この夏のフリーエージェントで注目すべき選手は誰か? ハーデンやデローザンなど25選手を検証

2024-02-10
読了時間 約5分
(NBA Entertainment)

あなたのチームがトレードデッドラインでなんのアップグレードにも動かなかったとしても心配はいらない。フリーエージェント(FA)まであと5か月を切っているのだ。

今回は、この夏に獲得できる可能性のある25人の選手を紹介する。

スタッツはすべて2月7日(日本時間8日)までのもの。


1. ボールハンドラー

マイク・コンリー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

来季開幕時点でコンリーは37歳になるが、安定した手腕は健在。17年目の今季は自己最高のアシストとターンオーバーの比率(6.06)、キャリア2位のエフェクティブフィールドゴール成功率/eFG%(58.0%)を誇る。

ジェームズ・ハーデン(ロサンゼルス・クリッパーズ)

この夏に35歳になるハーデンは、リーグ最高の自分を中心に動くスーパースターから、リーグ最高の周りのスターを輝かせるファシリテーターへと進化を遂げた。3ポイントショット成功率は自己最高の43%を記録し、オクラホマシティ・サンダーでプレイして以来の最も効率的に得点するシーズン(トゥルーシューティング成功率64.0%)を送っている。

ドリュー・ホリデイ(ボストン・セルティックス):プレイヤーオプション

ホリデーはセルティックスに移籍してからユーセージ率(チームのポゼッションを完了した割合)が大きく下がったが、それでも1試合平均33.4分の出場で、リーグ最高のチームで攻守にわたって堅実なプレイを披露している。ハーデンよりもオフ・ザ・ボールが得意で、過去3シーズンはキャッチ&シュートの3P成功率は44.7%だ。

タイリース・マクシー(フィラデルフィア・76ers):制限付きFA

76ersは、キャップスペースを確保するために昨夏マクシーと延長契約を結ばなかったが、彼はそれ以来オールスターへと進化している。電光石火の速さを持つガードで、過去3シーズンの平均3P成功率は41%で、しかもまだ23歳だ。

イマニュエル・クイックリー(トロント・ラプターズ):制限付きFA

OG・アヌノビーをトレードした際、ドラフト資産をあまり得られなかったラプターズは、RJ・バレットと共に獲得した24歳のクイックリーをキープしたいと考えているだろう。スコッティ・バーンズと出場するクイックリーの時間は今のところ多くないが、これは長期的な視野に立ったプレイだ。

ディアンジェロ・ラッセル(ロサンゼルス・レイカーズ):プレイヤーオプション

ラッセルは良いパサーで活躍を見せる時もあるだろう。最近は絶好調で、レイカーズの直近13試合で1試合平均24得点、エフェクティブフィールドゴール成功率(eFG%)で58%を記録している。課題は常にディフェンスと一貫性になるだろう。

ラッセル・ウェストブルック(ロサンゼルス・クリッパーズ):プレイヤーオプション

ウェストブルックはより小さな役割を受け入れながらも、クリッパーズで彼の持ち味を存分に発揮している。ペリメーター・シューティングの課題は残るが、彼はペースをあげ、ディフェンスを崩壊させる選手だ。36分あたりの平均で15得点、7リバウンド、7アシスト以上を記録する5選手のうちの1人でもある。

その他の注目選手: クリス・ダン(ジャズ)、マーケル・フルツ(マジック)、タイアス・ジョーンズ(ウィザーズ)、モンテ・モリス(ウルブズ)、デロン・ライト(ウィザーズ)


2. ウィングスコアラー/シューター

(Getty Images)

グレイソン・アレン(フェニックス・サンズ)

アレンがサンズで理想的な役割を担っているのは、3人のスター選手とともにプレイし、リーグトップの3P成功率49.2%を記録しているからだ。アレンの3P試投(試投あたり1.48点)は、今季、制限区域内でのアンソニー・デイビスの試投(1.45点)よりも価値があるのだ。

マリーク・ビーズリー(ミルウォーキー・バックス)

アレンに代わってバックスに移籍したビーズリーは、ディフェンスストッパーの役割には向いていないものの、オフェンス面では自己最高の3P成功率45%をマークし、コーナースリーは65本で(大差で)リーグトップを記録するなど、その役割を果たしている。

ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ(デンバー・ナゲッツ)

コールドウェル・ポープ(30歳)は2度の優勝チームに欠かせない選手であり、ナゲッツに最適だ。有能なシューターで(過去3シーズンで3P成功率40%、ミッドレンジの成功率45%)、オフボールでよく動き、このタイプのほかの選手よりもディフェンス面で役立つだろう。

デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)

34歳のデローザンは、ミッドレンジの成功率(41.2%)を過去3シーズン(47.1%)から大きく落としているが、それでも彼はフリースローを獲得し、重要な攻撃の場面で適切なショットを打ってくれる頼れる選手であることに変わりはない。

エリック・ゴードン(フェニックス・サンズ):プレイヤーオプション

35歳以上のFAであるゴードンはフロアースペーサー(3Pラインから5フィート/約1.5メートル)先にスペースを作るような選手)であり、過去3シーズンの3P成功率は39%を記録。サンズでは適切な役割を担っているが、来季のプレイヤーオプションは格安の340万ドル(約5億円/1ドル=149円換算、以下同)だ。

バディ・ヒールド(フィラデルフィア・76ers)

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過去5シーズンでヒールドほど3Pを決めた選手はいない(1240本/成功率39.3%)。彼はマキシーとジョエル・エンビードをオフェンス面で補完するはずだ。彼らはヒールドのためにオープンショットを作り(そして彼のフリースロー不足を補い)、ヒールドは彼らのためにペイントをオープンにしてくれるだろう。

