ロサンゼルス・レイカーズはサンフランシスコでのカリフォルニア・クラシック・サマーリーグと、ラスベガスでのNBA 2K25サマーリーグに参加した。浮き沈みはあったものの、新人ブロニー・ジェームズにとっては有益な機会だった。
カリフォルニア・クラシック・サマーリーグで、ジェームズは攻撃でリズムに乗れなかった。そしてラスベガス・サマーリーグでもさらに厳しいスランプに陥る。だが、アトランタ・ホークスに僅差で勝利した試合で12得点と不振を脱出すると、続くクリーブランド・キャバリアーズ戦でも13得点をあげている。
NBAでのルーキーシーズンに臨むジェームズの最初の実戦で、どんなことが分かっただろうか。ここでは、そのパフォーマンスや数字の裏を分析する。
ブロニー・ジェームズのサマーリーグの出来
守備のポテンシャルは本物
ジェームズがプロに向けて最も準備できているスキルは、守備だと言って過言ではない。
攻撃が不調だった時も、ジェームズは守備で相手を止められる力を示した。6フィート2インチ(約188センチ)という体格は、守備の面でインパクトを残すには不利と思われるかもしれない。だが、彼はウィングスパンと見事な横へのクイックネスでそれを補っている。
自分をドリュー・ホリデーやデイビオン・ミッチェル、デリック・ホワイトといった選手たちになぞらえているジェームズは、汚れ仕事をいとわないことを示した。それが出発点だ。
守備とリバウンド、そしてチームの勝利に貢献するようなちょっとしたことをこなすのが、NBAシーズンでレイカーズの一員としてコートに立つための近道になるだろう。
NBAレベルの守備ができれば、レイカーズにとって正味プラスとなるかもしれない。
攻撃は時間とともに上昇
ジェームズが攻撃面でリズムをつかむには一定の時間が必要だった。サンフランシスコでの2試合では、フィールドゴール12本中3本成功にとどまり、3ポイントショットは4本試投で成功なし。合計で7得点にとどまった。
ヒューストン・ロケッツに敗れたラスベガス・サマーリーグの初戦では8得点をあげ、サンフランシスコでの2試合合計を上回った。だが、3Pは8本試投で成功なし。ショットを打ち続ける自信は心強いが、攻撃面では自分への確信が持てないようなところもあった。
ラスベガスでの2試合目も苦戦は続いた。FG5本中1本成功の2得点にとどまり、そのパフォーマンスはさらに全米の話題となった。
しかし、ホークス戦でジェームズは流れを変える。FG11本中5本成功とショットを決めるようになり、何より重要なことに、初の3Pを沈めたのだ(5本中2本成功)。続くキャバリアーズ戦でも、ジェームズはFG10本中5本成功の13得点をあげ、チームの勝利に貢献している。
ショットの効率だけではない。ジェームズは終盤、レイカーズが連続9得点をあげて勝利を確実にした中で、3Pを成功させ、勝負どころでの強さも見せた。
ジェームズはNBAドラフトコンバインでジャンプショットが良かったし、もちろん3Pが重要なスキルとなる。つなぎ役として、賢いカッティングやパス、そして機会を与えられた時にオープンな3Pを沈めることが期待されるのだ。
調子を上げていく中で、彼はそれらすべてをこなす力を示した。
重要なのは忍耐
ジェームズにとっても、レイカーズにとっても、世界中のバスケットボールファンにとっても同じだ。
名前は別にして、ジェームズは典型的なドラフト全体55位指名の選手ではない。また、大学1年生としての普通の成長の道筋から外れ、人生を変えるような出来事となった心停止に見舞われてから、1年も経たずしてのサマーリーグ出場だ。
忘れてはいけないのは、ジェームズがまだ多くの点で巻き返そうとしているところだということ。大学で学ぶ機会をフルに得られなかったジェームズは今、NBAの試合に適応しようとしているのだ。
大事なのは忍耐だ。ジェームズの契約は4年間であり、もっと大局的にその成長を見るべきだからである。ルーキーシーズンにNBA Gリーグで重要な練習を積み重ねていくだろう。そしてそれはプロになることを容易にさせてくれるはずだ。
忘れてはならない。彼はまだ10月で20歳の選手だ。まだ成長は終わっていないかもしれない。まだまだ完成形ではないのだ。
ブロニー・ジェームズのサマーリーグのスタッツ
試合 | 6 |
平均出場時間 | 25.0 |
平均得点 | 7.0 |
平均リバウンド | 3.5 |
平均アシスト | 1.5 |
平均スティール | 1.0 |
平均ブロック | 0.8 |
平均ターンオーバー | 1.8 |
フィールドゴール成功率 | 17/52(32.6%) |
3ポイントショット成功率 | 3/23(13.0%) |
フリースロー成功率 | 5/8(63.5%) |
ブロニー・ジェームズのラスベガス・サマーリーグのスタッツ
試合 | 4 |
平均出場時間 | 25 |
平均得点 | 8.8 |
平均リバウンド | 3.5 |
平均アシスト | 1.0 |
平均スティール | 0.8 |
平均ブロック | 0.5 |
平均ターンオーバー | 2.3 |
フィールドゴール成功率 | 14/40(35.0%) |
3P% | 3/19(15.8%) |
フリースロー成功率 | 4/4(100.0%) |
ブロニー・ジェームズのカリフォルニア・クラシック・サマーリーグのスタッツ
試合 | 2 |
平均出場時間 | 25.7 |
平均得点 | 3.5 |
平均リバウンド | 3.5 |
平均アシスト | 2.5 |
平均スティール | 1.5 |
平均ブロック | 1.5 |
平均ターンオーバー | 1.0 |
フィールドゴール成功率 | 3/12(25.0%) |
3ポイントショット成功率 | 0/4(0.0%) |
フリースロー成功率 | 1/4(25.0%) |
原文:Bronny James Summer League takeaways: Lakers rookie shows defensive tools, offensive potential in Las Vegas(抄訳)
翻訳:坂東実藍