NBAオールスター2023の2日目となった2月18日（日本時間19日）、開催地のユタ州ソルトレイクシティで行われた記者会見で、アダム・シルバーNBAコミッショナーがロードマネジメント（負荷／疲労管理）についての見解を述べた。
以下、シルバーNBAコミッショナーの発言要約。
ケガを押してでもプレイすることは適切ではない
「選手たちはしばしば大きな痛みを抱えながらプレイしたり、ケガとまではいかずとも、あらゆる種類の痛みを常日頃から抱えながらプレイしている。NBAの選手たちはリーグのためにももっとプレイするべきだという考えもあるが、私はそうは思わない。かつてのように、ケガを押してでもプレイすることは適切ではない。
必ずしもリーグ全体がそうであるとは限らないが、リーグに長く在籍している選手の中には、実際に追加の休養を必要とする選手がいることは確かだ。期待値はリセットする必要があるかもしれない。選手会と話し合って、特定の選手にもう少しインセンティブを与えるようなこともできるかもしれない。
選手たちと話して思うことは、このリーグでプレイするということは、今や年間を通じて取り組むべきことだということ。ケガを予防するということは、選手が年間を通じてどのように自分の身体を扱うのがよいか、チームが年間を通じてどのように選手と接するべきか、そして、選手が健康でできるだけ長く出場できるようにするにはどうすべきなのかを、最高のデータを使って導き出す必要がある」
日程延長や試合数減少は必要に応じて検討する
「ある時点で、連戦を減らすために日程を長くした方が良いという結論に至れば、それは検討する価値がある。試合数を減らすことに意味があると思えば、そうするだろう。しかし、事前の実験や、シーズン中のデータ、選手が負傷したときのデータを見ても、それを示唆するデータはない。シーズンが進むにつれて負傷者が増えるようにみえるかもしれないが、必ずしもそうではない。
これは新しい問題ではなく、選手会とは現在進行形で話し合っている。この件については必ずしも選手会と敵対しているとは思わない。医師やデータサイエンティストとともに、選手のパフォーマンスにとって最適な方法がないか一緒に考えている」
最終的にNBAの価値を決めるのはファン
「特定の試合のチケットを買っていて目的の選手が出場しなかった場合のファンの立場は理解できる。それに関しては、このリーグは奥が深く競争が激しいということ以外、答えがない。
詰まるところ、NBAが見るに値するか、お金を払うに値するかを判断するのは、最終的にはファンだ。ただし、今現在は、彼らはNBAを楽しんでいて、記録的なレベルでNBAを観戦しているというデータが出ている。
それでも、この件については重要視している。これからも研究を続けていかなければならないと考えている」