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得点以外の貢献度大なNBA最高のロールプレイヤーたち:アヌノビー、カルーソ、ゴードンら

2024-01-12
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(Getty Images)

デリック・ホワイトはオールスター選出にふさわしい。リーグ有数のディフェンダーであり、最高のチームに在籍していて、重要な3ポイントショットを決められる選手だ。

ホワイトや彼のようなその他の多くの選手にとって足かせとなるのは、得点を量産しないという点だ。この10年でオールスター選手の86%はホワイトの1試合平均16.5得点を上回っている。言い換えれば、多くの得点をあげる選手でなければ、オールスターチームに選ばれるのがほぼ不可能ということだ。

投票者はそういった簡単な統計に集中する傾向にある。だがそれは、ホワイトのように、ほかのすべてのことをやってのける選手たちの多くが外されることにつながるのだ。そういった選手たちも認められるにふさわしい。ここでは、そういった選手たちを取り上げる。

ホワイトや彼のような選手たちに敬意を表し、ここでは10人の「デリック・ホワイト・オールスター選手」を選出した。1試合平均17得点未満のリーグ最高の選手たちだ。

デリック・ホワイト・オールスター:バックコート部門

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アレックス・カルーソ(シカゴ・ブルズ)

昨季、カルーソはようやくその守備力を評価され、オールディフェンシブ・ファーストチームに選ばれた。今季も好調で、重要な場面で相手のスター選手を封じ、とんでもないハッスルプレイでターンオーバーを誘っている

今季なおさら特別なのは、カルーソが正統な攻守両面で優れた選手になったことだ。これまで、相手チームはカルーソをオープンにしていた。ショット成功率はまずまずだが、試投頻度がそれほどではなかったからだ。

だが、今季のカルーソはその戦略を不可能にした。3P成功率は自己最高の42.6%で、キャリア初となる平均二桁得点を記録している。多くの重要なショットを決め、いくつかの試合でブルズを単独で勝利に導いてきた。

デリック・ホワイト(ボストン・セルティックス)

セルティックスが支配している今季、ホワイトは様々なかたちで貢献してきた。2番手のボールハンドラーも務め、3P成功率は41.8%。チームメイトにうまくお膳立てしてきた。

守備でのインパクトも見事だ。ホワイトはリーグ有数のブロックを記録しているガードである。

ホワイトはチームの主な中心のひとりとして、マーカス・スマートが抜けた穴を埋めてきた。ボックススコアで見られる数字以上に、勝利につながるプレイをしているのだ。推定プラスマイナスのようなスタッツの多くでトップ15入りしている。

ドリュー・ホリデー(ボストン・セルティックス)

昨季はオールスターに選出されたホリデーだが、今季は選から漏れそうだ。攻撃面での役割が減り、平均得点が19.3得点から12.8得点に落ちている。

しかし、ボックススコアの数字にだまされてはいけない。ホリデーは5番目のオプションとしてNBA史上有数の選手で、非常に才能あるチームメイトたちと一緒にプレイすることで、3P成功率は自己最高の41.7%となっている。

もちろん、ホリデーはペリメーターでの守備もエリートクラスだ。リーグ最強のガードのひとりであり、毎試合のようにエリート級のウィングを封じてきた。普通はセンターのための場所でセルティックスの2-3ディフェンスを統率しており、これは彼がどれほど特別なディフェンダーなのかを示している。

ジェイレン・サッグス(オーランド・マジック)

NBA入りしてから2年が経ち、サッグスはドラフトで上位指名されながら活躍できない選手になっていくかと思われた。だが、3年目の今季は守備のストッパー、そしてエネルギッシュな存在として立て直している。

ショット成功率も見事な改善され、フィールドゴール成功率は45.9%、3P成功率は39.9%に上がった。今季のマジックの成功に大きく貢献しており、年間最優秀躍進選手賞の候補となるべきだ。

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フレッド・バンブリート(ヒューストン・ロケッツ)

ボールを保つ傾向と月並みなショット成功率から、トロント・ラプターズでのバンブリートは正しく評価されなかった。だが、ロケッツでは3Pが今季成功率39.8%と復調。自己最多の平均8.5アシストも記録している。チームが下位からプレイオフを狙うほど事態を好転させられた最大の理由が、バンブリートとアルペレン・シェングンだ。

