ジャ・モラントが戻ってきた。
NBAに科された25試合の出場停止処分を消化したモラントが、12月19日(日本時間20日)に堂々の復帰を果たした。約8か月ぶりとなるNBAの試合で、モラントは期待を上回る活躍を見せている。メンフィス・グリズリーズがニューオーリンズ・ペリカンズに115-113で勝利した試合で、モラントは決勝ブザービーターを含む34得点をあげたのだ。
ここでは、ボックススコアだけではない、モラントのパフォーマンスを評価していこう。
ジャ・モラントのグリズリーズ復帰戦評価
試合前、グリズリーズのテイラー・ジェンキンズ・ヘッドコーチは、モラントの出場時間について「クレイジーになることはない」とし、一方でどんな出場時間制限もないと話した。出場停止処分中、モラントはチームと練習していたが、コンディションを懸念されていた。
実際、モラントは疲労をうかがわせる場面もあった。だが、それを乗り越え、伝説的な結果を残している。
前半は最もさびつきが明白だった。明らかに同調できず、グリズリーズは前半に最大24点のビハインドを背負う。モラントは出場16分間で7得点、3アシスト、2ターンオーバーだった。
チームが19点を追ってハーフタイムに突入し、モラントの夜は大敗の中で早々に終わるかと思われた。だが、彼は息を吹き返したのだ。
モラントは第3クォーターに13得点、4アシスト、3リバウンドを記録し、グリズリーズの挽回に貢献した。
戻ってきたことを最も表していたかもしれないのが、ドリブル突破とリムでのフィニッシュだ。例えば、こういったプレイだ。
前半といくつかの変更を必要としたが、モラントはタイミングをつかんだ。プレイメークでお膳立てするなど、チームメイトとの息も再び合うようになった。そしてグリズリーズは第4Qを迎えるまでに10点のビハインドまで追い上げる。
ベンチで第4Q開始を迎えたモラントは、数分休んでから再びコートに立つ。この時、グリズリーズは89-96で7点を追っていた。
それからの8分7秒間で、グリズリーズはペリカンズに対して24-17のラン。そして残り10秒に試合はタイスコアとなり、グリズリーズはペリカンズの攻撃を止めてポゼッションを得る。
誰の手にボールが渡るか、疑う余地はなかった。
モラントはアイソレーションプレイでオールNBA級のディフェンダーであるハーバート・ジョーンズを相手にし、レーンに飛び込むやダイソン・ダニエルズという別の優れたディフェンダーにも出くわす。だが、問題ではなかった。
回転してからショットを沈めた決勝点は、別のアングルから振り返るにもふさわしい。
チームが早々に敗れるかと思われた試合で、モラントはゲームを救うのに十分な活躍を見せた。
自身が出場できない中、開幕から6勝19敗という成績だったグリズリーズを救えるだけのことができるかはまだ分からない。だが、モラントの力で7勝19敗としたことは、まさに彼がその仕事にうってつけの選手であることを示す心強い兆候だ。
端的に言えば、モラントの復帰初戦はまさに絶品にほかならなかった。
評価:A+
ペリカンズ戦のモラントのスタッツ
- 35分出場
- 34得点
- 8アシスト
- 6リバウンド
- 5ターンオーバー
- 2スティール
- フィールドゴール24本中12本成功(50.0%)
- フリースロー12本中10本成功(83.3%)
- 3ポイントショット5本中0本成功
原文:Grading Ja Morant's Grizzlies return: Memphis' star sinks Pelicans with game-winner in legendary performance(抄訳)
翻訳:坂東実藍