ウォリアーズのトンプソン「『第6戦の男』にふさわしくありたい」|NBAファイナル2022

2022-06-16
読了時間 約3分
NBA Entertainment

NBAプレイオフ2022のこれまでの3ラウンドで、ゴールデンステイト・ウォリアーズは最初のクローズアウトゲーム(勝てばシリーズ制覇)を敵地で落としてきた。

デンバー・ナゲッツとのファーストラウンドでは、第4戦を落としてスウィープ(4連勝)とならなかった。カンファレンス・セミファイナルでは、敵地での第5戦でジャ・モラント不在のメンフィス・グリズリーズに黒星。2日後に本拠地チェイス・センターで突破を決めている。

ダラス・マーベリックスとのカンファレンス・ファイナルでは、第3戦までに相手を43点上回って3連勝。だが、第4戦ではスターターの得点で58-86と大差をつけられて屈した。ホームでの第5戦ではハーフタイムまでに69-52とリードを奪い、8年間で6度目となるNBAファイナル進出を果たしている。

ボストン・セルティックスとのNBAファイナル2022第5戦を終え、ウォリアーズは3勝2敗と優勝に王手をかけている。6月16日(日本時間17日)、TDガーデン(マサチューセッツ州ボストン)で行われるクローズアウトゲームを前に、ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチは「それがNBAというだけだ」と話した。

「才能あるチームや選手たちと対戦するんだ。そして敵地での対戦。プレイオフのクローズアウトゲームは、どこが相手でも簡単じゃないんだよ」

「共通したテーマなどない。我々はとにかく良いプレイをして勝たなければいけないというだけだ。シンプルなことだよ」

これまでのラウンドと違うのは、ミスをする余地がないということだ。今回は、ここで勝負を決めるチャンスを逃すと、何が起きてもおかしくない第7戦に至る。

歴史は、NBAファイナルで3勝2敗とリードしたチームの81.3%が優勝と示している。だが、第6戦で決着をつけられなかった場合が厄介だ。

ABAと統合した1976-77シーズン以降の45回のNBAファイナルで、第6戦まで勝負がつかなかったのは29回。そのうち21回は、3勝2敗としたチームが第6戦で優勝している。しかし、それ以外の8回のうち6回は、第6戦で優勝を決められなかったチームが第7戦も敗れているのだ。

1978年のシアトル・スーパーソニックス、1998年のデトロイト・ピストンズ、1994年のニューヨーク・ニックス、2010年のセルティックス、2013年のサンアントニオ・スパーズ、2016年のウォリアーズは、第6戦で仕事を完了させられず、第7戦も落として優勝できなかった。

3勝2敗で迎えた第6戦を落としながら、第7戦で優勝を果たしたのは、1984年のセルティックスと2005年のサンアントニオ・スパーズしかいない。

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ウォリアーズは第6戦を落としたくないところだ。だが、ナゲッツ、グリズリーズ、マーベリックス同様、セルティックスも簡単にはシーズンを終わりにさせまいとするだろう。

歴史もセルティックスに味方している。過去に21回のNBAファイナルを戦い、17回優勝しているセルティックスだが、優勝できなかった4回のうち、ホームでの相手のクローズアウトゲームを落としたのは、1985年の第6戦でロサンゼルス・レイカーズに100-111で敗れた1回しかない。


第6戦で多く活躍してきたことから、ウォリアーズのクレイ・トンプソンには「Game 6 Klay(第6戦の男)」というニックネームがついている。今回の第6戦もショータイムとなるだろうか。

トンプソンは「これまでの第6戦で自分が本当にうまくやってきたのは分かっているよ。それがいつまで続くかは分からない」と話した。

「もちろん、(今回も)そうなることを願っている」

トンプソンは第6戦で通算平均20.7得点、フィールドゴール成功率44.6%、3ポイントショット成功率49.5%という数字を残している。

多くのファンが思い出すのは、2019年のトロント・ラプターズとのNBAファイナル第6戦だろう。この試合でトンプソンはFG12本中8本成功の30得点をあげたが、ひざの前十字靭帯を断裂。チームもラプターズにホームで敗れた。

第6戦で活躍するようになるまではしばらく時間を要した。最初の5試合の第6戦は平均10.2得点、FG成功率33.9%だったのだ。ブレイクしたのは2016年のカンファレンス・ファイナル。ウォリアーズが1勝3敗から2勝3敗として迎えた第6戦で、トンプソンは第4クォーターに19得点をあげるなど、11本の3P成功で41得点と爆発した。

ここからの第6戦でのトンプソンは、平均28.1得点、FG成功率46.8%、3P成功率65.8%を記録している。今ポストシーズンでも、グリズリーズとのカンファレンス・セミファイナルで勝負をつけた第6戦で、8本の3P成功を含む30得点をマークした。

トンプソンは「自分が勝ち取ってきたニックネームであることは明白だ。それにふさわしくありたい。同時に、自分がヒーローになろうとするプレイはしたくないね。とにかくコートに立ち、自分らしくあり、ここ数試合でやってきたことをやりたいだけだ」と話している。

原文:NBA Finals Notebook: Celtics seek answers as Warriors seek closure in Game 6(抄訳)

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