7月25日(現地24日)、南カリフォルニア大学(USC)の1年生であるブロニー・ジェームズが、練習中に倒れて心停止状態になっていたことがセレブリティーニュースサイト『TMZ』の報道によってわかった。
ジェームズの家族の発表によると、NBAスーパースターであるレブロン・ジェームズの長男であるジェームズは、その場で手当を受けたのちに病院に搬送され、現在の容態は安定しているという。
以下は心停止状態から回復中であるブロニーの容態に関する最新情報である。
ブロニー・ジェームズの心停止
現地27日午後3時49分 – 病院が現地27日、ブロニーは治療を受けてから退院したと発表した。搬送時にブロニーは完全に意識があり、神経学的に損傷なく、安定しているという。
現地27日午後12時15分 – レブロン・ジェームズが現地27日に投稿。家族がすべての人からの祈りに感謝していると伝えた。「みんな素晴らしい」と述べ、家族は「安全で健康」と明かしている。
現地26日午前7時30分 – ブロニーの弟ブライスが前夜にインスタグラムに画像を投稿。兄弟が並ぶ後ろ姿に、ハートの絵文字が添えられている。現地26日朝の時点でブロニーの状態に関するアップデートはなかった。
現地午後8時47分 – 現地25日に公開された911番通報によると、ブロニーは倒れた際に意識を失った。医療関係者が到着する前に現場にいたトレーナーたちが救命措置を行ったことで、その迅速な対応が称賛されている。
現地午前10:37 a.m. - 『TMZ』は事情に詳しい関係者の話として、現地時間月曜午前9時26分、チームが練習しているUSCのゲイレン・センターから誰かが911番通報したと伝えた。18歳のジェームズは救急車で病院に運ばれ、ICU(集中治療室)に収容された。
ブロニー・ジェームズが心停止に陥り、現在は容態が安定していることをジェームズ家のスポークスマンが『TMZ』に認めている。『TMZ』が入手した声明によると:
「昨日(月曜日)、ブロニー・ジェームズは練習中に心停止を起こしました。医療スタッフがブロニーを治療し、病院に連れて行くことができました。現在は容態は安定しており、ICUにはもう入っていませんジェームズ家のプライバシーを尊重することをお願いするとともに、詳しい情報が入り次第、メディアに報告いたします」
「レブロンとサバンナは、USCのメディカルスタッフとアスレティックスタッフの素晴らしい働きと、アスリートの安全確保への献身に対し、公に深い感謝とお礼を送りたいと思います」
ロサンゼルスのシエラキャニオン高校出身のジェームズは、2023年のリクルートクラスで最も注目された選手の1人だ。247Sportsのランキングによると、彼は5つ星ランクの選手(全米22位)だった。また、On3によると、彼は大学選手のなかで最も高いNIL(Name-Image-Likeness/選手の肖像権などを介して学生アスリートがアマチュア資格を維持しながら稼ぐことができる制度)評価額(630万ドル)を持っている。
多くの大学からリクルートされながらもUSC進学を選んだブロニーとともに、父のレブロン・ジェームズはNBAで共にプレイすることに興味を示している。
心停止と心臓発作の違い
どちらも心臓に関わることではあるが、心停止と心臓発作は異なるもの。
アメリカ心臓協会(AHA)は、両疾患の違いを次のように指摘している:
心臓発作とは、心臓への血流が遮断されることである。突然の心停止とは、心臓が機能不全に陥り、突然拍動が停止することである。心臓発作は「循環」の問題であり、突然の心停止は「電気活動」の問題である。
心停止とは?
心停止は不整脈と呼ばれる不規則な心拍を引き起こす電気的な「誤作動」の結果として、警告なしに起こる可能性があるとAHAは指摘している。心停止は、脳、肺、その他の臓器に血液を送り出す心臓の機能に影響を及ぼし、酸素が供給されないと意識不明となり、脈拍もなくなる。心停止に陥った人は、治療を受けなければ数分以内に死亡する可能性がある。
過去に心停止に陥ったアスリート
直近で心停止に陥った選手で最も注目すべき例は、バッファロー・ビルズ(NFL)のセーフティー、ダマー・ハムリンだ。2022年のNFLシーズン第17週、シンシナティ・ベンガルズのレシーバー、ティー・ヒギンズをタックルした後、ハムリンは倒れ込み、ビルズの医療スタッフによってペイコー・スタジアムのフィールド上で心拍を回復させる処置が必要となった。
ハムリンは胸部を強く打った後に不整脈を起こし、心停止に至る心臓震盪(しんぞうしんとう)を起こした可能性が高いとされている。現地月曜日に倒れたというニュースを知ったハムリンは、ブロニー・ジェームズと彼の家族にメッセージを送っている。
USCのバスケットボール部員が心停止に陥ったのは今回が初めてのケースではない。2022年7月にも、ワークアウト中にビンセント・イワチュクウが似たようなことがあったのだ。彼は『Rivals.com』の取材に対して、意識を失う前に強い疲労感を覚え、その後にめまいがしたと語っている。
かなり疲れた状態で練習に行ったんだ。(略)その日は元々調子が悪かった。(それでも)良い練習はできていた。体育館にはコーチも数人いて、その時点まではかなり良いプレイができていたと思う。リバウンドを取ってガードに出し、フロアを走ってロブをキャッチし、着地したあとに「なんだかとても疲れているな」って感じたんだ。水休憩をとって座っていたら、すべてがフラフラしてきて、『うわ、これはクレイジーだ』って感じになって、それから(倒れた)。
USCのアンディ・エンフィールド・コーチが『Rivals』に語ったことによると、イワチュクウが倒れた直後、ストレングスコーチのカーティス・シュルツが911に電話している間にマネージャーと共に壁にかかっている自動体外式除細動器(AED)を撮りに行った。アソシエイト・アスレティック・トレーナーのジョン・ヨナミネ、USC女子バレーボール・トレーナーのローレン・クロフォード、女子バスケットボール・トレーナーのエリン・ティルマンがイワチュクウの心肺蘇生を行い、AEDを使って心拍を回復させた。
216cm、107kgのセンターであるイワチュクは、将来同じようなことが起きないように、植え込み型除細動器(ICD)を心臓に埋め込んでいる。そのおかげで「無敵に感じる」とのちに記者たちに語っている。2022-2023シーズンからUSCでのプレイを復帰し、14試合に出場、そのうち5試合で先発出場。平均13.9得点、2.5リバウンドの成績を残した。
原文:Bronny James cardiac arrest updates: LeBron James' son in 'stable condition' after collapsing during USC workout by Zac Al-Khateeb(抄訳)