マリーク・モンク(サクラメント・キングス)

NBAシックスマン賞候補で26歳になったばかりのモンクは、ここ2シーズンでアシスト率(出場時にチームメイトのFGをアシストした割合)が大きく伸び、単なるスコアラーではなくなっている。過去3年間で221試合中209試合(プレイオフ含む)に出場するなど耐久性もある。

その他の注目選手:アレック・バークス(ニックス)、サム・ハウザー(セルティックス、チームオプション)、ルーク・ケナード(グリズリーズ-チームオプション)、ケイレブ・マーティン(ヒート、プレイヤーオプション)、ディアンソニー・メルトン(76ers)、ケリー・ウーブレJr.(76ers)、クレイ・トンプソン(ウォリアーズ)、ギャリー・トレントJr.(ラプターズ)


3. マルチフォワード

(Getty Images)

OG・アヌノビー(ニューヨーク・ニックス):プレイヤーオプション

アヌノビーはインパクトのあるウィングディフェンダーとして、またオフ・ザ・ボール、コーナースリー、クローズアウトアタックも快適にこなせる選手として、ニックスに完璧にフィットしている。ニックスはアヌノビーがいることで最高のパフォーマンスを発揮しており、再契約の意思なく彼をトレードで獲得することはなかっただろう。

サディック・ベイ(アトランタ・ホークス):制限付きFA

ピストンズでオールルーキー・ファーストチームを獲得した後はあまり成長が見られないベイは、今季の3P成功率(31.4%)は自己最低となっている。しかし、2P成功率(53.7%)は断トツで高く、オフェンシブリバウンドも好調だ。

マイルズ・ブリッジズ(シャーロット・ホーネッツ)

ブリッジズのFT成功率と全体的な効率は2シーズン前より落ちているが、フィールドゴールは好調で、ディフェンシブリバウンド率18.3%は自己最高となっている。

ブルース・ブラウン(トロント・ラプターズ):チームオプション

ブラウンは素晴らしいがサイズが小さめのディフェンダーで、オフェンス面ではコネクターだ。ラプターズでは強豪チームならフィットするがラプターズではそれほどフィットしないため、2300万ドル(約34億2700万円)のオプションを破棄するか、行使してオフシーズンにトレードを狙う可能性がある。

ポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ):プレイヤーオプション

ハーデン同様、ジョージの価値はクリッパーズの成功とともに上がっている。そして、それは彼がチームの50試合のうち47試合に出場しているからだ。33歳にして(そしてハーデンの助けもあり)、彼はキャリアで最も効率的に得点を記録するシーズンを送っている。

トバイアス・ハリス(フィラデルフィア・76ers)

ハリスも76ersのFA12人(2ウェイ契約選手除く)のうちの1人で、(明らかに)マクシーよりもほかのチームに行く可能性が高い。しかし、今季はキャリアで最も効率的な得点力(トゥルーシューティング成功率60.5%)を発揮しており、76ersの3番手として代役を立てるのは難しいだろう。

レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・イカーズ):プレイヤーオプション

リーグ通算得点王のレブロン・ジェームズはここ数年でペースダウンしたが、それほどの大きな差ではない。エリートパサーで、効率的なスコアラーであることに変わりはない。彼の将来は、息子が来季リーグにいるかどうかで決まるかもしれない。

パスカル・シアカム(インディアナ・ペイサーズ)

アヌノビーを獲得したニックスと同様、ペイサーズもシアカムとの再契約の意思がなければシアカムをトレードで獲得することはなかっただろう。彼はペイサーズで11試合プレイしているが、わずか115分しかタイリース・ハリバートンと出場していないため、まだこのデュオが一緒に何ができるのかははっきりとはわからない。

その他の注目選手:カイル・アンダーソン(ウルブズ)、ニコラス・バトゥーム(76ers)、ゴードン・ヘイワード(サンダー)、デリック・ジョーンズJr.(マブス)、アイザック・オコロ(キャブス、制限付きFA)、ロイス・オニール(サンズ)、トーリアン・プリンス(レイカーズ)


4. ビッグ

ニック・クラクストン(ブルックリン・ネッツ)

24歳のクラクストンはリーグ最高のリムプロテクターの1人であることに変わりはないが、ネッツで唯一の優秀なパサーが50試合中わずか9試合しか出場していないこともあり、過去2シーズンほど効率よく得点できていない。

アイザイア・ハーテンシュタイン(ニューヨーク・ニックス)

ハーテンシュタインはまだ25歳で、リーグでも屈指のロールプレイヤーの1人であり、パス、リバウンド、ディフェンスができる機動力のあるビッグだ。彼は確かにアヌノビーではないが、ミッチェル・ロビンソンの負傷以来平均32分出場していることからも、ニックスにとって手放すにはあまりにも貴重な選手と言っていいだろう。

ヨナス・バランチュナス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

バランチュナス(31歳)は確かに最も機動力のあるビッグではないし、彼がスペースを広げていればディフェンスを心配させることもないだろうが、サイズは重要である。彼はリーグ最高のリバウンダーの1人で、ポストでは比較的効率的なスコアラーでもある。

その他の注目選手:プレシャス・アチウワ(ニックス)、ケリー・オリニク(ラプターズ)、メイソン・プラムリー(クリッパーズ)、ダリオ・シャリッチ(ウォリアーズ)、オビ・トッピン(ペイサーズ)

原文:25 players to watch in free agency after NBA trade deadline passes
翻訳:YOKO B