バスケットボール界がAJ・ディバンツァの名前を知る時が来た。
彼は2026年のドラフトのトッププロスペクトのランキングで1位というだけでない。ディバンツァは、全高校バスケにおける最高のNBA有力候補の1人なのだ。
ディバンツァは若干16歳で、身長6フィート7インチ(201cm)、体重185ポンド(約84kg)。筋肉質でアスレチックなスモールフォワードで、すでにプロ級のショットを生み出すスキルを見せ、ポスト、ミッドレンジ、3ポイントと、コートのどこからでも得点を量産している。
左右どちらの手でも自信を持ってドリブルでアタックし、無駄なドリブルをせずに自分のスポットにたどり着く。ドライブ時のボディコントロールは抜群で、長さを生かしてリムに到達し、コンタクトがあっても難なくドリブルでフィニッシュする。ジャンパーはスムーズで、3ポイントショットラインの外からもミッドレンジからもプルアップが打てる。ディフェンス面でも、NBAチームが求める2ウェイウイング(攻守両面で優れるウィング)としての万能性を備えている。
ディバンツァは、地元マサチューセッツ州ブロックトンを代表していることを誇りに思っているが、高校1年のシーズンはマサチューセッツ州ニーダムにあるセント・セバスチャン・スクールに通っていた。
彼はマサチューセッツ州ゲータレード年間最優秀選手賞を高校1年生で獲得し、2012年のナーレンズ・ノエル以来の州における高校生ランキング1位となった。彼の存在はすでに、高校時代にマサチューセッツ州のケンブリッジリンジ・アンド・ラテン(Cambridge Rindge and Latin)でプレイし、殿堂入りを果たしているパトリック・ユーイングのドラフト前のときと同じくらいの盛り上がりを見せている。
よりタフな挑戦を求めて、この天才高校生は2年生のシーズンからカリフォルニア州ナパにあるプロリフィック・プレップ(Prolific Prep)へ編入することを選んだ。そこは、2021年のドラフト全体2位指名のヒューストン・ロケッツのジェイレン・グリーンのようなプロ選手を輩出している新たなNBA温床の地だ。
また、彼はナイキ・EYBL(Nike Elite Youth Basketball League)のピーチジャム・トーナメントでは最年長のグループでプレイし、1試合平均25.8得点を記録して17歳以下の全選手の得点王にもなった。
そして、NBA史上最も偉大な選手たちが彼の新進気鋭の才能に注目するまでには、高校バスケを始めてたった1年しかかからなかった。
彼の高校生として初めてのオフシーズンは実り多きものとなった。ロサンゼルスの夏の伝説的なプロ・アマリーグであるドリュー・リーグの試合に出場し、圧倒的な強さを見せた。ジェイソン・テイタムやステフィン・カリーのエリートキャンプに参加し、レブロン・ジェームズ、ケビン・デュラント、ポール・ジョージ、クリス・ポールといったスーパースターたちとともにワークアウトをした。
それでも、スターダムを駆け上がるティーンエイジャーであるにもかかわらず、彼はスポットライトを浴びることにまったく動じない。
AJの父親のエースは、「彼はとても謙虚な子だ。スター気取りではない。ただ自分の道を進んでいるだけで、それを楽しんでいるんだ」と、『Sporting News』に語っている。
レブロンやKDのような歴代の名選手たちとのワークアウトについて尋ねられたときのディバンツァの答えは、自分のヒーローに会う機会を得て目を輝かせる子どもの反応とは違っていた。むしろ、将来殿堂入りするであろう偉大な選手たちといつの日か競い合うことになる、1人の学生のような口ぶりだった。
「身長を生かすように言われました。そんなにドリブルする必要はなくて、ディフェンダーよりも上に上がるだけでいいんだ、と」
ディバンツァは自信たっぷりにそう語った。
「KDも、レブロンも、ポール・ジョージもみんなそう言っていました」
インタビュー当時、ディバンツァはカリーのSC30セレクトキャンプを終えたところで、史上最高のシューターの仕事への姿勢を肌で感じていた。
カリーについてディバンツァは、「個人的に彼は僕の歴代トップ10に入る選手なので、彼から学ぶのは素晴らしかったです」と話している。
「彼は明らかに歴代で最高のシューターで、(シューティングについて)僕に素晴らしいヒントをくれました」
「彼のワークアウトは確かに違うものがあります。これまでプロの選手たちと一緒にワークアウトしてきましたが、彼のワークアウトはほかの選手と比べて一番違っていました」
現在のNBAで最高の選手たちとのワークアウトをあっという間に実現させたディバンツァだが、一緒に練習をしたい選手がほかにもまだ何人かいる。見るのが好きな選手として、彼は(ポール)ジョージ、テイタム、カワイ・レナード、ブランドン・イングラムを挙げており、最後の2選手が一緒に練習をしたいリストの筆頭だ。
「カワイ以外では…ブランドン・イングラムです。彼とワークアウトできたら最高ですね」と、ディバンツァは言う。
彼は、新しい学校となるプロリフィック・プレップでの極めて重要な(高校)2年生のシーズンに向けて準備を続けている。そこでは、全米選手権で国内一を目指して戦うことを期待されている粒揃いのチームに参加するのだ。
プロリフィック・プレップで全国を巡ってプレイすることについて尋ねられたディバンツァは、「NBAは最高峰の舞台なので、若いうちから始めた方がいいんです」と話す。
「それぞれのクラスで最高の選手と対戦するのであれば、 対戦する選手の中にはいつかドラフト指名される可能性が高い選手もいる、 つまり、将来のNBA選手と対戦することになります」と、彼は続ける。
「競争のない公立校でプレイして、それから大学に行ってすごく短期間でアジャストしなければならなくるよりも、プロリフィックの方が大学行きにずっと早く適応できるようになると思っています」
ここで彼がほのめかしているように、現在、ディバンツァにはNBAに進む上で望ましいと感じているルートがある。
「いろいろな選択肢がありますが、僕は大学に進学する方向に気持ちが傾いています」と、彼は『TSN』に話している。
ディバンツァには、大学進学、そしていずれはNBA入りするという輝かしい未来が待ち受けているが、今の彼はプロリフィック・プレップでのデビューシーズンに全神経を集中させている状況だ。
「楽しみですね。できたらGEICO Nationals(GEICOナショナルズ:全米男子高校トップ8校で争われる事実上全米一を決めるトーナメント)で優勝できたらと思います。きっとできると思っています」
原文:2026 top prospect AJ Dybantsa reveals advice learned from LeBron James, Kevin Durant in private workout
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc