NBAプレイオフ2023のウェスタン・カンファレンス・ファーストラウンド第1戦、第7シードのロサンゼルス・レイカーズが第2シードのメンフィス・グリズリーズに圧勝した試合の最大の注目は八村塁のプレイだった。
試合終盤にレイカーズが引き離す前、ビッグプレイでチームを支えたのは八村だった。グリズリーズが彼にあえてシュートを打たせるようにしむけると、八村は後半に3ポイントショットを5本中5本成功させ、試合後半の2クォーターで29点のうち21点を獲得したのである。
第1戦の八村は見事だったが、グリズリーズのデズモンド・ベインは、シリーズが進むうえで八村のシューティングを懸念する気配も特になく、むしろレイカーズの『Xファクター』に挑戦状を叩きつけた。
試合後にベインは「それが僕らのゲームプランだったんだ」と、報道陣に対して話している。
「八村にシュートを打たせることがゲームプランで、彼はそれを実行した。脱帽だよ。おそらくこれまでのキャリアで彼のベストゲームだったんじゃないかな」
「(プレイオフは)7戦のシリーズだ。水曜(19日、日本時間20日)にまたやれるかお手並み拝見といこう」
第1戦が八村のベストゲームだったというベインの主張は、あながち的外れなものではない—3P5本というのは八村がNBAの試合で決めた最多本数であり、29得点は自己最多にあと1点足りなかっただけだ。
とはいえ、第1戦での八村の活躍を振り返れば、シリーズが進むなかで再現可能だとも言える。
NBA.comのトラッキングデータによると、第1戦で八村が3Pを打った際は6本ともオープンまたはワイドオープンだったとされている。また、レギュラーシーズン中の八村の3P成功率はわずか31.9%だったが、2021-22シーズン中のショットが絶好調だったおかげもあって、過去2シーズンにおけるコンテストされていない場合の3P成功率は37.9%になっている。
八村にキャリアナイトの再現を期待するのは少し無理があるかもしれないが、過去を振り返っても、彼は自分を3Pラインの外でオープンにしている相手チームにその代償を払わせることができる。
また、八村がトランジションやドライバーとしてグリズリーズを苦しめたことにも触れておくべきだろう。たとえば、最優秀守備選手賞に選ばれたジャレン・ジャクソンJr.に対して強烈なスラムダンクを決め、さらに重要な局面ではスピンしながら難しいパスを出してオースティン・リーブスをアシストをしている。
第1戦の最大の収穫は、八村がどんなチャレンジにも果敢に挑む準備ができているということだろう。第2戦に向けた調整がなければ、彼にはグリズリーズのゲームプランをうまく利用する準備が整っているはずだ。
原文:Grizzlies' Desmond Bane challenges Lakers' Rui Hachimura after Game 1: 'Let's see if he can do it again'
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc