ジェームズ・ハーデンがいなかったら、フィラデルフィア・76ersはどうなっていただろうか。
ボストン・セルティックスとのイースタン・カンファレンス・セミファイナル、第1戦で見事なパフォーマンスを見せたハーデンは、第2戦と第3戦で苦しんだ。だが、元MVPのハーデンは5月7日(日本時間8日)に行われた第4戦、まだヒーローとなる力があることを証明した。
42得点、9アシスト、8リバウンドというスタッツだけではない。フローターでオーバータイムに持ち込み、決勝点となった3ポイントショットを沈めるなど、重要な局面で次々に活躍したのだ。76ersはオーバータイムの末に116-115で勝利し、シリーズを2勝2敗のタイとしている。
第4戦でのハーデンは、あらゆる意味でヒーローだった。シリーズを長くするためだけではない。彼はそれよりもっと大きなこと、そういった人のためにもプレイしていたのだ。
ハーデンはこの日の見事なパフォーマンスを、2月のミシガンステイト大学での銃乱射事件で被害に遭ったジョン・ハオさんにささげた。
事件により胸から下がまひ状態のハオさんは、ハーデンの大ファンだ。悲劇の事件以降、ふたりは交流してきた。
事件から数か月、ハーデンは第4戦でハオさんを試合に招待。ふたりは試合前のワークアウトで直接会うことができている。
試合後、ハーデンはインタビューの前に試合で使用したシューズをサイン入りでハオさんにプレゼントし、インタビュー中も友人であるハオさんのそばにいた。
ハーデンは「仕事をした。とにかくアグレッシブになることが大切だった」と話している。
「アリーナには特別なゲストがいた。小さなJ・Hだ。彼が幸運を与えてくれた。良い活気とエネルギーをもたらしてくれたんだ」
ハーデンは「本当にこの試合は彼のためだった」と述べ、ハオさんを「ここからすべての試合」に招待すると冗談を飛ばした。
ハオさんに刺激されたハーデンのパフォーマンスは、76ersに新たな希望を与えた。次は9日(同10日)、舞台を再びボストンに戻しての第5戦だ。