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NBAファイナルMVPを受賞するのは? ホリデーやドンチッチらセルティックスとマーベリックスの有力候補たち

2024-06-12
読了時間 約4分
(Getty Images)

NBAファイナル最初の2試合が終わり、ファイナルMVPが誰になるかはまだ分からない。主にボストン・セルティックスの複数の選手が素晴らしいパフォーマンスを見せているからだ。セルティックスのベストプレイヤーは誰なのかを巡る議論はヒートアップしている。質の高い選択肢があまりにも多いからだ。

関連記事:ボストン・セルティックス対ダラス・マーベリックス第4戦展望|NBAファイナル2024(外部配信)

ダラス・マーベリックスはそのセルティックスと同レベルのパフォーマンスを見せられていない。だからこそ、シリーズ開幕から2連敗となった。ルカ・ドンチッチは素晴らしい。だが、チームメイトがそこまでの活躍を見せられていない。

ここでは、現時点でファイナルMVPを選ぶ場合の有力な候補者をまとめる。

NBAファイナル2024のファイナルMVP候補

(Getty Images)

1. ドリュー・ホリデー

平均:19.0得点、9.5リバウンド、4.0アシスト、1.0スティール、0.5ブロック、FG成功率65.2%、3P成功率44.4%

このリストにカイリー・アービングはいない。そしてその大きな理由がホリデーだ。アービングはフィールドゴール成功率が35.1%にとどまっている。ホリデーがマーベリックスの2番目のスターを完全に抑えているのだ。今季のホリデーは6回目のオールディフェンシブチーム選出を果たした。それにふさわしいことをこのファイナルで示している。

ホリデーが素晴らしいのは攻守両面の出来だ。ファイナルでは3位の得点を記録しており、3ポイントショットであてにできる両軍の数少ない選手のひとりだ。レギュラーシーズンでコーナーからの3P成功率が61.9%だったことを考えれば、これは驚きではないだろう。また、ホリデーはリムでも強さを発揮しており、カッティングから巧みなレイアップを決めたり、ダンプオフパスを見せている。

ホリデーの足跡は試合のあちこちで見られる。第2戦の終盤では、ここまでのファイナルで最も印象的な流れをつくり、セルティックスにあまりにも大きなリードをもたらした。

2. ジェイレン・ブラウン

平均:21.5得点、5.0リバウンド、4.5アシスト、3.0スティール、1.5ブロック、FG成功率55.6%

おそらく、ジェイソン・キッド・ヘッドコーチは正しい。ブラウンはレギュラーシーズンでセルティックスのベストプレイヤーではなかった。だが、ファイナルが始まってから最大のパフォーマンスを見せているのは、ホリデーかブラウンだ。

イースタン・カンファレンス・ファイナルでMVPを受賞したブラウンは、力強いパフォーマンスを続けている。ドンチッチとマッチアップした時は常にアタックし、思うようにリムにたどり着いている。彼のステップスルーはシグネチャーショットになった。そしてスローダウンするタイミングを学び、身体能力に加えて巧みさも生かしている。

今季のブラウンは守備もキャリア最高の出来で、このファイナルでは完全にピークに達している。ウィークサイドのブロックに飛び込み、ドンチッチの主なマーカーとして、彼にクレイジーな数字を残させないように貢献してきた。

3. クリスタプス・ポルジンギス

平均:16.0得点、5.0リバウンド、2.5ブロック、0.5アシスト、FG成功率60.0%

コンディションを取り戻すために、ベンチスタートから平均21.9分間の出場にとどまっている。だが、コートに立つと彼は絶対的なゲームチェンジャーだ。第1戦で最初に彼がプレイした時間帯にセルティックスはマーベリックスを引き離した。そしてファイナルの調子を定めたのだ。

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ポルジンギスはまだ3Pのリズムをつかんでいない。だが、彼のポストアップはマーベリックスにとって悪夢だ。自分より小さなディフェンダーの上からジャンプショットを決め、パワーを駆使してファウルを誘うなど苦しめている。

守備でも攻撃のようにインパクトを残している。彼はブロックマシンで、相手のレイアップを阻み、速攻で自分に挑んでくる選手を愚か者のように見せた。ジョシュ・グリーンマキシ・クリーバーのことだ。セルティックスは第2戦の終盤で彼が負ったケガがたいしたことないように願うばかりだろう。彼らにとってポルジンギスは非常に貴重な存在だからだ。

(Getty Images)

4. ジェイソン・テイタム

平均:17.0得点、10.0リバウンド、8.5アシスト、0.5スティール、0.5ブロック、FG成功率31.6%

この順位はテイタムを軽視しているとの見方もあるだろう。だが、それ以上にチームメイトたちの良さが反映されているのだ。テイタムはアンチが言うほどに悪くはない。バスケットへのドライブを増やし、チームメイトに大量のアシストを供給して、守備で素晴らしいプレイをしている。

ただ、得点をあげられていない。効率はひどく、あまりに多くのプルアップ3Pを打って(そして外して)いる。いずれショットは決まるようになるはずだ。しかし、決まらなくても、テイタムはオールラウンドな選手で、引き続きチームが必要なことを何でももたらすだろう。

5. ルカ・ドンチッチ

平均:31.0得点、10.5リバウンド、6.0アシスト、3.0スティール、FG成功率51.1%

マーベリックスが2勝0敗なら、ドンチッチはこのリストで1位だろう。だが、ここまでのシリーズでかなり差がついていたことを考えれば、セルティックスのベストプレイヤーたちをドンチッチより上位とするのがフェアだ。ファイナルのベストプレイヤーは彼だが、ジェリー・ウェストのような状況にはならないだろう。

第1戦でドンチッチは得点を量産したが、アシストはひとつだけだった。第2戦では修正し、32得点、11リバウンド、11アシストでトリプルダブルを達成している。素晴らしいショットメーカーで、難しいショットを決め、様々なセルティックス選手の守備に対応してきた。パスはいつもどおりに素晴らしい。だが、チームメイトがオープンな3Pを決められず、ドンチッチを助けられなかった。

やや残念なのは、ドンチッチ個人の守備だ。あまり耐えていない。これまでのラウンドでも大きな改善点だった。ケガが続いていることが影響している兆候かもしれない。  

6. デリック・ホワイト

平均:16.5得点、3.5リバウンド、3.5アシスト、2.0スティール、1.0ブロック、FG成功率42.3%、3P成功率38.9%

ホワイトはシーズンを通じてセルティックスの頼りになる存在だった。それはファイナルまで続いている。オープンな3Pを沈め、正しいパスを出し、見事な守備を見せている。彼のブロックのいくつかはあ然とするものだった。第2戦終盤の議論を呼んだブロックはその最たる例だ。

そのプレイでPJ・ワシントンに対するファウルがあったのかどうかは分からない。だがいずれにしても、セルティックスの歴史に残るような象徴的な瞬間となった。

ホワイトがファイナルMVPに選ばれることはないかもしれない。だが、目立たなくても貢献度が高い選手のリーグ最高例となっている。

原文:Who will win NBA Finals MVP? Ranking the best Celtics and Mavericks candidates, from Jrue Holiday to Luka Doncic(抄訳)
翻訳:坂東実藍