ミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズ以上に、ここまでの今ポストシーズンで楽しんでいるNBAのスター選手はいないだろう。
フェニックス・サンズとのプレイオフ・ファーストラウンドで、エドワーズはバスケットボールファンを驚嘆させてきた。ケビン・デュラントを擁するサンズをスウィープ(4勝0敗)で沈めた一戦で40得点をあげ、ウルブズを2004年以来となるプレイオフシリーズ勝利に導いている。
デンバー・ナゲッツとのカンファレンス・セミファイナル第1戦でも、エドワーズは43得点をあげて106-99の勝利に貢献。22歳以下でプレイオフ2試合連続40得点超を記録したのは、NBAの歴史でコービー・ブライアントに続く史上2人目だ。
エドワーズ自身は、その輝かしいパフォーマンスへの注目を気にしていない。だが、ひとつうんざりしていることがあるという。マイケル・ジョーダンと比較されることだ。
『Fox Sports』からジョーダンとの比較について問われると、エドワーズは「やめてほしい」と話した。
「彼は史上最高だ。僕と彼を比較することはできない」
アンソニー・エドワーズとマイケル・ジョーダンの比較
エドワーズとジョーダンの比較は終わりがないかのようだ。ケビン・ガーネットやチャールズ・バークリーといった元選手たちも、彼らに似たところがあると指摘していた。
ガーネットはエドワーズについて「1984年の若かりしジョーダンのようだ」と話している。
バークリーは、『ESPN』で「ジョーダンとブライアントをすごく思い出させる。試合に勝つためなら何でもするんだ」と述べた。
「今はそういう選手が多くない。みんな仲良しになりたがる」
「エドワーズはみんなに対して、『お前たちが何かよこすのを待つつもりはない。オレが全部やる』という感じだ。大好きだよ」
そのジョーダンとの比較を、エドワーズはなぜ問題視しているのか。自分に対する期待が大きくなりすぎることを避けようとしているのだろうか。
エドワーズはFox Sportsで「違う。プレッシャーはない」と語った。
「ただとにかく、あり得ないことだ」
エドワーズは的を射ている。ジョーダンはNBAで優勝6回を達成し、得点王に10回輝いた人物だ。1986-1987シーズンから1992-1993シーズンまでは7年連続で得点王だった。
優れた選手ではあるが、エドワーズはまだ4シーズン目の選手だ。プレイオフのシリーズに勝ったのは一度しかない。たとえ両者のプレイに類似点があることは否めなくても、彼らを比較するのは早すぎる。
アンソニー・エドワーズはNBAの顔に?
それでも、22歳のエドワーズは急成長しつつあり、リーグの顔のひとりへと向かっている。
彼はそれをどう思っているのだろうか。本人は、勝つことだけに集中しているという。
エドワーズはFox Sportsで「本当に気にしていないんだ」と話した。
「誰をリーグの顔にしようと、僕を選ぼうが、選ぶまいが、本当に気にしない。僕はとにかくチームメイトたちと勝とうとしているだけだ。リーグの顔になることは本当に気にしていない。チームがリーグの顔になるなら、それは素晴らしいことだろうね」
もちろん、ウルブズを勝利に導き続ければ、エドワーズはますますリーグの顔へと近づくだろう。
本人は、早ければこのポストシーズンでそうなるかもしれないと考えている。
エドワーズは「ウルブズが健康なら、僕らは今季優勝できると思っている」と話した。
原文:Anthony Edwards is over the Michael Jordan comparisons: Timberwolves star explains why he wants comp 'to stop'(抄訳)
翻訳:坂東実藍