殿堂入りを果たしたダーク・ノビツキーの片足フェイダウェイは世代を超えて永遠に生き続ける

2023-08-12
読了時間 約2分
(NBAE via Getty Images)

NBAの歴史はダーク・ノビツキー抜きには語れない。

ノビツキーはその21年間のキャリアで、ヨーロッパ出身選手としてリーグ初のMVPを受賞したことにとどまらず、NBA史上最も象徴的なシグネチャーショットを生み出すなど、さまざまな形でバスケットボールを変えた。

ノビツキーはダラス・マーベリックスの代名詞であり、片足フェイダウェイのシルエットを見ればすぐに彼だとわかるのだ。

このショットは非常に象徴的だったため、2019年にノビツキーが引退して以来、マーベリックスのコートにはこのシルエットが描かれ、アメリカン・エアラインズ・センターの外にはフェイダウェイを打つノビツキーの銅像が建っている。

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7フィート(213cm)の長身であるノビツキーは、バスケットボール史上最高のショットを放つビッグマンと言われているが、彼のショットをほとんど止められなかったのはその身長の高さだけが理由ではなかった。ノビツキーの頭上のかなりの高い位置から放たれる異例なリリース、フェードしながらスペースを作る天性の能力、そして人の心をとりこにするほど高い弧を描くショットは、ディフェンダーに仕事をするチャンスを与えなかった。

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ノビツキーは、NBA史上7人しかいない30000得点の大台を突破した選手のひとりとなった。その得点力は象徴的ななショットなしでは不可能なレベルである。

しかし、ノビツキーによれば、そのショットは彼がふと思いついたものらしい。

「いつでも打てる、あまりエネルギーを使わないショットを作り出そうとしていたんだ」と、ノビツキーは2021年に語っている

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「15〜16歳の頃から、片足でシュートを打つのが心地よかった。…正直に言うと、その場で咄嗟に思いついた感じなんだ。試合で1度そうやって打ったら良い感じだったし、あまり体力を消耗しなかった。それで、さらにもう少し打っていってそれが自分のレパートリーになったんだよ」

そのショットはノビツキーがその場で作り上げたものかもしれないが、彼のショットの有効性は試合前の最も入念なルーティンの産物だった。それについて2017年に彼は、「試合で打てる可能性のあるありとあらゆるショットを、僕は少なくとも1回は練習している」と語っている。

ノビツキーの片足フェイダウェイが効果的だったため、他のスター選手たちも同じようなショットを開発したい、レパートリーに加えたいと思うようになった。ヤニス・アデトクンボやコービー・ブライアント、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズに至るまで、あらゆる片足フェイダウェイはすべて41番(ノビツキー)の影響を受けているのだ。

2013年にマーベリックス戦に勝利した後、ジェームズはノビツキーのショットを再現したことについて「リスペクトの表れだ」と語った。それよりさらに2年前、ファイナルでの対戦を前にして、ジェームズはこの片足フェイダウェイを、カリーム・アブドゥル・ジャバーのスカイフックに次ぐ、リーグ史上2番目に止められないショットと呼んでいた

「僕はあれを彼から学んだんだ」と、ジェームズは続ける。

「彼ほど上手にはできないけどね。彼は僕よりもずっと長くあのショットを打っているから」

多くの選手がトライはしているが、ノビツキーほどうまくできる選手はほかにいないと言っていいだろう。

ノビツキーがバスケットボールの殿堂入りを果たし、不滅の存在となった今、ノビツキーのレガシーが、その象徴的な片足フェイダウェイを模倣しようとするあらゆる世代の選手たちとともに永遠に生き続けることを、私たちは改めて思い知らされるのだ。

原文:Dirk Nowitzki's one-legged fadeaway will live forever as a Hall of Fame contribution to the game
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc