NBAファイナル2024第1戦で89-107と敗れたダラス・マーベリックスは、このシリーズで競えることを示すためにプレッシャーにさらされていた。そして迎えた第2戦、マーベリックスは第1戦と比べて接戦にしたものの、98-105で敗戦。シリーズ開幕2連敗となった。
第1戦で大きく目立ったパフォーマンスを見せたマーベリックスの選手はいなかったが、第2戦ではルカ・ドンチッチがコート上のベストプレイヤーとなった。32得点、11リバウンド、11アシストを記録し、チームを試合に踏みとどまらせている。
しかし、最終的にはそれでもマーベリックスは及ばず、第2戦もボストン・セルティックスが制している。ここでは、第2戦を踏まえての注目ポイントをまとめる。
NBAファイナル2024第2戦を踏まえての7つの注目ポイント
ルカ・ドンチッチの健康
第2戦を前に話題となったのが、第1戦でドンチッチが受けたチャージの影響が当初の見立て以上ではないかということだった。ドンチッチはウォームアップ中に胸を抑えてしかめっ面をしていたのだ。そして試合前の故障者情報では「クエスチョナブル」(不確か)とされていた。
試合が始まると、ドンチッチは今プレイオフで見せてきたように良かった。前半でフィールドゴール成功率69%の23得点を記録。最終的にはFG成功率57.1%で32得点をあげている。
いつものように、ドンチッチのショットは並外れて高難度だった。セルティックスはできるだけ1on1を試みたが、それでドンチッチを止められる者はいない。それでも、セルティックスは最善を尽くした。全員が代わるがわる奮闘し、ペイトン・プリチャードもアル・ホーフォードも良いところがあった。
ドンチッチは誰よりもジェイソン・テイタムをターゲットにしていたようだ。テイタム相手に難しいステップバックジャンパーを何度か決めている。だが、8ターンオーバーのいくつかはテイタムに強いられたものだった。
ドンチッチ以外に3Pを決められるマーベリックス選手は?
マーベリックスは3ポイントショットが26本中6本成功の23.1%だった。ドンチッチの9本中4本を除けば、チームのその他の3P成功率は11.8%とさらに落ちる。
セルティックスが試合を通じてマーベリックスのロールプレイヤーの大半にコーナー以外からのオープンな3Pを打たせていただけに、さらによろしくない。
デリック・ジョーンズJr.とPJ・ワシントンはシリーズを通じ、コーナー以外の3Pでオープンにされている。ワシントンはうまく調整し、後半はショットよりもドライブするようになった。これが17得点という数字に役立っている。だが、マーベリックスがセルティックスの攻撃についていくには、6本以上の3Pを沈めなければならない。
マーベリックスのジェイソン・キッド・ヘッドコーチは、マキシ・クリーバーを起用することで調整しようと試みたが、ひどい結果に終わった。クリーバーは4本のショットすべて失敗。時にはショットを放つことを恐れていた。
カイリー・アービングも問題だ。第1戦で不調だった彼は、第2戦も変わらなかった。FG18本中7本成功にとどまり、3Pは3本すべて失敗している。マーベリックスが競っていくには、アービングがドンチッチのプレッシャーを軽減させなければいけない。
ジェイソン・テイタムはジェイソン・キッドHCの言葉に発奮?
キッドHCは試合前にセルティックスのベストプレイヤーがテイタムではなくジェイレン・ブラウンだと話し、議論を呼ぼうと試みた。これがテイタムの気持ちに影響したのだろうか?
テイタムは試合最多の12アシストを記録するなど、非常に積極的にパサーとなっていた。ドンチッチが守っている時にアタックし、ドライブで彼をかわして、オープンなチームメイトにキックアウトをしていた。
ただ、テイタムのショットセレクションも良くないところがあった。だからこそ、FG22本中6本成功にとどまっている。
セルティックスはこの2試合でテイタムがベストであることを必要としていなかった。だが、どこかで必要とするだろう。テイタムはひどかったわけではない。ただ、レギュラーシーズンのようにオールNBA級の選手らしいプレイをしなければならない。
イージーな得点のあげ方を試みるマーベリックス
マーベリックスが攻撃でスタートダッシュを切ろうとして試みたひとつは、ペースを早めることだった。セルティックスの守備をあわてさせ、ようやく少しロブ攻撃につなげたのだ。ワシントンがボールをプッシュし、火花を散らした。だが、それ以外の時はコントロールできなかったようだ。クリーバーとダンテ・エクサムがコースト・トゥ・コーストを試みたが、予想されたようにひどい結果に終わった。
もうひとつのポイントは、ダニエル・ギャフォードがテイタム相手にポストアップしたことだ。後半の最初にマーベリックスはこれを2回行い、ギャフォードが2回とも得点をあげた。うまくいったことを考えると、第3戦でもっと増やそうとするかもしれない。
セルティックスの3Pが決まったらどうなるのか?
セルティックスは3Pが39本中10本成功の25.6%にとどまった。かたちは良かったが、ただ決められなかったのだ。
ドンチッチが素晴らしいプレイをし、セルティックスがオープンな3Pを決められなかったにもかかわらず、マーベリックスは後半のほぼ大半で追いかける展開となった。この試合は、彼らがものにするのに絶好の機会だったのだ。5点差までは追い上げ、3点差にも詰め寄りかけた。だが、試合を通じて素晴らしい守備をしていたデリック・ホワイトにそれを阻まれたのである。
このホワイトがブロックした場面では、ブラウンがワシントンを押していたかもしれない。だが、ファウルのコールはなく、セルティックスは勝利に向かっていった。
ドリュー・ホリデーの活躍
ホリデーはチーム最多の26得点をあげ、11リバウンドも記録した。リング下にいるのをマーベリックスが完全に見失っていたところからチーム最初の得点をあげると、ここから最後まで重要な得点をマークしている。
また、ホリデー守備でもアービングらを相手に素晴らしいプレイをした。キッドHCは第3戦に向け、ホリデーがセルティックスの2番手だと言うかもしれない。
クリスタプス・ポルジンギスは大丈夫か?
ポルジンギスは第4Q終盤にワシントンと衝突し、いくつかのポゼッションで慎重に走っている様子だった。マズーラHCは残り4分40秒でポルジンギスを交代させている。
試合後、マズーラHCはポルジンギスのふくらはぎについて「心配無用」と話した。だが、ポルジンギスはコートを行き来するのがスローに見えた。第3戦に向けて様子を見ていくべきかもしれない。
原文:7 takeaways from Game 2 of 2024 NBA Finals: Luka Doncic's dominance can't overcome Celtics' depth(抄訳)
翻訳:坂東
実藍