ビールのトレードはリラードを狙うヒートにどう影響?

2023-06-19
読了時間 約2分
(Getty Images)

デンバー・ナゲッツが優勝を決めてからわずか6日。フェニックス・サンズとワシントン・ウィザーズがオフシーズンの口火を切った。

ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、サンズがウィザーズとのトレードでブラッドリー・ビールを獲得するという。両チームはまだ取引を完了していないが、ウィザーズはビールと引き換えにサンズからクリス・ポール、ランドリー・シャメット、複数の将来のドラフト2巡目指名権、指名交換権を獲得するようだ。

ウィザーズでの11シーズンでオールスターに3回選出されたビールは、スーパーマックス契約にトレード拒否条項が含まれていたため、自らチームを選ぶことができた。そして29歳のビールが選んだのがサンズだ。『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によれば、ビールはマイアミ・ヒートといったチームに移籍する可能性もあった。

ビール獲得の有力候補とみなされていたヒートは、これから別のオフシーズンのターゲットに向かわなければならない。ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードだ。

デイミアン・リラードのトレードが噂されるマイアミ・ヒート

ビールのトレードが報じられてすぐ、『Bleacher Report』のクリス・ヘインズ記者は、ヒートがリラードの獲得を狙うと報じた。ヒートは「ベテランガードが展望の変化を求めるオフシーズンと本気で信じている」という。

6月18日(日本時間19日)時点でリラードはトレードを要求していない。ブレイザーズも再建への関心を表明していない。NBAインサイダーのマーク・スタイン記者は16日(同17日)、ブレイザーズに「今すぐ勝利を目指せるタレントを獲得するために、アンフェニー・サイモンズとドラフト全体3位指名権をトレードする用意がある」と報じた。

しかし、ブレイザーズがそういった取引を実現できなければ、リラードの気持ちは変わるかもしれない。

ヘインズ記者は今月、『Dan Patrick Show』で「リラードは勝利を望んでいる。彼は今勝ちたいんだ。タイトルを競いたいと願っている」と話した。

「3位指名権を獲得し、それを維持したら、それが今に役立つとリラードが考えるとは思わない」

Scroll to Continue with Content

「ブレイザーズが3位指名権を維持したら、指名するのがスクート(ヘンダーソン)になろうが、別の選手になろうが、たもとを分かつ可能性について真剣に話し合うことになると思う」

リラードは以前、もしもトレードされるならという仮定の話で、移籍先としてマイアミをあげた。リラードは、チームUSA(アメリカ代表)で一緒にプレイしたバム・アデバヨと親しい仲にある。

最終的には、リラードが残るか去るかを決めることになる。ビールのようにトレード拒否条項はないが、球団のためにしてきたすべてから、ブレイザーズは選手と一緒に取引に取り組むだろう。

デイミアン・リラードのトレードでヒートが手放すのは?

ビールがいなくなれば、スター選手の獲得という点でヒートの選択肢は多くない。フリーエージェントでは極めて限られているため、大型トレードのほうが理にかなう。

ブレイザーズがそれを把握しているのは確かだ。オールNBAチームに選ばれてきたリラードのトレードに、ブレイザーズはハードルを高く設定し、ヒートにすべてを投げ出させようとできるだろう。

取引に含まれるかもしれないヒートの資産は以下のとおりだ。

  • タイラー・ヒーロー
  • ニコラ・ヨビッチ
  • ダンカン・ロビンソン
  • 2023年ドラフト1巡目指名権
  • 将来のドラフト1巡目指名権

これらで十分だろうか。ブレイザーズはもっと多くを望むだろうか。ヒートがさらに提供しなければいけない場合、リラードがフロリダ行きへの関心を失うことはあるだろうか。交渉において選手に大きな主導権があり、要求を引き下げることができたビールをヒートが追っていたのは、まさにそのためだ。

しかし、現時点でこれらの疑問に答えることはできない。リラードはブレイザーズのフロントとトレードについて話し合っておらず、2023-2024シーズンが始まる時にブレイザーズのジャージーを着ている可能性も十分にある。

だがNBAは、物事があっという間に変わる可能性があるとファンに何度も見せてきた。そしてそれこそ、ヒートが実現を望んでいることだ。

原文:Damian Lillard trade rumors: How Bradley Beal-to-Suns deal impacts Heat's pursuit of Trail Blazers star(抄訳)