パリオリンピック2024に出場している男子バスケットボールのカナダ代表は、今大会ここまででじつに印象的だ。
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「死のグループ」と呼ばれたグループAに入ったカナダだが、3勝0敗と完璧な成績でグループフェーズを突破。準々決勝では、グループフェーズで2勝1敗だった開催国フランスと対戦することになった。
カナダのベスト8は2000年大会以来のことだ。そして当時、カナダはフランスに5点差で敗れている。
それから24年。両国は再びオリンピックの準々決勝で対戦することになった。今回はカナダのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーやフランスのビクター・ウェンバンヤマを筆頭に、かつてないほどスターぞろいだ。
ともに金メダルを目指す両チームの対戦について、『スポーティングニュース』がまとめる。
カナダ対フランス、パリオリンピック2024準々決勝展望
カナダは才能に加えて勝負の経験も積んできた。フランスに挑む準備を整えている。そしてフランスの苦戦ぶりを考えれば、この対戦ではカナダを選ぶのが適切と思われるだろう。
ウェンバンヤマはすでに素晴らしい選手だが、カナダにはギルジャス・アレクサンダーという最高の選手がいる。彼らはじつに恐ろしいチームをつくってきた。ギルジャス・アレクサンダーを筆頭に、大会中にRJ・バレット、ディロン・ブルックス、ルーゲンツ・ドート、アンドリュー・ネムハードといった選手たちが、それぞれ大きくステップアップしてきたのだ。
そしてさらに、カナダはまだジャマール・マレーがブレイクしていない。
前述の5選手がいずれもペリメーターでプレイすることで、カナダはフランスに対して大きなアドバンテージを手にする。フランスはニコラ・バトゥーム、ビラル・クリバリー、エバン・フォーニエ、フランク・ニリキナが対抗することが必要となるだろう。
グループフェーズでバレットは平均21.0得点とカナダをけん引した。ギルジャス・アレクサンダーは平均19.0得点、4.0リバウンド、4.0アシストだ。グループフェーズの最後には、ネムハードがベンチスタートから途中出場して活躍し、ブルックスは攻守両面で安定していた。
一方のフランスは、ウェンバンヤマが得点、アシストでチームトップ。フロントコートの相棒であるルディ・ゴベアは、状況に応じて役割が変わっている。グループフェーズの最終戦でドイツに14点差で負けたフランスだが、後半最初の5分間でゴベアは不在だった。
2勝1敗という成績でグループフェーズを突破したフランスだが、ドイツ戦では最大24点のビハインドを背負った。その前の日本戦では、終盤の奮闘を必要としている。それらを考えれば、準々決勝までの開催国の道のりが険しいものだったと考えるのは当然だ。
地元の観客がフランスを厳しい相手とするだろう。だが、カナダはすでに結果を出してきた。2週間前の強化試合で、カナダはフランスに12点差で勝利している。
予想:カナダ勝利
カナダ対フランスの注目ポイント:ビクター・ウェンバンヤマとルディ・ゴベアのツインタワー
ペリメーターではカナダにアドバンテージがある。一方で、フランスには文字通りの「大きい」アドバンテージがある。
理論上、ウェンバンヤマとゴベアのフロントコートコンビは恐ろしい。だが、グループフェーズでのゴベアの役割が明らかにしているように、彼らはフロア上で最もフィットしているわけではない。
前回の強化試合で対戦した際、カナダはブルックスがウェンバンヤマにつき、10インチ(約25センチ)の身長差がある相手に対し、強さと守備の直感を生かしてインパクトを残した。日本との試合でも、フランスはゴベアとウェンバンヤマのインサイドでの存在感を生かせなかった。
カナダがフランスにとって難しくする可能性はある。ペリメーターでの強さが彼らに有利に働き、ゴベアとウェンバンヤマをリムから引き離して、難しい状況に追い込むことができるからだ。ウェンバンヤマはそういった状況でもより柔軟であることを証明しているが、ペイントから引き離すことで、世界最高級のリムプロテクト能力を奪うことになる。
序盤にビッグマンでブルックス、パウエル、その他のカナダの選手をファウルトラブルに陥らせようとしたら、事態はフランスに有利に働くかもしれない。観客の後押しが助けになるのも確かだ。ただ、それだけでは足りないだろう。
カナダのジョルディ・フェルナンデス・ヘッドコーチは、大会を通じて素晴らしいゲームプランを見せてきた。そしてこの対戦でも彼は再び試されることになる。ビッグマンの差を埋めるためには、ある程度のクリエイティビティーが必要となるはずだ。
原文:Canada vs. France prediction, picks, odds for 2024 Olympics basketball quarterfinals(抄訳)
翻訳:坂東実藍