試合中にいくつか手を打った。デイビスの守備位置をバスケット付近に戻すために、ペリメーターで守った時にデイビスにスイッチアウトさせたのだ。
最終的にこの戦略は成功より失敗に終わることのほうが多かった。だが、その背景にある理論はとても理にかなっている。ダービン・ハム・ヘッドコーチは第6戦でもこれを繰り返すかもしれない。
デイビスが第6戦に出場できるなら、ハムHCは彼にリム付近を守らせるべく、またさらなる調整を試みるはずだ。
ここまでは、両チームが試合ごとにゲームプランを変え、デイビスのポジショニングをどうにかしようと、ファンタスティックなシリーズになっている。このシリーズを突破するのは、より安定してそれを実現できたほうのチームになるだろう。
原文:How attacking Anthony Davis is the key to the Warriors' playoff comeback vs. Lakers(抄訳)