6月4日(日本時間5日)に行われたNBAファイナル2023第2戦は、マイアミ・ヒートがデンバー・ナゲッツに勝利し、シリーズを1勝1敗のタイとした。
最大15点のビハインドを背負ったヒートだが、ジミー・バトラーがフィールドゴール19本中7本成功で21得点を記録。ニコラ・ヨキッチが41得点をあげたナゲッツに耐え、敵地ボール・アリーナで3点差の白星を飾っている。
第2戦でヒートはあらゆる手を尽くした。エリック・スポールストラ・ヘッドコーチがスターティングラインナップを新たにし、10人のローテーションで勝利したヒートは、シリーズで成功するための方程式を見つけたようだ。
なぜ、ヒートは敵地でシリーズをタイにすることができたのか。そして今後のシリーズでその戦略を再現できるのだろうか。
なぜヒートはNBAファイナル第2戦でナゲッツに勝利できた?
ケビン・ラブのスターター起用
ヒートは第2戦を前に、体調不良と闘い続けるケイレブ・マーティンに代わってケビン・ラブのスターター起用が明らかにされた。
そのラブはスターティングラインナップにサイズをもたらし、22分間の出場で6得点、10リバウンド、2スティールとインパクトを残した。ラブがコートにいた時間、ヒートはナゲッツより18得点多くあげている。また、ラブによるテイクチャージングもあった。
得点は際立った数字ではないかもしれない。だが、ラブの存在はヒートにとって大きな違いとなった。ヒートはラブをスターターで起用し続けるだろう。
3ポイントショットの改善
NBAは、ショットを決めるか決めないかだ。第1戦のヒートは、決められなかった。だが、第2戦ではショットを決めている。
第1戦のヒートは、第3クォーター終了までに3ポイントショットが27本中7本成功にとどまった。だが、第2戦はハーフタイムまでに8本を成功させている。第1戦で3P9本試投の成功なしだったマックス・ストゥルースは、前半4本の3Pをすべて沈めた。
試合全体で、ヒートは3P35本中17本成功(48.6%)。ストゥルースとゲイブ・ビンセントが4本ずつ沈めている。この3Pの調子を続けられれば、特に舞台がマイアミに移る中で、ヒートはナゲッツの攻撃に食らいついていけるだろう。
ゾーンディフェンス
第2戦のヒートは第3Qを終えて8点のビハインドを背負っていた。だが、第4Qに入ってすぐにそれをひっくり返している。
その挽回劇において大きな役割を果たしたのが、ヒートのゾーンディフェンスだ。
第4Q開始から11-2のランでリードを奪ったヒートは、守備を頼りに試合をコントロールした。ナゲッツに巻き返され、終盤に1ポゼッションゲームにされはしたが、ゾーンディフェンスでナゲッツのプランを狂わせたのは明らかだった。
今後はナゲッツも対応してくるだろうが、ヒートは彼らを崩すリズムをつかんだかもしれない。
サポーティングキャストの活躍
ヒートは、まずはバトラーとバム・アデバヨというチームだ。第2戦の彼らは合計42得点、13アシストと攻撃が堅実だった。
それでも、ヒートには攻撃面でより多くの貢献が必要だった。それをリザーブ選手たちが実現してみせたのだ。
まずは、試合を通じて14得点だったストゥルースが、第1Qだけで12得点をあげて調子を定めた。ストゥルースが停滞すると、次はチーム最多の23得点をマークしたビンセントだ。第2Qと第3Qでビンセントは14得点をマークしている。
第4Qに活躍したのはダンカン・ロビンソンだった。彼が記録した10得点はいずれもFG5本中4本成功だった第4Qにあげたものだ。ロールプレイヤーたちはホームで常により良いパフォーマンスを見せる。だから、ヒートのサポーティングキャストはさらにレベルを上げられるかもしれない。
オフボールの動き
第4Qのヒートは、いかにして重要な得点を積み重ねたのだろうか。
ヒートはロビンソンのオフボールスクリーンにナゲッツの守備が過剰に反応したことで、ビンセントが3Pを沈めた場面があった。この得点でヒートは試合序盤以来となるリードを手にしている。
そして次の攻撃で、ロビンソンはほとんど抵抗されることなく切り込み、レイアップを決めた。
ヒートはオフボールの動きで流れるような攻撃をつくり、質の高いかたちでショットを打てるようにしたのだ。コンテストされることなくショットを打つことができれば、「決めるか決めないか」の「決める」にもっていくのが少したやすくなる。
次は、ナゲッツが修正を迫られる番だ。
原文:Five reasons why Heat's win vs. Nuggets in Game 2 of NBA Finals could provide formula to win series(抄訳)