バンブリートは素晴らしいリーダーで、鼻っ柱の強いディフェンダーだ。チームに知性とハッスルぶりをもたらす。おそらくは、2022年以来となるオールスターに選ばれることはないだろう。だが、ボックススコアの数字が示す以上の価値がある。

デリック・ホワイト・オールスター:フロントコート部門

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ルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

ゴベアは自身4回目となる年間最優秀守備選手賞の有力候補だ。十分にふさわしい。

昨季は低調だったが、今季のゴベアは復調し、ウルブズのナンバーワンの守備をけん引している。平均2.0ブロックとリーグ最高級のリムプロテクターだ。

守備と比べ、ゴベアの攻撃が遅れをとっているのは確かだ。だが、マイク・コンリーと良いケミストリーを保っており、オフェンシブリバウンドで大きく貢献している。オールスター投票で人気となるプレイではないが、非常に効果的だ。

アーロン・ゴードン(デンバー・ナゲッツ)

ゴードンはこういった選出の完璧な例となる選手だ。マジック時代からの得点力やボールを持ってからの創造力を犠牲にすることもいとわなかった。それによってオールスターに選ばれる可能性を犠牲にしたが、勝利に大きな影響を及ぼしている。チームが必要とする選手をマークし、卓越したローテーションでチームメイトたちをカバーして、リーグ有数の危険なカッターにもなった。

二コラ・ヨキッチと完璧にフィットするために、ゴードンは自分のことを二の次としてきたのだ。彼が汚れ役を引き受けていなければ、ナゲッツは優勝していないだろう。

キーガン・マレー(サクラメント・キングス)

マレーは素晴らしいフィーリングを持った天性のスコアラーとしてNBAにやってきた。今季はそこにさらなる力を加え、キングスのフロントコートで最高のディフェンダーへと静かに変貌を遂げている。リーグ有数のスコアラーたちを封じ、より厳しい任務を引き受けてきた。

また、今季のマレーはプレイメークも少し向上している。マイク・ブラウンから『YouTube』で大学時代のハイライトを見直すように言われてから、ポストアップからのプレイも増えた。攻守両面で非常に優れたウィング、リーグ有数のダークホース的な若手選手となりつつある。

OG・アヌノビー(ニューヨーク・ニックス)

ニックスに移籍して新年を迎えたアヌノビーは、活力を取り戻したかのようだ。トレード以降、上位のプラスマイナスを記録している。

アヌノビーの最大の特徴はディフェンスだ。ラプターズではそのインテンシティーが衰えたかのようだった。だが、ニックスではこれまでのような出来だ。アンソニー・エドワーズからゴベアまで、幅広く守備の仕事を担当している。リーグ有数の万能なディフェンダーで、ヘルプもファンタスティックだ。

攻撃ではそれほど大きな価値をもたらしていない。判断力やショットクリエイト、動きながらのショットはかなり限定的だ。だが、爆発的な跳躍力を持つ素晴らしいフィニッシャーで、オープンな3Pも沈める。スターと称されるような特徴ではないが、試合に勝つのに役立つ。

トレイ・マーフィー三世(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

マーフィー三世ほど優れたモーションシューターはリーグにいないかもしれない。半月板断裂で開幕から出遅れたが、復帰してすぐに3Pを決めるようになり、12試合で成功率42.3%を記録している。

しかし、マーフィー三世はただの3Pスペシャリストというだけではない。ドリブルの回数も増え始めており、守備はルーキーシーズンから向上した。数年以内に本物のオールスターに選ばれる可能性も十分にあるだろう。

次点:エバン・モーブリー、クリス・ポール、オースティン・リーブス、イマニュエル・クイックリー、アル・ホーフォード、ニック・クラクストン、デレック・ライブリー二世、ブルック・ロペス、ジャレット・アレン

原文:The Derrick White All-Stars: O.G. Anunoby, Alex Caruso, Aaron Gordon lead list of NBA's best role players(抄訳)
翻訳:坂東実藍