ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは、長距離ショットでバスケットボールを変えた。そして今、彼はスポーツ界におけるセレブレーションのやり方を変えつつあるのかもしれない。
NBAファイナル2022第6戦の第4クォーター、3ポイントショットを決めた時に、カリーが「おやすみ」ポーズで得点を祝ったのは有名だ。リードを保ったウォリアーズは優勝し、カリーはファイナルMVPを受賞。ベイ・エリアは沸いた。
今プレイオフの各ラウンドでカリーが見せてきた「おやすみ」ポーズは、先週辺りからスポーツ界で大きく流行している。
これを始めたのは、カリーだったのだろうか。
カリーは様々な流行をつくってきた。フリースローの際にマウスピースをかむ仕草や、ビッグプレイを見せた時のシミーダンスなど、カリーは何度か革命を起こしたことで知られる。
だが、少なくとも一見したところ、「おやすみ」ポーズを始めたのはカリーではない。
ツイッターで多くのユーザーが指摘したように、著名レスラーのCM・パンクが、2000年代終盤にこのポーズを定期的に見せていた。実際、CM・パンクはフィニッシュの得意技「Go To Sleep」をする際に、このジェスチャーをしていたのだ。
カリーがCM・パンクのジェスチャーを参考にしたのかは分からない。カリー本人に聞く限りは、とっさのことだったという。ウェスタン・カンファレンス・ファイナル第2戦の試合後、カリーは「分からない。そういうのを準備することはないんだ」と話している。
「ただ楽しんでいただけだよ。子どもがいると、寝る前のルーティンがいかに大切か分かるだろう。その日の仕事をうまくやったという最後のシグナルなんだ。かなり特別なことさ」
ちなみに、その試合でカリーが見せた「おやすみ」ポーズがこれだ。
このジェスチャーは、少なくとも10年前からスポーツ界で使われていた。おそらくはもっと以前からだろう。劇的な一発の後で「おやすみ」と言わなかった野球選手などいなかったのではないか。ただ、起源がなんであろうと、カリーが普及させ、主流にしたことは明白だ。
そして、スポーツ界は「おやすみ」ポーズに注目した。
最初は6月24日(日本時間25日)のWNBA、アトランタ・ドリーム戦でカリーのようなロゴスリーを決めたニューヨーク・リバティーのサブリナ・ヨネスキューだった。
同じくWNBAのフェニックス・マーキュリーでプレイするスカイラー・ディギンズ・スミスも、6月25日(同26日)のダラス・ウィングス戦で3Pを沈めた際に「おやすみ」ポーズをしている。
すぐに野球界でも見られるようになった。ミルウォーキー・ブルワーズのセンター、アンドリュー・マカッチェンも、6月25日(同26日)のトロント・ブルージェイズ戦でホームランを打った際に「おやすみ」ポーズをした。
USFL(ユナイテッド・ステイツ・フットボール・リーグ)の選手たちも続いた。バーミンガム・スタリオンズのTorrance MarableとJ'Mar Smithは、ニューオーリンズ・ブレイカーズを下した際に「おやすみ」ポーズを見せている。
「おやすみ」ポーズをつくったのは、カリーではないかもしれない。だが、最近の流行に火をつけたのが彼であることは確かだ。
問題は…次にそれをするのは誰かということだ。
原文:Stephen Curry's 'Night Night' celebration is taking over the sports world(抄訳)