クリス・ポールはウォリアーズで先発すべき? スターターとベンチスタートの場合の違いを分析

2023-07-11
読了時間 約2分
(Getty Images)

クリス・ポールはNBAキャリアを通じ、すべての試合で先発出場してきた。ゴールデンステイト・ウォリアーズでもそれが続くかどうかは、まだ分からない。

先週末、ポールは自分が先発出場しない場合に一緒にプレイするかもしれないウォリアーズのベンチプレイヤーたちに対する考えを問われた。そしてその答えは、すぐにソーシャルメディアで話題となった。

ポールは「まだ状況がどうなるかは分からない。始めてから解決すべきことだと思う」と話している。

ポールと引き換えにトレードされたジョーダン・プールは2022-2023シーズン、82試合のうち43試合で先発出場した。クレイ・トンプソンやアンドリュー・ウィギンズが欠場した試合の一部でその代わりにスターターを務めている。だが、トンプソン、ウィギンズ、ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーンと一緒に何度か先発出場させたこともあった。

ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチは、ポールのことも同じように起用するのだろうか?

ウォリアーズがクリス・ポールをスターターで起用する場合

ポールは史上有数の優れたポイントガードだ。昨季は自身にとってワーストの部類に入るシーズンだったが、それでも平均13.9得点、8.9アシスト、4.3リバウンド、1.5スティールを記録した。

38歳という年齢でも、ポールはNBA最高のパサーのひとりだ。ミッドレンジからのショット(成功率47.7%)はまだ大きな脅威となる。カリー、トンプソン、ウィギンズがスクリーンをかけ合う一方で、ポールがグリーンやケボン・ルーニーとピック&ロールをすれば、相手守備をかなり苦しめることができるだろう。

ポールはずっと、ボールを持つ時に最高の力を発揮してきた。だが、キャリアを通じてほかのスターたちと一緒にプレイしてきた選手でもある。2017年以降、ポールはキャッチ&シュートの3ポイントショット成功率が44.5%と素晴らしい数字を残してきた。ジェームズ・ハーデンやデビン・ブッカーといった選手たちと一緒にプレイした経験から、やすやすとカリーともフィットするはずだ。

プールは、キャリアのこの段階のポールよりも爆発的なスコアラーである。だが、彼のプレイスタイルがカリー、トンプソン、グリーンを間違ったかたちで消耗させる時もあったようだ。ポールはもっと堅実で頼れる存在となる。特に、ポール、カリー、グリーンのIQが集えば規格外だ。

ウォリアーズのスターティングラインナップは、レギュラーシーズンでは支配的だった。だがNBAプレイオフ2023では、ロサンゼルス・レイカーズとのセカンドラウンドで、攻撃面でいくつか問題に直面した。ポールのピック&ロールは、彼らに必要な「多様性」をもたらすことになるかもしれない。

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ウォリアーズがクリス・ポールをベンチスタートにする場合

ポールをベンチスタートにする最大の理由は、耐久力かもしれない。

NBAドラフト2005で全体4位指名されたポールは、来季が20年目のシーズンだ。出場時間出場試合はいずれも歴代トップ50入りしている。それだけではない。ここ数シーズンはケガにも苦しんできた。レギュラーシーズンの164試合中、出場したのは124試合だ。NBAプレイオフ2023でもそけい部のケガで4試合を欠場した。

キャリアを通じてずっとスターターだったポールだが、出場時間を抑え、プレイオフに向けてできるだけフレッシュに保つには、シックスマンに転向するのがベストかもしれない。スタイル的にも最も理にかなっているかもしれないのだ。

プールは大きなガードではないが、それでもポールより4インチ(約10センチ)高い。ポール、カリー、トンプソン、ウィギンズ、そしてグリーンという組み合わせなら、リーグで最も小さなスターティングラインナップのひとつとなる。ポールをベンチに置くことで、ウォリアーズはグリーンとルーニーを一緒に先発で起用し続けることができる。セカンドユニットにも異なるダイナミックさが加わるだろう。

ウォリアーズの選手層
ポジション スターター セカンド サード
PG ステフィン・カリー クリス・ポール コーリー・ジョセフ
SG クレイ・トンプソン ギャリー・ペイトン二世 ブランディン・ポジェムスキー
SF アンドリュー・ウィギンズ モーゼス・ムーディー
PF ドレイモンド・グリーン ジョナサン・クミンガ トレイス・ジャクソン・デイビス
C ケボン・ルーニー ダリオ・シャリッチ

グリーンは、ポールがジョナサン・クミンガの成長を「完全に解き放つ」と話した。将来の殿堂入りが確実なポイントガードと組むことで、いかに恩恵を受けることができるかは、容易に想像できる。モーゼス・ムーディーやブランディン・ポジェムスキーにとっても同じだ。

昨季のウォリアーズは、ベンチメンバーの得点力が有数だった。だが、ターンオーバーの確率も、リーグで最も高かった。ウォリアーズのセカンドユニットのプレイは、ペースが速くて自由に流れるような攻撃をするスターターよりも、ペースがもっと遅くてピック&ロールを重視するポールのプレイスタイルによりうまく合うはずだ。

2022-2023シーズン序盤、グリーンは「あのユニットはファーストユニットのように速くプレイすべきじゃない」と話している。

「もっと順序だったプレイをすべきだ。もっとセットオフェンスをすべきだよ。ランダムな動きと攻撃じゃなく、もっとパターン化された動きをすべきだ。あのユニットはスローダウンすべきだよ」

「次に、守備を確かにしなければいけない。セカンドユニットの仕事はコートに立ってリードを奪うことじゃないんだ。リードを保つことなんだよ」

ポールがそれらの条件を満たすのに役立つことは疑いない。

原文:Should Chris Paul start for Warriors? The case for and against bringing star guard off the bench(抄訳)