レブロンの息子ブロニーはNBAドラフト2024にエントリーすべきか、大学に残るべきか?

2024-03-15
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(Getty Images)

ブロニー・ジェームズの南カリフォルニア大学(USC)での1年目シーズンは、「マーチ・マッドネス」にはわずかに及ばなかった。

USCは3月14日(日本時間15日)、Pac-12トーナメントでアリゾナ大学に敗れた。15勝18敗でNCAAトーナメント進出はならず。USCが別のポストシーズン・トーナメントに出るかは不明だが、いずれにしてもレブロン・ジェームズの息子には重要な決断が迫りつつある。

レブロンは息子ブロニーと一緒にプレイするまでNBAに残る意向を公にしてきた。39歳という年齢ながらオールNBA級のプレイを見せている。そのことは、ブロニーがもう一年大学に残ると決断した場合、重圧を少し和らげてくれるかもしれない。

だが、レブロンは2024-2025シーズンがプレイヤーオプションだ。ブロニーがNBAドラフト2024へのエントリーを表明したら、レブロンはフリーエージェントになって息子と同じチームに行くかもしれない。

オールスターウィークエンドで、レブロンは「(ブロニー)ブロニーに)よることだ」と述べている。

「彼次第だよ。すべてのプロセスをこなしていく。彼はまだシーズン中でPac-12トーナメントがある。選択肢を検討して、本人に決断を委ねるよ」

ブロニーにとって何が最善の道なのか。『スポーティングニュース』では、NBAドラフト2024にエントリーすべき理由、すべきでない理由をまとめる。

なぜブロニー・ジェームズはUSCで続けるべきか

大学での1年目は、控えめに言っても普通ではなかった。19歳のブロニーは夏のワークアウト中に心停止に見舞われ、4か月の中断を余儀なくされたのだ。

復帰後も、ブロニーは最初の4試合で出場時間の制限があった。NBAレベルのインパクトを残そうという新入生にとって、理想的なスタートではなかったのだ。

1年でNBA入りを目指す計画なら、力を示すために望んだ機会を得ることはできなかった。スーパーシニアのブギー・エリスや、2023年の高校ナンバーワンだったアイザイア・コリアーの後塵を拝し、シーズンの大半でベンチスタートだったのだ。両選手がケガで欠場した時も、ブロニーはより大事な役割で輝くチャンスを生かすことができなかった。

ブロニーはボールハンドラーとしてプレイをつくるだけの自由がなく、ショットもうまく打てず、ショットクリエイトの幅も示せなかった。プレイタイムも不安定で、本当にリズムをつかめなかったのだ。

ブロニーは出場25試合で平均4.8得点、2.8リバウンド、2.1アシスト、0.8スティールという成績だった。NBAドラフトの有望株の通常からはほど遠い。だからこそ、USCで続けるのが最善かもしれない。

エリスは卒業し、コリアーはNBA入りが確実視されている。来季、USCのバックコートは、平均30得点&7アシスト&フィールドゴール試投20本超を失うのだ。

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USCの動きは分からないが、ブロニーは2年目選手として先発出場が見込まれる。彼の両肩にかかるプレイメークと得点力の責任は大きくなるはずだ。オフシーズンすべてを使ってプレイを磨き、プレシーズンをフルに生かして新たな役割に慣れることができるだろう。心臓の問題で昨年はできなかったことだ。

ブロニーは何があってもNBAドラフトへの手続きを進めるだろう。だが、もっと大きなインパクトを与えられると証明するためにUSCに残ることを選んでも驚きではない。

(Getty Images)

なぜブロニー・ジェームズはNBAドラフト2024にエントリーすべきか

ブロニーは2巡目指名か指名外になるとの予想が大勢を占める。だがそれでも、レブロンの息子を選ぶ機会をNBAの全30チームが見過ごすとは想像しがたい。

ひとつの要因ではあるが、FAになった場合にレブロンを獲得するチャンスが高まるからというだけではない。完全なるタレントが不在のドラフトだけに、史上最高選手の息子を獲得し、ポテンシャルを完全に解き放つことに期待する機会を見過ごすだろうか。

ブロニーはまだ19歳で、6フィート4インチ(約193センチ)の210ポンド(約95キロ)。彼のポジションならすでにNBAのサイズであり、父親のように6フィート9インチ(約206センチ)に達することはなくても、まだ成長する可能性もある。

プロのスキルは垣間見せてきた。賢いし、ボールマンに対するディフェンダーとして粘り強い。1年生シーズンのショットの数字はむらがあったが、スムーズなフォームをしている。ボールを持っても持たなくてもプレイでき、どんなロスターにもフィットする可能性を持つ。

NBAのローテーションプレイヤーにまで成長するには、数年を要するかもしれない。しかし、才能を開花させるのにGリーグでの経験を必要とし、現在はインパクトを残すようになった選手はたくさんいる。

例えば、ボストン・セルティックスのデリック・ホワイトは、ブロニーの参考となるかもしれない。Gリーグで一年を過ごし、サンアントニオ・スパーズでの数シーズンを経て、セルティックスではオールスター級の選手となった。

正しい状況に身を置けば、ブロニーも似たような道で成功できるかもしれない。そして彼がNBAドラフト2024にエントリーした場合、指名する可能性のあるチームが優先するのはフィット感だ。

ブロニーのエージェントである『Klutch Sports』のリッチ・ポールCEOは、『ESPN』で「若手については、ギャンブルさせるより、適切なチームにおいて適切な状況下で成長できることを重視する」と話した。

また、ポールは、同じチームになればレブロンが当然ながら「この上なく喜ぶ」としつつも、「ブロニーが自分なりに主体的であることをレブロンは望んでいる」とも話した。

レブロンがすでに口にしたように、大きな決断を下すのは、ブロニー自身だ。

原文:Will Bronny James declare for the 2024 NBA Draft? Why LeBron's son should — and shouldn't — return to USC(抄訳)
翻訳:坂東実藍