マレーのトレードはウォリアーズとホークスの修正に役立つ?

2024-01-12
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(Getty Images)

ゴールデンステイト・ウォリアーズが苦しんでおり、ステフィン・カリーを除く全員が議論される。

『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は最近、『Run It Back』でそう報じた。ウォリアーズはベテラン選手たちが十分ではない。活躍を望むなら、死にもの狂いの変化が必要だ。

デジャンテ・マレーはその答えとなるだろうか。トレード市場で手に入れられる選手の中で最も優れたひとりであり、アトランタ・ホークスは彼で取引をするとも報じられている。

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は『Threads』で、ホークスが「マレーやその他の選手たちに関する取引をリーグ全体と話し合っている」と伝えた。

The Athleticのアンソニー・スレイター記者も、『Warriors Plus Minus』で、マレーはウォリアーズにとってトレードのターゲットになり得ると報じている。

実現する場合、どのようなトレードとなるだろうか。そして、両チームにとって理にかなう取引となるのだろうか。

マレーとポール&クミンガのトレードにウォリアーズはどう答えるか

トレード案

ウォリアーズがディアンドレ・ハンターとデジャンテ・マレーを獲得、ホークスがクリス・ポール、ジョナサン・クミンガ、2028年ドラフト1巡目指名権、2028年ドラフト2巡目指名権を獲得。

(Fanspo)

なぜこのトレードに?

ポールが取引に含まれているのは、契約が満了することと、ウォリアーズはガードの層が厚くなるからだ。

ウォリアーズには、ホークスにとって価値のある取引とするだけの指名権がない。そのため、モーゼス・ムーディーかクミンガのどちらかを含めなければならないだろう。そしてサラリー規模から、クミンガのほうが簡単にフィットするはずだ。クミンガはトレイ・ヤングと素晴らしくフィットするだろう。彼はスティーブ・カー・ヘッドコーチに対する信頼を失ったと公言している。フレッシュなスタートを切るタイミングかもしれない。

マレーの契約から、ホークスは大型サラリーの選手を別に加える必要がある。ドラフトの際は『Bleacher Report』のジョナサン・ワッサーマン記者がトレードに関して報じた。昨年のトレードデッドライン(トレード期限)では、『Yahoo』のジェイク・フィッシャー記者がハンターはトレードの対象としていた。ハンターが含められるのが自然だろう。

ウォリアーズがイエスと言う理由

ウォリアーズは攻守両面で月並みだ。クレイ・トンプソン、アンドリュー・ウィギンズ、そしてケボン・ルーニーが全員、2シーズン前にスターティングラインナップとして優勝した時から大きく後退した。

マレーは全盛期のトンプソンのように守備のマッチアップでカリーを守る助けとなれるビッグガードだ。2018年にオールディフェンシブ・セカンドチームに選ばれた時ほどのディフェンダーではなくなっているが、ボールを狙う選手であり、ターンオーバー誘発で26位のウォリアーズを押し上げるのに役立つかもしれない。

また、マレーはウォリアーズが強く必要としている2番手のスコアラーにもなる。カリーの平均26.7得点に続くチーム2番手はトンプソンの17.1得点で大きな開きがあるのだ。そしてトンプソンはシーズンを通じてショットセレクションに問題を抱えている。今のトンプソンは、ベンチスタートから相手のセカンドユニットを相手に爆発できるシックスマンのほうが合っているかもしれないという段階にある。

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もちろん、マレーは全盛期のトンプソンほどのシューターではない。だが、今季の3ポイントショット成功率は39.4%で、1試合平均21.1得点をあげている。

マレーはウォリアーズが慣れ親しんできた以上にピック&ロールをするガードだ。だが、サンアントニオ・スパーズ時代は動き重視のシステムでプレイしていた。カーHCが好むプレイスタイルに適応できるはずだ。優れたパサーかつリバウンダーでもある。ウォリアーズが苦しんできた点だ。そして最も重要なのは、マレーが獲得可能な最高のガードのひとりであるということ。ウォリアーズにはタレントを加えることが必要だ。

マレーはオフシーズンに4年1億2000万ドル(約174億円/1ドル=145円換算)の延長契約にサインした。ウォリアーズが今後、方向転換を決断しても、まだ価値を保つことができるだろう。

(Getty Images)

ウォリアーズがノーと言う理由

このトレードでウォリアーズは優勝を争えるようになるだろうか。向上は確実だ。しかし、今後の柔軟性もさらに制限され、最大限のラグジュアリータックス(ぜいたく税)を払うチームのままとなる。ウェスタン・カンファレンスには非常に優れたチームたちがおり、ウォリアーズはなおもデンバー・ナゲッツ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、オクラホマシティ・サンダーなどに遅れをとるだろう。

ハンターは2022年夏に4年9500万ドル(約137億7500万円)の延長契約を結んで以降は期待に応えられていない。守備と3Pがあるビッグウィングで、彼を加えるという案は非常に貴重だ。今季も3P成功率は40.4%を記録している。だが、健康を保つことに問題があった。プレイメーカーとしては成長できておらず、守備もしかるべき影響力ではない。

見る人が見れば、ハンターの価値は分かる。おそらく、ウォリアーズは彼の強みよりも欠点のほうを見るだろう。

トップに立つのにマレーとハンターでは不十分と判断した場合、ウォリアーズはできるだけ穏やかにこの件を終わらせるかもしれない。それは長期契約の選手を加え続けるより、次の時代のためにクミンガを残すということを意味する。

ホークスは合意するか?

ホークスはハンターの契約を手放したいと望んでいるかもしれない。そしてマレーとヤングのコンビはシンプルに機能しなかった。

マレーを獲得するのに多くの資産を手放したのは痛手だ。2022年夏にマレーを加えるために、彼らはドラフト1巡目指名権3つと指名権交換権をトレードした。しかし、このトレード案は現時点で彼らに望める最高の見返りだろう。

クミンガはヤングと組ませるのに理想的な有望株のひとりだ。NBAドラフト2021で全体7位指名された選手で、フィーリングはまだ粗さがあるが、素晴らしいプレイフィニッシャーである。ヤングならクミンガにとってこれまでで最も簡単に得点できるかたちをお膳立てしてくれるだろう。また、ヤングは守備で欠点をカバーできる自分より大きな選手を必要としている。クミンガは身体能力に優れたアスリートで、いずれチームメイトのミスをカバーできるようになるだろう。

ポールは若手のメンターとして役立つベテランだ。プレイイン・トーナメント出場を争うのにも役立つだろう。契約最終年のため、ホークスはより安価でポールを残すか、夏にフリーエージェントの選手を狙うかの柔軟性を手にする。契約満了となる選手を加え、ハンターとマレーを手放すことで、キャップスペースに大きな空きをつくることもできる。

そしてこの取引で最も重要なのは、2028年のドラフト指名権だ。それまでにカリーは39歳となっている。引退しているかもしれない。ウォリアーズには将来のスター候補がおらず、2028年までにロッタリーチームになっている可能性も十分だ。

そのため、ホークスにとっては、より早くにヤングを中心としたより良いチームをつくるチャンスとなる。両チームにとって、現在向かっている方向よりも良い結果を残すのに役立つかもしれないトレードだ。

原文:This Dejounte Murray trade to Warriors would fix the Hawks and get Golden State back on track(抄訳)
翻訳:坂東実藍