ゴールデンステイト・ウォリアーズが、プレイオフにおいて27シリーズ連続で達成したことがある。
ロードでの試合に勝つ、ということだ。
6月10日(日本時間11日)のNBAファイナル2022第4戦で、ウォリアーズは敵地TDガーデン(マサチューセッツ州ボストン)で107-97と勝利した。リーグ最高守備を誇るチームを相手に、シリーズ1勝3敗ではなく2勝2敗でサンフランシスコに戻ることになった重要な白星だ。
ステフィン・カリーは43得点、10リバウンドを記録し、(ほぼ)単独でウォリアーズを勝利に導いた。
アンドリュー・ウィギンズが17得点、16リバウンドをマークし、カリーの助けとなったが、ドレイモンド・グリーンは2得点、9リバウンド、8アシスト。攻撃面では再びウォリアーズに貢献できなかった。
一方のセルティックスは、プレイオフですでに頭を悩まされてきたのと同じ問題を抱えている。ターンオーバーだ。
13日(同14日)にチェイス・センター(カリフォルニア州サンフランシスコ)で行われる第5戦に向けた注目ポイントをみていこう。
ステフィン・カリー
ウォリアーズが優勝すれば、ファイナルMVPはようやくカリーのものとなるだろう。
最初の4試合を終えて、カリーは素晴らしかった。そして特に第4戦では別次元の活躍だった。
その第4戦で、カリーは3ポイントショット4本中7本成功を含む43得点、10リバウンド、4アシストをマークし、NBA史上初となるファイナル4試合連続3P5本超成功という記録も達成している。
カリーはひとりで43得点をあげ、チームのその他のスターター全員の得点(39)を上回った。これを実現した選手の中では、1998年ファイナル第6戦のマイケル・ジョーダンに続く年齢での達成だ。
グリーンが攻撃面で効果的でなかったウォリアーズは、実質的に4人で攻撃していたようなものだ。クレイ・トンプソンがシュートタッチを取り戻しつつあることは大きい。また、カリーの出来はほとんど理解不能なほど素晴らしかった。
前述のように、第4戦のカリーはほとんどひとりでチームを勝利に導いた。第5戦でも再び彼がチームをけん引するだろう。
グリーンの自信
今季のグリーンは試合後のコメントやポッドキャストでの発言がより話題となってきた。それがコートで苦しんでいる理由ではないだろうが、とにかく彼は苦しんでいる。
グリーンは攻撃で重要な要素でなくなっている。
ファイナル第4戦までで、グリーンは3P9本試投の成功なし、フィールドゴール26本中6本成功、フリースロー10本中5本成功という成績。そして2試合でファウルアウトした。パーソナルファウルは18と、シリーズ4試合での得点数(17)を上回っている。
第4戦では、ショットを放つことを恐れているようなところもあった。第1戦でグリーンはスランプから抜け出すためにショットを打とうとしているようだったが、12本中2本成功にとどまっている。
グリーン自身は、第4戦では自分もチームもより良いプレイをしたと話した。
だが、ウォリアーズとしては、第5戦で以前のようなグリーンに戻ってもらう必要があるだろう。
カリー以外のウォリアーズ選手の活躍
カリーは素晴らしかったが、彼だけで優勝できるわけではないだろう。
トンプソンは安定せず、まだシュートタッチを取り戻すのに苦しんでいる。ジョーダン・プールは第4戦で14得点とまずまずだったが、このファイナルでカリーの次に安定しているウォリアーズの選手はウィギンズだった。
第4戦でウィギンズは17得点、16リバウンドを記録している。ウォリアーズは彼がこのようなパフォーマンスを再び繰り返すことを必要としている。
だが、それ以外にウォリアーズで活躍できる選手は誰だろうか?
ジェイソン・テイタムは爆発するか
セルティックスが優勝した場合、ファイナルMVPに選ばれる可能性が高いのはテイタムだろう。
最初の4試合でテイタムは平均22.2得点、5.7リバウンド、7.7アシストを記録した。非常に良かった。ただ、本当に爆発した試合はない。
攻撃で安定していないことを、テイタムはプレイメーク能力で補おうとしてきた。だが、シリーズは2勝2敗のタイとなり、再びホームコートアドバンテージはウォリアーズの手に渡っている。テイタムは、このシリーズで自身をスーパースターであると主張できるだろうか?
『ESPN』で、テイタムはファイナルで自身を象徴するような試合が「まだ」ないと話した。だが、彼にとってまさに今しかないという時だ。
セルティックスの成功を左右するターンオーバー
第4戦の前にも書いたが、再度言及すべきなのは明らかだ。
セルティックスは15ターンオーバー以下なら14勝2敗という成績だ。だが、16ターンオーバー以上だと0勝6敗となっている。
耳にタコができるかもしれないが、ボールを大切にしている時のセルティックスは通常、その試合で勝っている。今シリーズで敗れた2試合で、セルティックスは不用意なターンオーバーをしていた。
第2戦では、19ターンオーバーからウォリアーズに33得点を許した。勝った第3戦ではターンオーバーを12に抑え、そこからウォリアーズに許したのは24得点だった。そして第4戦で、セルティックスは16ターンオーバーからウォリアーズに35得点を許している。
ウォリアーズはトランジションがとても巧みであり、ターンオーバーを喫すれば非常に危険だ。セルティックスは第3戦同様、シリーズの残り試合でもボールを守り続けなければならない。